|
|
|
|
|
|
上野先生に聞いてみたい事、番組の感想など何でもお寄せください。
〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
|
|
|
|
|
|
【2017年9月9日 放送分】 |
2017年9月9日 |
【巻】…8・1595
【歌】…秋萩の枝もとををに置く露の 消(け)なば 消(け)ぬとも 色に出(い)でめやも
【訳】…秋萩の枝が重みでたわむほど置く露のように命が消えるならば消えてしまおうとも私は恋心を顔色に出さない
【解】…ををにとはたわませるのこと。 消なば消ぬともとは消えてしまったとしてもという意味。 色は顔色。 これは男性の歌で、男の人の恋心を歌っています。 自分の命ははかない露のようである。どんなことがあっても好きなんだから、自分の命が消えても顔に出さない。顔に出したらあなたに迷惑だし、私も不本意なので、想いを寄せていることを表には出しませんという、忍ぶ恋の美しさが感じられます。 萩は万葉集の中でも登場回数がもっとも多い植物。小さい花びらで、散ったとしても誰にも気付かれないくらい儚さがあります。 萩の花の可憐な様子と男性の秘めた恋心が、秋の夜長にぴったりの歌です。
|
|
|
|