はやみみラジオ!水野晶子です
『はやみみラジオ!水野晶子です』毎週月〜金曜日 朝6:00〜7:45
【出演者】水野晶子・桂かい枝・近藤勝重/【ニュース】加藤康裕/【天気中継】南利幸
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2008年2月15日
寄席のしきたり

寄席では一番最後に舞台に上がる人、その日一番偉い人をトリ、
もしくは真打といいます。
真打というのは、昔の寄席では照明が蝋燭の火だったので、
最後に出た人が舞台が終わってから、蝋燭の芯を打ち消す、芯を打つ、
そこから真打という言葉が出来たそうですが、
トリの次に偉いのが中トリというのですが、
先週繁昌亭で初めて中トリをやらせていただきました。
言うたらその日の出演者のナンバー2。

名誉なことでありがたいけど、その分出費も多いんです。
まず初日には事務局の皆さん、裏方さんに差し入れの大福餅を持参して、
一週間のお願いをしました。これが3000円ほど。
楽日にも同じくお礼の差し入れ3000円ほど。
そして打ち上げ!なんと、初日、中日、楽日と3日間やらないといけないんです。
しかも他の出演者は皆先輩ですよ!
僕より芸暦上にもかかわらず、
「今回は、ごちになろうか!中トリのかい枝師匠に」言うて、僕が払わなあかんのです。
6人分ですよ!情報収集しまくって、めっちゃめちゃ安い居酒屋さんに行きましたが、
それでも6人で行って、1万円近く。3回で3万円。
それに比べて出演料は微々たるもの。完全に赤字です。
後は、お客様からのご祝儀を期待するんです。

東京は、寄席の歴史もあるし、元々武士の町っていうこともあるんでしょうか、
見栄をはる習慣がありますね。
東京の噺家は寄席がはけた後、贔屓のお客さんにご馳走になるっていうのが、
普通みたいです。
お客さんにご祝儀とタクシー代をもらって、赤字を補填するっていう習慣があります。
繁昌亭では終演後、出演者が揃いの法被を着て、会場の外に出て、
お客さんをお見送りするんです。
言うたら、お客さんと接する、ご祝儀をもらう絶好のチャンス。
初日から、6日目まで、思いっきり笑顔でニコニコしてましたが、
皆さん「楽しかったよ!」言うて、
もちろんそれはそれでありがたいけど、ご祝儀は何もなしでした。
最終日、いよいよ最後のチャンス。幸い、舞台も上手くいきました。
あとは祝儀をもらうだけです。
「ありがとうございます!かい枝でございます。またいらしてください。」
名前をしっかりアピールしながら並んでたんですが、
皆さん笑顔やけど、何もくれはらへん。
外に出てますから、段々体も冷えてきた。あー、寂しいなあと思って立ってたら、
最後に出てきたおばちゃんが、手に缶のホットレモンを2本差し出しながら、
ニコニコして僕に近づいて来ました。
祝儀はもらえなかったけど、寒い中頑張ってお見送りしてるから、
わざわざ温かいホットレモンを買って来てくれたんやと思って、
「ワー!あ、ありがとうございます!」と言うて手出したら、
「あ、これ…、悪いけど捨てといて。ゴミ箱見あたらへんねん。」
なんや、俺ゴミ箱代わりかい!