この前の日曜日、外務省からの依頼で日本文化の紹介イベントに呼ばれて
東京に行ってきました。ちょっとした、小遣い稼ぎですわ。
お客さんは各国の大使館員。イギリス、ドイツ、フランス、トルコ、中国などなど、
色んな国の人がいました。
その日のテーマは「落語」と「寿司」。
前半に僕の英語落語を楽しんでもらい、後半は寿司職人さんによる寿司の解説と実演、
そして試食という盛りだくさんなイベントです。
当然、落語会の会場と寿司の会場って別やと思ってたんですが、
上手側=向かって右側に落語の高座があり、下手側=向かって左側には何と、
寿司の板場が作ってあるんです。ステージ上に。料理の鉄人やないねんから!
客席から寿司を握る様子が手に取るように分かります。
ガラスケースの中には新鮮トレトレのネタ、さすが国の威信をかけてます、
っていう高級なネタがビッシリ並んでいる。
シャリの香りと、新鮮なネタ。会場に入っただけで、よだれがこぼれそうです。
それに比べて落語の高座。立派なものを作ってくれたんですが、
座布団が落語用のものがなかったらしく、薄っぺらい座布団が寂しそうに
置いてあるんです。外務省も寿司に力を入れすぎたみたいです。
落語の開演がちょうどお昼の12時。
お客さんは僕の登場に拍手はしてくれてるものの、どうも寿司の方を気にしています。
拍手とともにあちこちから「クー」っていうお腹を鳴らす音が聞こえてきました。
落語の解説をやって古典落語「時うどん」の英訳版「タイムヌードル」をやりました。
僕がうどんを食べるしぐさをしていると、あろうことか、隣の寿司の板場で職人さんが
仕込みをはじめました。寿司を握りだしたんです。
僕も負けないように必死でうどんをすすりましたが、こっちは想像のうどん、
あっちは本物の寿司、なんぼ想像力あっても、勝てません。
客が寿司につられそうになるのを必死で食い止めなが落語をやり遂げました。
日本の国の威信をかけた寿司だから、ネタも超一流。本マグロの中トロ、金目鯛のズケ、礼文産のウニなど、超一流のネタが並んでます。
足りなかったら絶対あかんから、山のように寿司あるんです。
もうみんな必死で寿司をほおばっていました。
実はテレビ局の取材も入っていて、各国の大使館員に感想を聞いていました。
「今日のイベントはどうでしたか?」「はい、とても美味しかったです。」
落語のネタかて新鮮やったのに、落語はどこへ行ったんやー! |