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｢上野誠の万葉歌ごよみ｣ |
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| 【2017年7月22日 放送分】 |
2017年7月22日 |
【巻】…10・1895
【歌】…春されば まづ三枝（さきくさ）の幸（さき）くあらば 後にも会はむ な
恋ひそ我妹（わぎもこ）
【訳】…春が来ると まず咲く三枝ではないけれど 幸いであるならば 後にまた会えるでしょう そんなに恋しがらないで下さいね 私の妹よ
【解】…春さればとは春がやってくること。三枝とはササユリのことで、白くて笹の中に咲く清楚な花。
幸（さき）くとは無事であるなば、元気でいるならという意味で、三枝（さきくさ）の“さき”とかけています。
我妹（わぎも）とは、私の恋人・妻のこと。
当時は、旅先で病に倒れて亡くなることも多かったことから、時代に旅に出て無事に戻ってくるのが大変な時代。
男性は、相手（恋人・妻）が旅立つ自分のことを心配してくれていると思っていて、その気持ちがわかるので、相手に心配しないでねと呼びかけているのです。
旅立つ男性の心だけでなく、見送る女性の心もわかる歌です。
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