MBSラジオがパソコンで聴ける!インターネットラジオサービス「radiko.jp」
上野誠の万葉歌ごよみ
ポッドキャストの楽しみ方
ポッドキャストの受信ソフトに、このバナーを登録すると音声ファイルが自動的にダウンロードされます。
ポッドキャストの説明はコチラ
歌ごよみ!
上野誠コラム
上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(奈良大学文学部教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサーブログ
utagoyomi_p@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2017年2月25日 放送分】
【2017年2月18日 放送分】
【2017年2月11日 放送分】
【2017年2月4日 放送分】
【2017年1月28日 放送分】
【2017年1月21日 放送分】
【2017年1月14日 放送分】
【2017年1月7日 放送分】
【2016年12月31日 放送分】
【2016年12月24日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2017年2月25日 放送分】
2017年2月25日
【巻】…10・1882

【歌】…春の野に心伸べむと 思ふどち来し今日の日は暮れずもあらぬか

【訳】…春の野に心をのびのびさせようと、気の合った仲間達とやって来た今日の日は、日暮れにならなくてもよいのになあ

【解】…3月20日(月)春分の日は、毎年恒例のラジオウォーク。そこで、この番組も4回シリーズで「ラジオウォーク特集」をお送りいたします。今年のラジオウォークは、奈良公園と、その北側にある奈良坂周辺を巡るコース。スタート・ゴール会場は、春日大社境内の飛火野で、広大な芝生が広がる気持ちのいい場所です。万葉時代は、この春日野エリアで野遊びをすることが多かったようで、そんな時に作られたのがこの歌。作者は、「このまま日が暮れなければいいのに」と詠んでいます。春の野で気の合った仲間と過ごすひと時は、心が解き放たれる、かけがえのない時間だったのでしょう。その楽しさが、しみじみと伝わってくる歌です。
停止

上野誠の万葉歌ごよみ-上野誠コラム
【2017年2月18日 放送分】
2017年2月18日
【巻】…11・2826

【歌】…かくしつつあり慰めて 玉の緒の絶えて別ればすべなかるべし

【訳】…このようにしながら、いつも心を慰めてきたけれど、あなたとの仲が絶えて別れてしまったならば、どうすることも出来ない

【解】…春は、別れと出会いが交錯する季節。万葉集にも、別れのつらい気持ちを詠み込んだ歌が沢山あります。この作品もそのひとつ。作者は「人生というものは別れを何度も繰りかえすもので、その度に心を慰めながら生きていくしかない」としながらも「大切なあなたとの仲が絶えてしまうのだけは、どうしようもなく耐え難い」と訴えています。この歌は2首でセットになっていて、次の2827番の歌は「もしあなたが紅の花であるならば、着物を染めて持って行く事ができるのに。その着物を着れば、いつもあなたと一緒にいられる」と詠んでいます。互いを想う気持ちが痛いくらいに伝わってくる2首です。
停止

上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2017年2月11日 放送分】
2017年2月11日
【巻】…2・133

【歌】…小竹(ささ)の葉はみ山もさやにさやげども われは妹思ふ 別れ来ぬれば

【訳】…笹の葉は、み山もさやかにサラサラと音を立てるけれども、私は恋人のことを思う、別れて歩いてゆくと

【解】…石見の国(現在の島根県西部)に赴任していた柿本人麻呂は、ある女性と出会って恋人関係になりますが、都に帰らなければならなくなります。恋人と別れて大和に向かう途中、人麻呂は別離の哀しみを歌に詠みました。その長歌に続く反歌2首のうちの1首で、名歌と評されている作品です。都に向かう山の道、笹の葉がサラサラと風に揺れる気持ちのいい風景に囲まれた人麻呂ですが、そんなことには全く反応していない様子。普段なら、自然の動きに敏感なはずですが、この時ばかりは、別れた恋人への思いでいっぱいだったのでしょう。その気持ちが1300年たった今でも痛いくらいに伝わってきます。
停止

上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2017年2月4日 放送分】
2017年2月4日
【巻】…19・4238

【歌】…君が行(ゆき)もし久(ひさ)にあらば 梅柳誰とともにか わが蘰(かづら)かむ

【訳】…君の旅がもし長くなったら、梅と柳を見る宴をして誰と共にかずらにすればよいのか、君が一番だ

【解】…越中国(現在の富山県)の官舎で開かれた宴会で詠まれた歌。何の宴会かと言うと、久米広縄という人が、税金の報告をするために平城京へ出張するにあたっての送り出しの会。単なる出張なのに、と思われるかもしれませんが、当時は交通手段が整備されていませんから、帰ってくるまで2〜3週間かかりました。この宴は2月2日に開かれたものですから、広縄が越中に帰ってくるのは多分3月。少し遅れれば、梅の花や柳の芽吹きを楽しむ時期を逸してしまうかもしれません。そこで、広縄の友人である大伴家持が、「君の旅がもし長くなったら、梅や柳を見る宴会で枝を丸くして頭にのせながら酒を飲む・・そんなひと時を一体誰と楽しめばいいのか」と、広縄のかけがえのなさを歌に詠み込んだのです。
停止

上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2017年1月28日 放送分】
2017年1月28日
【巻】…10・2330

【歌】…妹がため上枝(ほつえ)の梅を手折るとは 下枝(しづえ)の露に濡れにけるかも

【訳】…恋人のために上の枝の梅を手折ると、下の枝の露に濡れてしまったよ

【解】…万葉時代は花屋さんがありませんから、恋人には自然の花を手折って贈っていました。この歌もそんな風景を切り取ったものですが、梅の木の上の方に咲いている花を取ろうとしたら、下の枝の露が服について濡れてしまったようです。作者は、なるべく美しい花をと思って背伸びをしていたのでしょう、必死になるあまり、露には気付かなかった様子。それだけ、恋人を大切に思う気持ちが伝わってきます。
停止