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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2016年7月2日 放送分】 |
2016年7月2日 |
【巻】…10・2029
【歌】…天の川揖(かぢ)の音聞ゆ 彦星と織女と 今夜会ふらしも
【訳】…天の川に楫の音が聞こえる。彦星と織女と今夜会うに違いない
【解】…前週に続いて七夕の歌です。天を見上げていた作者に、天の川を漕ぐ舟の音が聞こえたようです。楫がかき分ける水の音か、それとも、漕ぐ時に軋む木の音か・・実際にそんな音が聞こえてくる訳ではないのですが、作者の脳裏には、年に一度のデートに向かう彦星と織女の姿が音とともに浮かんできたのでしょう。現代では、星や宇宙の事情がある程度分かってきてはいますが、それでも空はまだまだ謎だらけの世界。古代の人々は、その謎を謎とは思わず、輝く星空を見上げて、想像の世界を楽しんでいたのではないでしょうか。うつむくことが多い現代では、なかなかそのような心の余裕は持てないですが、たまに空を見上げてみると、自分の中の想像力が少し目を覚ますかもしれません。
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