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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2017年8月12日 放送分】 |
2017年8月12日 |
【巻】…2・146
【歌】…後(のち)見むと君が結べる岩代(いわしろ)の 小松がうれを また見けむかも
【訳】…後に見ようとあなたが結んだ岩代の小松の枝を 皇子は再びご覧になったのであろうか はて 【解】…斉明天皇の時代に様々な政変の中で、有間皇子(ありまのみこ)という人が命を落とします。斎明天皇は贅沢をして民の生活を苦しめていたので、蘇我赤兄(そがのあかえ)は皇子をそそのかし、天皇になって悪い政治をあらためてほしいと言って、皇子は兵をあげようとしていた。しかし、蘇我赤兄は内通者で、皇子は命を奪われてしまう。 皇子は裁きを受けるために、当時、旅行中の斉明天皇がいる紀の国(和歌山県)へ向かう。最終的に皇子は岩代(いわしろ)という場所で殺されるが、岩代へ向かう護送中に松の枝を結んで、「岩代の浜松が枝を 引き結び 真幸(まさき)くあらば また還(かえり)見るむ」(訳:自分が元気で、無実を証明できたならば、私はこの松の結び目を見ることができただろう)という歌を詠んでいた。 皇子の死後、この松は有名になり、旅人がその松を見て皇子の人生を語ったり歌ったものが、万葉集の巻2に収められており、きょうの歌はその中の一つ。 語ることが鎮魂につながるということをこの歌から感じられます。 お盆で大切なことは昔語りをすることかもしれません。
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