今年も後残り3日。
これから挨拶回りって方もいらっしゃるのではないでしょうか。
落語家の年末の過ごし方といいますと、事始めという行事があります。
これは弟子がみんな師匠のお宅に集まって、今年1年のお礼と
来年のご挨拶をするという習慣です。
任侠の世界と花街と落語家の世界にだけに残って居る習慣です。
弟子がそろって師匠のお宅に御餅をお供えするんです。
お餅代言うて、みんな千円くらい持っていくんです。
千円持って行って、師匠の家で朝10時集まって、酒飲んで、つまみ食って、
お昼には丼もんの出前も出してもらって、おやつにぜんざいも出してもらって、
晩飯までいただいて、夜9時まで飲んで騒いで千円です。
めっちゃお得でしょ。
うちの師匠は亡くなりましたけど、今年も師匠のお宅に集まりました。
奥さんが今までと同じようにお酒やらあてやら色々用意して下さいまして、
弟子をもてなしてくれはりました。
師匠が生きてはる間は、師匠のお宅のテーブルの一番上座に師匠が座って、
あと兄弟子から順番に三枝、きん枝、文珍という順に座っていきます。
テーブルには全部で18人しか座れないんです。
僕は19番弟子ですから、いつも立って兄弟子にお酌したり、
食べ物運んだりしてました。
師匠が亡くなったので、一番上座の席が空いたんです。
でもえらいもんですね、上から詰めて行ってくれたらええのに、
師匠の席にはやっぱり誰もよう座らないんです。
師匠の席ポツンと空いたまま。
僕そこに座ったろかいなと思ったんですけど、さすがに止めておきました。
師匠の奥さんも、師匠がいなくなって寂しいとおっしゃって、
師匠の衣装とかもまだ置いてはるんです。
奥さん言うてはりました。
「お父ちゃんが居てないのがやっぱり寂しいてな、うち5キロ肥えてん。」
やっぱり女性は強い。
お正月もまた集まります。奥さん、お正月もよろしくお願いします。 |