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〒530-8304 MBSラジオ
「上野誠の万葉歌ごよみ」 |
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【2017年9月23日 放送分】 |
2017年9月23日 |
【巻】…10・2143
【歌】…君に恋ひ うらぶれ居(を)れば 敷(しき)の野の 秋萩凌(しの)ぎ さ雄鹿鳴くも
【訳】…あなたに恋してうらぶれていると四季の野の秋萩をかき分けて さ雄鹿が鳴いている
【解】…秋になると鳴き出す動物が鹿。秋が発情期で、オスとメスは居場所を示し、オスは自分の鳴き声の肺活量で力を示します。 うらぶれるとは、力なくしおれていること。 君に恋ひうらぶれ居ればとは、恋をしてうまくいかない様子。 敷とは地名ですが、どこなのか場所は未定。 凌ぎとは、右や左にかき分けること。 さ雄鹿の“さ”は雄鹿をたたえてつけられています。 立派な鹿が鳴いているが、この鹿もつがいになっていないから鳴いているのでわかります。 この歌は女歌で、自分の気持ちと鹿の泣き声を重ね合わせています。 あるときは悲しく、あるときは秋を感じるなど、聞く人のその時々の思いによって感じ方が違う歌です。
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