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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2016年6月4日 放送分】 |
2016年6月4日 |
【巻】…6・1040
【歌】…ひさかたの雨は降りしく 思ふ子が宿に今夜は明して行かむ
【訳】…雨はしきりに降っていて、だから今日は、愛しいあの子の宿で朝まで飲もう、さあ楽しも
【解】…安積親王(あさかのみこ)が、左少弁という位にあった藤原八束の家に行幸なさったので、八束が宴会を催しました。その宴の席に参加した大伴家持が作ったのがこの歌。古代は交通手段が未発達で雨具も殆どなく、雨が降ると実質的に外出できなくなります。この宴会の際にも雨がしきりに降っていたので、家持は「雨が降って帰れないですから、皆さんどうでしょう、今夜は飲み明かしませんか」と呼びかけているのです。ただ、「思う子が宿」というのは、恋人の家を指す言葉。会場は八束の家ですから、恋人の家ではありません。これは、歌にユーモアの要素を入れるために家持がこの表現を使ったと推測されます。きっと、集まった人たちが近しい関係性だったから、こういう表現にしたのでしょう。
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