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上野誠の万葉歌ごよみ
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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(國學院大學 教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサープロフィール
utagoyomi@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2024年4月13日 放送分】
【2024年4月6日 放送分】
【2024年3月30日 放送分】
【2024年3月23日 放送分】
【2024年3月16日 放送分】
【2024年3月9日 放送分】
【2024年3月2日 放送分】
【2024年2月24日 放送分】
【2024年2月17日 放送分】
【2024年2月10日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2016年5月7日 放送分】
2016年5月7日
【巻】…20・4420

【歌】…草枕旅の丸寝(まるね)の紐絶えば 吾(あ)が手とつけろ これの針持(はるも)し

【訳】…旅の丸寝の紐が絶えてしまったなら、私の手だと思ってつけて下さいね、この針を持って

【解】…防人として旅立つ夫に妻が贈った歌です。防人は、関東から大阪を経て遠く九州へと赴任してゆきます。交通機関が発達していない時代ですから、道中、多くの困難が待っていて、行き倒れる人も少なくありませんでした。無事に着いたとしても、防人の任期は3年〜5年、長くなると10年ということもあったようで、送り出す時の妻は、永久の別れに似た気持ちだったに違いありません。そんな心模様をこの歌では、夫の着物への心配りとして詠んでいます。普段の縫い物は妻の仕事ですが、道中の夫を世話することは出来ませんから、「草枕の独り寝で着物の紐が切れた時は、私の手だと思ってこの針で縫ってくださいね」と呼びかけているのです。言い換えれば、私の心はずっとあなたに寄り添っていますよというメッセージなのでしょう。