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上野誠の万葉歌ごよみ
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上野誠の万葉歌ごよみ
毎週土曜日 朝 5:30〜5:45

上野誠(國學院大學 教授)
上田悦子(MBSアナウンサー)
★上田悦子アナウンサープロフィール
utagoyomi@mbs1179.com
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」

【2024年3月23日 放送分】
【2024年3月16日 放送分】
【2024年3月9日 放送分】
【2024年3月2日 放送分】
【2024年2月24日 放送分】
【2024年2月17日 放送分】
【2024年2月10日 放送分】
【2024年2月3日 放送分】
【2024年1月27日 放送分】
【2024年1月20日 放送分】
上野誠の万葉歌ごよみ-歌ごよみ
【2017年8月12日 放送分】
2017年8月12日
【巻】…2・146

【歌】…後(のち)見むと君が結べる岩代(いわしろ)の 小松がうれを また見けむかも

【訳】…後に見ようとあなたが結んだ岩代の小松の枝を 皇子は再びご覧になったのであろうか はて

【解】…斉明天皇の時代に様々な政変の中で、有間皇子(ありまのみこ)という人が命を落とします。斎明天皇は贅沢をして民の生活を苦しめていたので、蘇我赤兄(そがのあかえ)は皇子をそそのかし、天皇になって悪い政治をあらためてほしいと言って、皇子は兵をあげようとしていた。しかし、蘇我赤兄は内通者で、皇子は命を奪われてしまう。
皇子は裁きを受けるために、当時、旅行中の斉明天皇がいる紀の国(和歌山県)へ向かう。最終的に皇子は岩代(いわしろ)という場所で殺されるが、岩代へ向かう護送中に松の枝を結んで、「岩代の浜松が枝を 引き結び 真幸(まさき)くあらば また還(かえり)見るむ」(訳:自分が元気で、無実を証明できたならば、私はこの松の結び目を見ることができただろう)という歌を詠んでいた。
皇子の死後、この松は有名になり、旅人がその松を見て皇子の人生を語ったり歌ったものが、万葉集の巻2に収められており、きょうの歌はその中の一つ。
語ることが鎮魂につながるということをこの歌から感じられます。
お盆で大切なことは昔語りをすることかもしれません。