2017年

9月 3日

社員の声を繋げてダンボール専用刃物を作り続ける

ゲストは、ダンボール用刃物製造専門メーカー・近畿刃物工業株式会社の代表取締役社長 阿形清信さん。
実は竹原さんと阿形社長とは旧知の仲。
シャツの色のお話からスタートしました。
シャツがピンクでネクタイもピンクという阿形社長です。
「見える化運動のひとつなんですよね。
バイオリズムをシャツで表現しようと思いました。
社員にもピンクとブルーのシャツを持ってもらっています。
今日のピンクですか?
もちろん、やる気がみなぎっているということです(笑)」

そんな阿形社長の近畿刃物工業株式会社は、ダンボール用刃物を専門にお作りになっている会社です。
「昭和35年から始まりました。
当時、戦後15年という時代です。
物流が発達していましたが、ものを送るときには何かに包まなければならない。
例えばりんごは籾殻を入れた木箱に入れて送っていました。
木箱は丈夫なんですが、重たいし、かさ張るんですよね。
それが時代とともにダンボールに変わってきた時代です」

そんな時代の中、ダンボールをどのように切っていくのでしょうか?
「形状でいうと一般的な包丁やカッターナイフとは違います。
形によって用途も様々ですね。
扇型や円盤状など、切るものからミシン目を入れるものまであります。
刃物といっても切るだけではないんですよ。
昔は1分間に70枚ほど切っていましたが、今では機械が進歩して1分間に400枚のダンボールを製造できます」

素材としてダンボールを改めて見てみると、切ってあるところや溝がついているところなど、様々な施しがされているのがわかります。
阿形社長曰く、全てオーダーメイドの刃物で加工されているものなんだそうです。

技術改良が進む中、一方では社員さんを大切にされています。
実際、会社のホームページも社員さんの声がたくさん反映されています。
「社員と話す時は“どうや?”とかじゃなくて、“会社は楽しいか?”って聞きます。
じゃあ、どう楽しいか答えてくれるでしょ。
あと、給料の支給日は振込みじゃないんですよ。
その時って社員の近くに行くじゃないですか。
そばに寄ると僕の気持ちが出るんです。
給料を差し出す。
社員も受け取る。
でも、手を離さないんですわ。
ちょっとキュッと持つんです(笑)」
労働した証としての給料。
この“キュッと持つ”というユーモア溢れる社長の発破です。

さらに会社を盛り上げるために作ったものがあるそうですね。
「社歌を作ったんですよ。
社員や取引先から言葉を募集しまして、それを専門の方にお渡しして、歌にしていただきました。
今、電話の保留音もこれになっています。
電話を取り次いでもらっても、すぐには出ません(笑)」 

切り開いてきた道だからこそできること。
独自の技術と独自のコミュニケーションがそこにはありました。

竹原編集長のひとこと

作る刃物はオーダーメイド。
社員さんとのコミュニケーションもある種、オーダーメイドのような独自のものですね。
オリジナルは強いです。