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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2016年7月23日 放送分】 |
2016年7月23日 |
【巻】…4・622
【歌】…草枕旅に久しくなりぬれば 汝(な)をこそ思へ な恋ひそ我妹(わぎも)
【訳】…旅が長くなってきたので、お前さんのことばかり思っているよ。そんなに恋しく思わないでおくれ、わが妻よ
【解】…旅が楽しいものとして語られるのは、江戸時代後半からのことで、万葉集では、殆どが「旅は苦しい」という内容になっています。「草枕」という枕詞の通り、草を枕にするような日々であったり、帯を解くことが出来ず、旅装束のまま眠る日が多かったようです。ただ、このような肉体的な苦痛よりも苦しいのが、妻や恋人と会えないこと。通信手段がない時代ですから、相手のことをただ想像するしかなく、恋しい気持ちもひとしおだったことでしょう。この歌では、作者が妻に「私のことをあまり強く想わないでくれ」と懇願しています。当時は、相手が自分のことを強く想うと自分の夢に出てくると信じられていましたので、妻が夢に出てくるようになったら、恋しさで我慢できなくなる、という気持ちでこのように詠んだものと思われます。
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