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【巻】…5・855
【歌】…松浦川川の瀬光り 鮎釣ると立たせる妹が裳の裾濡れぬ
【訳】…松浦川の川の瀬が光り鮎を釣ると立っているあの娘の裳の裾が濡れた
【解】…九州は万葉の時代、都から遠く離れてはいるものの、当時の先進国との交流には欠かせない重要な地域だったため、都から大宰府などに赴任していた役人も多く歌も数々残っています。今日の歌にある松浦川は現在の佐賀県を流れる川ですが、この歌では地方視察に赴いたおりに、松浦川の浅瀬で夏の味覚・鮎の漁にいそしむ女性の姿を見つけた作者が、裳(も)と呼ばれる現在のスカートのような色鮮やかな衣裳の裾が水に濡れて、さらに鮮やかで涼しげな風景を感じさせてくれます。もしかしたら、作者と漁をしていた女性の出会いの歌なのかも知れません。上野先生の時代背景の解説によると、当時は出会ったら声を掛けるのが礼儀だったようです。イタリアの男性たちのような積極さを古代の日本人は既に備えていたのでしょうか。
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