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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2016年9月24日 放送分】 |
2016年9月24日 |
【巻】…15・3659
【歌】…秋風は日にけに吹きぬ 我妹子は何時とかわれを斎(いは)ひ待つらむ
【訳】…秋風は日増しに日増しに吹いてくる。わが妻は、いつ帰ってくるかと身を清めて待っていることであろう
【解】…天平8年に、新羅に遣わされた使節団がありました。その使節団は、難波津を春に出発して秋に帰ってくる予定でしたが、船がなかなか進まずに、秋の時点ではまだ九州の「鴻臚館(こうろかん)」という外交施設にいました。この施設は海の近くにあり、使節団のメンバーはある日、海辺で月を望みながら歌を作りました。そのうちの1首がこの作品です。作者は、都に妻を残してきているのですが、日増しに吹いてくる秋風が、妻との別離が長くなってしまったことを実感させたのでしょう。身を清めて、夫の無事を祈りながら待ち続けている妻の姿が思い浮かび、自分の気持もさることながら、待ち続ける妻の寂しさを考えると、たまらない気持ちになって、この歌を作ったと思われます。
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