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上野誠の万葉歌ごよみ
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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(國學院大學 教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサープロフィール
utagoyomi@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2024年3月23日 放送分】
【2024年3月16日 放送分】
【2024年3月9日 放送分】
【2024年3月2日 放送分】
【2024年2月24日 放送分】
【2024年2月17日 放送分】
【2024年2月10日 放送分】
【2024年2月3日 放送分】
【2024年1月27日 放送分】
【2024年1月20日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2016年11月19日 放送分】
2016年11月19日
【巻】…10・2235

【歌】…秋田刈る旅の廬(いほり)に時雨降り わが袖濡れぬ 乾す人なしに

【訳】…秋の田を刈る旅のいおりに時雨が降って私の袖が濡れた、乾す人もいないのに

【解】…古代では、稲刈りの時期になると、自分の田の近くに仮の小屋を建てました。それが廬です。なぜそうするかというと、せっかく実った稲が動物に食べられたり、誰かに盗られたりすることが多かったためで、小屋に寝泊りして見張りながら稲刈りを行っていたのです。たった一人の小屋での生活がしばらく続くわけですから、寂しかったに違いありません。この歌の作者は、稲刈りの作業中に雨に降られて服が濡れたようですが、乾かしてくれる妻はそばにいません。当時は着替えの服もなく、濡れたままで一夜を過ごさなければならなかったでしょうから、孤独感は耐え難いものだったでしょう。その辛さがこの歌からにじみ出ています。