2017年

12月17日

受け継いだものは商品と心

先週に引き続き、『都こんぶ』でおなじみ、中野物産株式会社 代表取締役社長 中野盛正さん。
たくさんの商品をスタジオにお持ちいただき、試食させていただきながらの放送となった先週でしたが、今週は改めて会社の歴史を伺います。

「創業者は祖父でした。
京都の出身で堺へ働きに出まして。
当初勤めたのが昆布屋さんだったそうです。
北前船で届いた昆布を堺の切れ味の鋭い包丁で、とろろ昆布、おぼろ昆布を作って売っていたんですね。
祖父の“おやつになる昆布”を作りたいという思いから商品へつながったようです。
さらには手軽に食べることができて健康に少しでも寄与したい思いもありました」。

おなじみの『都こんぶ』の味ですが、いつからこの味に?
「最初は黒蜜などで甘みをつけて売ったこともありました。
そこから甘みや旨みをつけて売るようになりました。
今の味になって3、40年になりますね。
当初はどうやって食べるかわからない人も多かったようです。
小さい頃は工場に入ってつまみ食いしては怒られていましたね(笑)。
父は作り手でもありましたから、『都こんぶ』の香りに包まれて帰宅します。。
あの香りは私にとっては父の匂いでもありますね」
『都こんぶ』は紙芝居に集まる子どもへのお菓子、駅売店での販売、さらには大阪万博の時に全国に広まりました。

伝統の味を守り続けている中野社長ですが、すぐに中野物産株式会社へお勤めだったのでしょうか?
「実は私は次男なんです。
学生を卒業してから父からこう言われました。
“10年間好きにしろ。
10年経ったらお前が戻りたい、継ぎたいと思える会社にする”と。
でも商社に入社しようとしたタイミングで父が亡くなってしまうんです。
どうしようか迷っていた時に、母が“(お父さんが)そんな約束をしたのなら、10年は仕事をやりなさい”と言ってくれました。
その後押しがあって、商社に勤めました。
30歳のタイミングで商社を辞めて中野物産株式会社に入社しました」。

入社してからいかがでしたか?
「それまで全く違う内容の仕事をしてましたからカルチャーショックでしたね。
まず社員の皆さんに自分を認めていただかないといけませんでした。
現場に入って話をしながら徐々に…。
安心してもらってから色々と進めていきました」。

先代から受け継いだ会社は伝統の商品とともに、どう進んでいるのでしょうか?
「『都こんぶ』の製造は手作業で行われています。
これは社員のおかげです。
季節によってもお酢に漬ける時間が違ったりして職人的な仕事です。
そういった意味でも会社は従業員のためにあると思います。
自分のためにあるんではない。
最終的に社員が幸せになるために社長がどう考えるかだと思います」。

商品を生み出しながら社員の幸せを考える。
そんな中野物産株式会社の今後のビジョンは?
「一つは昆布一筋。
これまで多くの商品を生み出してくれた昆布は大事にしたいですね。
そして産地のお手伝いをしたいとも考えています。
昆布は美味しくて体にいいものです。
是非食べてください」。

社員への感謝、会社へと導いてくれたご両親への感謝。
そこから生まれる商品は食べて美味しくて、健康にもいい。
昆布でみんなが“よろこぶ”会社なのです。


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≪宛先≫
メール:akarui@mbs1179.com
FAX:06−6809−9090
ハガキ:〒530-8304 MBSラジオ
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竹原編集長のひとこと

魅力のある会社を作るというお父さんの言葉。
現社長が見事に作り上げておられますね。