揖保川河口から上流へ PART【1】
揖保川河口からたつの市に向かいます。
兵庫県西部を流れる揖保川に「畳堤(たたみてい)」という全国でも大変珍しい、ユニークな堤防があります。その成り立ちや特徴を伺います。さらに江戸時代初期から明治中期まで、宍粟(しそう)の年貢の積み出しなどに活躍した「高瀬舟」について、お話を伺います。

揖保川河口 |
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![]() 揖保川河口には播磨灘が広がります |
![]() 上流方向の緑の山々 |
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「揖保川の畳提(たたみてい)」 ― 「畳提」は、どのような経緯があってつくられたのですか? 瀬川さん: 昔は、このあたりを流れる揖保川の両岸に堤防がなかったので、大雨が降るたびに、洪水の被害が出ました。そこで堤防を建設する際に、川の方から見ても、町の方から見ても景観がいいようにと、住民から「畳提」のアイデアが出ました。 ― 景観と防災の両方兼ね備えているんですね。この「畳提」はいつ頃建設されたのですか? 瀬川さん: 昭和22年から、約10年間かけて工事が進められました。 ― 「畳提」自体は、川の両岸全部にあるわけではないのですね? 瀬川さん: たつの市内の流域を中心に、片方が1500m、もう一方が1200m、両方で2700mほどあります。そしてずっと下流の、揖保川町と御津町が合併した場所にも「畳堤」があります。それら全部含めまして、約3300mになります。 ― その長さに畳をはめていくと、かなりの枚数の畳が必要になりますね。 瀬川さん: そうですね。たつの市だけでも1277枚必要です。 ― それだけの畳をどうやって持ってくるのですか? 瀬川さん: たつの市に水防倉庫がありますので、使わないときはその場所に保管しております。 ― その畳はどこから、どうやって集めているのですか? 瀬川さん: 市民のみなさんに呼びかけて、家を建て替える時など不用になった畳をいただいています。 |
![]() たつの市太子消防署署長の瀬川剛さん(写真左) ![]() 普段は畳が入っていないので景観は良好です ![]() 欄干に畳を入れている様子 ![]() 畳を欄干に入れて水害を防ぎます |
― 「畳提」の欄干に畳をはめこむ訓練をされてるのですか? 瀬川さん: たつの市では、2年に1回水防訓練を行います。またその他にも西播磨全体で行う、大掛かりな訓練や職員だけの訓練など、毎年大小さまざまな訓練を行っています。 ― 実際に防災に役立ったことはあるのでしょうか? 瀬川さん: 畳を入れる寸前まで準備したことはありますが、実際に水が出て畳を入れたことはありません。 ― この「畳提」は全国的にも珍しいものなんでしょうか? 瀬川さん: 非常に珍しいですね。揖保川のほか、岐阜県の長良川、岡山県の高梁川など、日本で数ケ所しかないと聞いてます。 「畳提」が続く揖保川流域の景観は、今日のように天気がいい日は畳が入っていないので、見通しも良く開放的です。 |
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