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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2017年6月24日 放送分】 |
2017年6月24日 |
【巻】…11・2819
【歌】…おし照る難波菅笠(すがかさ)置き古し 後は誰(た)が着む 笠ならなくに
【訳】…おし照る難波の菅笠を置き古しておいて誰が着るというのですか。そんな菅笠なんてありませんよ、私は一途な女ですから
【解】…前週にご紹介した歌への、女性からの返答です。「佐紀沼の菅で笠を縫って、それを着て行こうかと待っている間に時がたってしまった」と、ご無沙汰の言い訳をする男性に、女性は歌のキーワードになっている「笠」を使って歌を返しています。雨の日に女性の家にやって来た男性は、帰る時に雨が止んでいると笠をそのまま置いて行くことがしばしば。その状況を例えに用いて「別の男の人が来て雨が降ったなら、この置き笠を貸してよということになるでしょう。でも、私はそんなことはしませんよ」と歌に詠んでいるのです。つまり、私はあなたに不誠実になることはしませんから、あなたも誠実に私の家に来てくださいと・・。ちなみに、「笠」を、菅の本場である難波の菅で作った笠にしているのは、佐紀沼の菅笠を用いている男性への皮肉のニュアンスを含めているのかもしれません。
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