2017年

5月21日

感覚を磨いて力のある商品を生み出す

ゲストは、絶対に緩まないナットを世界に届けるハードロック工業株式会社・代表取締役社長の若林克彦さん。
着脱はできるけれど、振動などにはビクともしない。
「無から有を生み出す。
でも“無いもの”と思ってはいけません。
無い中に何かある。
諦めたらいけません。
時間と経費の無駄遣いをして、ものになりませんからね。
継続は力なりです。」

常識と違うことからスタートして推し進める若林さん。
パイオニアがパイオニアたる所以です。
「元々は設計で生涯を送ろうと思っていたんです。
独立も考えていなかった。
自分が作ったものがマーケットに出て、皆さんに喜んでもらおうと思っていたんですよ。
しかし、最初の緩み止めナットが始まったら一極集中。
命をかけてもせねばならん。
もちろん当時、社員からの反対もありました。
しかし、石の上にも三年ですね」

実は若林社長、緩み止めナットの前にも私たちの身近な商品を手掛けておられました。
「卵焼き器も開発しましたね。
取っ手の逆側の底面に30度ほどの角度をつけたんですね。
そうすることで早く上手く焼ける。
原価スレスレで売ってましたけど、ヒット商品になったので、緩み止めナットのいい準備ができました(笑)」

緩み止めナットの前にもおよそ50のパテントを持っていた若林社長。
商品を生み出す時の思い、考えなどはどういったものなのでしょう?
「作ってマーケットに出す仕事です。
作った商品に力があると勝手に売れてくれるんですよね。
そういった力のある商品を作る仕組みを作らねばなりません。
そうするには作る人が大切です。
まずは個人の感覚を磨くこと。」

商品に送り込む、個人の感覚。
それが優れていれば商品も自ずと力を持つ。
「職場だけじゃなく、家庭も大事です。
そこが社会につながっている。
その社会が自分を育ててくれる。
鳥居の楔が商品につながったように、社会や自分の回りが師だと思います」

若林社長の未来へのビジョンは?
「色々とアイデアがあるんです。
ハードロックナットの楔の応用として歯のインプラントも考えられます。
メディカルの分野でも活きそうですね」
想像力と応用力、そして技術力。
古来からの技術を今の感覚をもって今に活かす。
社長の夢は広がります。

竹原編集長のひとこと

お客さんのためにすることが自分のために。
この思いを諦めずに続けておられますね。
利他の心ですね。