財務省の『団塊の世代についての調査』で、退職後に『お金をかけるつもりのもの』という質問に、習い事と答えた人は、男性で5位、女性では3位に入っています。
ちなみに男性は1位国内旅行、2位車、3位海外旅行、4位住宅の改装
女性は1位国内旅行、2位住宅の改装、4位海外旅行、5位車でした。
まあ、普通はお稽古事というのは、日本舞踊でも、お茶でもお花でも、教わる側がお金を払って、教える側がお金を受け取る。ちゃんとお稽古事がビジネスとして成立してるんですが、我々落語家の世界は全然違います。
まるで逆なんです。教える側が損をするんです。僕も落語家になって12年。
これまでいろんな先輩にお稽古をつけてもらいました。
それによって、こうして商売をさせてもらってるわけですが、実は先月やっと僕も恩返しをする番、お稽古をつける側になりました。
まだ入門4年目の後輩が、『お兄さん、稽古付けて下さい。』
嬉しいもんですよ。自分のネタを認めてくれたわけですから。
偉い師匠の場合、自宅に広い稽古部屋があります。自宅に招いて、自分の稽古部屋がいかに広いか自慢するのも、お稽古の一環なんですが、当然家は狭い。一人入ったら一人出て行かないといけない始末。
嫁がウンと言わないので、大阪市内の公共施設を借りることにしました。借り賃1800円。当然僕の負担。自分で座布団を持参し、事務机を組み立てて、高座を作って、後輩を待ちます。
準備が出来て、クーラーも効いて、快適な温度になって来た頃に後輩が到着。
彼の着替えが終わるのを待って、自分の得意なネタをじっくりたっぷり汗をかきながら
30分ほど熱演。録音したいというので、カセットレコーダーに向かって喋っていたんですが、途中でテープが回ってないことに気付きました。どうやら電池が切れたらしいんです。
電池を買いにコンビニに行くというので、ついでに喉が渇いたので、ペットボトルのお茶を買って来てくれるように頼みました。
当然『お前もお茶買いや。電池もそれで買ったらええわ。』と千円渡します。
数百円のお釣りも、『釣り?取っとけ。』と見栄をはります。
で、また汗をカキカキ30分熱演。
終わったのが丁度昼前。ひもじそうな顔してるから、一緒に昼飯を食いに行きました。
僕はエビフライ定食900円。後輩はデラックスランチ1200円を注文。
ほんまに空気の読めない後輩です。
二人で2100円。もちろん僕持ち。
会場費1800円、昼食代2100円、お茶代、電池代合わせて約5000円。
考えたら、自分で練り上げて商品にした落語のネタを、5000円払って人に教えてることに。
お金払ってライバル作ってる。しかも、たまたま僕のそのネタと、僕が教えた後輩がやったそのネタの両方を見たお客さんがいて、その人に『後輩の方がおもろかった。』と言われました。どんだけ、ええヤツやねん。 |