番組内容
番組内容

野菜の元気が料理で私を元気に。

野菜の話は尽きることなく続いていますが、 そろそろ気になってきましたね〜。

そこで、先ほど畑で収穫した野菜それぞれのおすすめの食べ方を 三浦さんに聞いてみました。

「大和まなは、もともと辛子和えやお漬け物として 食べられてきたんですけど、とても汎用性の高い野菜ですので、 鍋にしたり、炒め物にすることができます。

和洋中華すべてに応用できる野菜なのですが、 オススメしたのはおひたしですね。
大和まなの風味と、とろっとした、 なんとも言えない食感も味わっていただけます。
野川まなは、白菜の料理はすべて応用できます」









※驚いたのは、「大和まな」。おひたしでいただいたのですが、ホントにとろっとしているんですね!

ほかにも、今市かぶは肉質が緻密でお漬け物も煮物もいけますが、 今日は少しだけおだしで味をつけて「焼きかぶ」に、とか、 話をきいているだけで、もう、我慢ができません!

それを察してか、奥さんの陽子さんが、 お料理を運んできてくださいました。
おいしそうですね〜。

陽子さんはお野菜の種を分けていただくとき、 どうやって食べているのかも聞いていたそう。
それを自分でやってみて、 お店を出すまで1年くらい料理の先生のもとで学び、 現在に至っているそう。

というわけで、どれからいただきましょうかね〜。

「焼きたてですので、今市かぶからお召し上がりください。
オーブンでそのまま焼いているだけなんです。
こちらは塩と、赤味噌の田楽、少しゆずを入れたゆず味噌がありますので、 それらをお好みでお召し上がりください」 と陽子さん。

まず塩からいただくことにしました。









※ものすごく甘い「今市かぶ」。かぶは焼くとすごく甘みが出るのだと、陽子さんが教えてくれました。

「大和まな」のおひたしは、本当に独特の食感!
秋口から食べられる野菜なのですが、 霜が降りる季節になると、よりおいしくなるそうです。

と、いよいよだしも沸騰してきたので、鍋にしましょう!
お店で出している大和芋の豆乳鍋の変化版で、片平あかねのしゃぶしゃぶです。









※大和芋はそのまま鍋に。2,3分で固まってきて、大和芋からもおだしがでるので、その中で片平あかねをしゃぶしゃぶして、ポン酢でいただきます。

それにしてもキレイな色ですね〜。
食感もいいのですが、最後にふわっとくる かすかなかぶの苦みがくせになります。
ちなみに片平あかねは、お正月にこのかぶら蒸しで紅白にすると、 色が落ちないのでいいそうです。

「片平あかねはピーラーでスライスして繊維を残してあげて、 あまり火を加えすぎずに食べると、 お肉との相性もいいので、たくさん食べられます。
大和芋のだんごは、奈良の郷土食で“おとし汁”があるんですけど、 入れることで甘みが出るし、おだしがまたおいしくなるという、 おとし汁の応用版です」
食材や強度の食べ方の説明もセット、なんとも贅沢な時間です。
そしてこの大和芋! ものすごい弾力で、ふわっと甘みが広がりますね〜。
お野菜そのものも珍しいものばかりですけど、 食べ方もそれぞれ違って、勉強になるし、たのしくうれしい、ですね。


ひととおりお料理をいただいたところで、 三浦さんご夫婦にとって、この場所、この土地は どんなところなのかを聞いてみました。

「ここも奈良市内なんですけど、 田舎のいいところと、街にも近いので街のいいところ、 それがうまく融合した、住みやすい街だと思います」 と陽子さんが言えば、 「この地域は市街地近郊の中山間地域で、 街の利便性もありながら豊かな自然もあります。
車でわずか5分走るだけで標高400メートルまで上がれます。
だから高原の野菜も平地の野菜も作れるんです。
多種多様な気候があるというのが、 生産地として適していると思います」 と三浦さん。
要するにお二人とも、ここがとても気に入っている、ということですね。











※街への感謝、野菜への愛。お二人の口から出てくる言葉はどれも、その二つに満ちあふれていました。

「僕たちはよそからやってきたのですが、 周りの方々がステキな方ばかりですので、 これからずっとここで根を下ろしていく、 天国のような場所だと思っています」

大和の伝統野菜復活に賭ける三浦さんですが、 100年後、日本の農業はどうなっていると考えているのでしょう?

「明らかなのは、今、大きな目で見ていくと、 自然環境もこのままだと水不足や食糧不足になっていきます。
だから社会の要請として、人間がもっともっと 自然に関わっていかなければいけない状況になっていくと思います。
また、欲求としても、もっともっと自然と寄り添って、 自然を生活の中に取り入れていきたいと 思う方も増えてくると思います。

今は生産者と消費者、作り人と食べる人と別れていますが、 これからはいろんな方が自分で野菜を作っていくとか、 小さな農業をみなさんが実践していくことで、 豊かな食卓とか、豊かな人間関係が できていけばいいなと思っています」

おいしい野菜で家庭の食卓が豊かになっていけば、 それを囲む家族や人々の関係性もよくなっていく。
三浦さんのビジョンは、野菜から人づくりまでを 見ているように感じられました。

そうそう、三浦さんの所では、「家族野菜」という呼び名があるんです。
三浦さんが種の調査でいろんな農家の方になぜ野菜を作るのかと聞くと、 おいしくて、家族の○○が好きだから、という言葉がとても多かったそう。
自分が作った野菜を食べる人のことを考えながら、 野菜を作っているんですね。
そんなステキなことを教わったので、三浦さんもお店で使う分だけつくる ものを「家族野菜」として発信しています。
たくさん出合えた大和の伝統野菜。
奈良の伝統的な野菜がこんなにあるんだと教わりましたし、 きっと他の地域にも、その地方独特の野菜があるんだろうな、 と考えるきっかけにもなりました。


最後はお店のスタッフの方も一緒に記念撮影。
お店にもぜひ出かけてみてくださいね。



Director’s voice

<農家レストラン清澄の里 粟>
三浦さんご夫婦が営んでいるお店を、ここでちょっとご紹介。 こちらは大和盆地が一望できる高台にある一軒家レストラン。 近くにある三浦さんの畑で採れた伝統野菜を、 コース仕立てで提供しています。 看板ヤギのペーターも、毎日皆さんをおもてなししているんですよ。 お店はほかにも、ならまちに古民家を改装した「粟 ならまち店」があります。 本店はお昼のメニューだけですが、 こちらは昼のコースが4種類、夜が3種類。 古都の風情を楽しみながら、おいしい野菜をいただく、 というのもいいですね。

・清澄の里 粟
住所/奈良県奈良市高樋町861
電話/0742−50−1055
営業/11:45〜16:00(ラストオーダー15:30)
※完全予約制
休み/火曜日(不定休あり)

・粟 ならまち店
住所/奈良県奈良市勝南院町一番地
電話/0742−24−5699(受付は10:00〜21:00)
営業/11:30〜15:00(最終入店13:30、ラストオーダー14:00)
   17:30〜22:00(最終入店20:00、ラストオーダー21:00)
※完全予約制
休み/火曜日(不定休あり)



【プロフィール】
三浦雅之さん
奈良市の山手で大和野菜の調査研究と栽培保存活動を行う三浦雅之さん。 奈良県各地を回っては希少になってしまった大和野菜の種をもらいうけ、 年間で約100種類の大和野菜を育てている。 量産できない、生産性が低いなどの理由で家族向けに作られてきた野菜を 「家族野菜」と称して広める一環で、農家レストラン「清澄の里 粟」も営む。 同レストランは2012年にミシュランガイドで星も獲得している。