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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2016年12月3日 放送分】 |
2016年12月3日 |
【巻】…9・1782
【歌】…雪こそは春日消ゆらめ 心さへ消え失せたれや言も通はぬ
【訳】…雪というものは春に消えてしまうもの。心までも消えてしまったのか、音沙汰もない
【解】…これは、夫が妻に贈った歌です。雪は春になれば消えてしまうものだけれど、あなたの心まで消えてしまったのですか?ずっと音沙汰がないじゃないですか!と、妻を責める内容になっています。しかし当時は、夫が妻の家に通う妻問婚の時代ですから、本来は、夫が訪ねる前に、先に連絡するのが常識でした。ですから、この歌を読んだ妻は次の1783番の歌で次のよう返しています。 「松反りしひてあれやは 三栗の中上り来ぬ 麻呂という奴」 内容を現代風に表現すると「あなたが来ないから、あなたのことを忘れているのですよ!本当にあなたという人は・・おかしいじゃないの!」・・当然、怒っています。でも、夫婦でこういったやり取りが出来るのは、むしろ仲が良い証拠なのかもしれませんね。
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