2016年

3月13日

水をコントロールする技術から生まれた新しいアイデア“リユーズシステム”

今週のゲストは引き続き水道事業のプロフェッショナル、株式会社光明製作所 代表取締役社長 金村時喜さん。
鋳造から始まった会社で、先代から数えて創業70年となりました。
「昔は止水栓、分水栓だけだったんですが、製造から加工、組み立てもできないか…そんなオーダーをいただくようになりまして」

ニーズによって他の部品も作ってきた、まさしく“もの作り”というフロンティア精神。
近頃はこんなビジネスも…。
「水道の老朽管が増えてきているんですね。
それを取り換える際に、仮設としてビニール管にしてバイパスを回して工事する。
そのビニール管ですが、工事が終わったら捨てていたんです。
それが廃材になるのがもったいなくて、環境に優しいビジネスができないものかと考えました」
一度使ったビニール管を自社でメンテナンスして再利用する。
これが光明製作所の「リユーズシステム」。
実はこのシステムはこんな側面もあります。
「災害が起こったら水が寸断される場合があります。
そんな時に水が出ているところからリユーズ管を使って水を引いてくる。
普段は地中にあるものを地上で繋げて水を確保。緊急時にも応用できます」

水道器具を作る会社は、生活を守る会社でもあるのです。
社長曰く、世界的にみても蛇口をひねって水を飲める国は15か国のみ。
圧や量など水をコントロールする技術は世界一だそうです。

金村社長はこの先、どんな未来を見ていらっしゃるのでしょうか。
「私たちはもの作りをしている会社なので、その製品から社会貢献していきたい。
例え1個の製品でも「欲しい」と言われたらニーズに応えていきたい。
社会に必要とされる会社になりたいですね。
そして社員が黄綬褒章をいただけるような、そんな会社になりたいです」

もの作りで街を創る。
光明製作所は水の流れのように止まることはないのです。

竹原編集長のひとこと

働く人、現場の気持ちを絶えずもっていらっしゃる意識がありますね。
その意識はすなわちユーザーの意識でもあります。
身近な水道に携わる会社ならではですね。