はやみみラジオ!水野晶子です
『はやみみラジオ!水野晶子です』毎週月〜金曜日 朝6:00〜7:45
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2006年4月14日
映画と「3代目」

先日まで、なんばのワッハ上方で3代目桂春団治師匠の10日間連続の落語会が
開かれていて、連日大入り満員、大盛況で幕を閉じました。
桂三枝、文珍、笑福亭鶴瓶、春風亭小朝、林家正蔵とゲストも豪華で、
入場料は破格の5千円!もちろん、それだけの値打ちがある落語会ですが、
僕はお小遣いが少ないので、楽屋からこっそり見に行きました。

春団治師匠はうちの師匠と同い年で、上方落語の四天王と呼ばれてるひとりです。
昭和5年生まれで、今年77歳。芸暦はなんと60年!
芸暦だけで還暦というわれわれ噺家から見れば、神様みたいなすごい人です。
けれど、舞台に向かう直前の春団治師匠を舞台袖で見てビックリしました。
「人・人・人」って、3回手に書いて、それを飲んでから舞台に向かうんです。
芸暦60年の超ベテランが、そんなおまじないをしてるって、
ちょっとおかしいですよね。
それにしても、年齢的にはおじいちゃんなのに、まだまだバリバリの現役、
今回の落語会は10日間日替わりで春団治師匠は10席の高座を勤めたわけです。
77歳ですごい体力、かっこいいなあと思います。

ところで、当代の春団治師匠は3代目ですが、春団治の名前はいろんな意味で
有名です。初代が強烈なキャラクターだったからです。
初代の桂春団治って、都はるみさんと岡千秋さんが歌った
「芸のためなら女も泣かす」の浪花恋しぐれの歌のまんまのような、
破天荒な落語家だったらしいのです。
たまたまこの前、初代桂春団治を描いた古い映画を家で見ました。
とにかく、春団治を最低の男として描いているんです。
嫁をほったらかしにして他の女に走る、さらには別な若い女を身ごもらせて
それもすてるわ、僕が見ていても腹が立つくらいでした。
困ったのは一緒に見ていた嫁さんの機嫌がどんどん悪くなってきたことです。
最初は笑いながら見ていたのに、最後には「奥さんがかわいそう」と涙まで流して、
僕の顔を見て「やっぱり落語家って最低!」
俺は何もしてないっちゅうねん!

3代目桂春団治の独演会のパンフレットを大事に持って帰って、
嫁さんに見せました。
「うわ!春団治の落語会や!」
「違うがな。この人は3代目やって。」
「3代続いた女たらしやろ?」
映画の力はスゴイ!と感じた出来事でした。