近藤師範の川柳な風景

近藤師範の「川柳な風景」。今朝は、是枝裕和監督の映画の話から始まりました。
是枝作品には、悪人が出てこないと近藤師範は言います。
カンヌ映画祭で最高の栄誉パルム・ドールに輝いた「万引き家族」でさえも、万引きをしながら疑似家族を形成している人間全員に、どこか共感できるものがあり、悪人だと切って捨てるわけにはいかないものがあります。
文学では藤沢周平作品にも悪人は出てこないと、近藤師範。
かつて藤沢さんはこう語っていたそうです。人間が人間であること自体、裏表を抱えている。そして、それは時代を越えたものである、と。
そういえば、先日スタジオに来てくれた時代小説家の高田郁さんも、江戸時代の古川柳にある「役人の子はぎにぎをよく覚え」を紹介しながら「昔も今も人の感情は変わらない」と話してくれましたよね。
時代と共に環境は変わっても、心情は不変だというわけです。
そこで、川柳です。近藤さんは、表もあれば裏もある人情を丸ごと肯定するのが川柳だと言います。
表だけを見ていては優れた句にならないというわけです。逆にいえば、川柳に悪人は存在しない、とも言えますね。
誰かの「裏」を許すことは、自分の中にもある「裏」を許すこと。作句の喜びはそんなところにもあるようです。

健康川柳カレンダー、川柳まだまだ募集中です。

 「まだまだ健康川柳」(幻冬舎)をそばに置き、好きな川柳を詠み返してクックッと笑う。
 でも視覚障害のために文字で楽しんで頂けない方のために、聴く「まだまだ健康川柳」が誕生しました。
 西宮市の工藤正登さんが西宮市視覚障害者図書館に音声化をリクエストしてくださったことから、
本一冊丸ごとをボランティアの方が読み上げて録音してくださいました。
視覚障害のある方へのサービスです。どこの地域にお住まいの方でも利用して頂けます。
お住まいの市町村の「視覚障害者図書館」や「点字図書館」「ライトハウス」などにお問い合わせください。
各所から西宮市視覚障害者図書館に依頼が届き、貸し出されるそうです。
さらにサピエ図書館のホーメページからダウンロードして、ご自身のパソコンなので再生することも可能です。(事前に会員登録が必要です)
 どうぞ「まだまだ健康川柳」を多くの方が楽しんでくださいますように。
 
 本をきっかけに新しいリスナーの方からの投稿もぐんと増えました。通常の川柳は勿論ですが、健康川柳カレンダーへのご応募も頂いています。
 リスナーのみなさんの川柳で作る「健康川柳カレンダー」に、あなたの一句をお寄せください!宛先はいつものところでOK。
ただ「カレンダー係」と書き添えください。そして1月から12月まで、どの月の川柳か、も明記してくださいね。
締め切りは10月末日到着分とさせて頂きます。
 新しい年が明るいものになりますように。あなたの一句でカレンダーを彩ってください。

発表! 9月のしあわせ賞!

 9月のしあわせ賞を発表させて頂きました。
 今回、近藤師範の中で最終選考にまで残ったのは5人の方の川柳です。まずは、そちらをご紹介しましょう。
「マスク取り深い皺知りこの二年」(ゆみちゃん)
「慣れたけど慣れたらあかんこの日常」(ゆめさき川)
「生き甲斐は不要不急の事ばかり」(巧静子)
「何着ようが夫は妻を見ていない」(佐野の興ちゃん)
「不意をつく妻の『聞きたいことあるの』」(豊中のタカシ)
 どれも真実を突いてくるようで、面白い川柳です。
 前半の三句はコロナ川柳、後半の二句はコロナとは特段関係があるわけではありません。
 近藤師範は、この時期、コロナ川柳の中から共感できるものを、と一句選びました。
「9月のしあわせ賞」は、こちらです。
「生き甲斐は不要不急の事ばかり」(巧静子)
 自粛生活が続き、私たちの日常は大きく変化しましたが、そんなことはお構いなしに時間は過ぎ去っていきます。不安定になりがちな気持をどう立て直すか。近藤師範は「自ら心をつくる」ことが大切だと言います。
 そのために大切なのは、言いたいことを言うこと。愚痴を吐き出した方が楽になりますよ、というわけです。その吐き出し先が、川柳です。
「私の生き甲斐を奪うな!」「楽しいことができないなんて耐えられない」「いつまでこんなこと続けなきゃいけないのよ」などなど、言いたいことは山盛りです。そんな思いを心に閉ざすのではなく、どうぞぶつけてください、五七五の形で。すると、皆さんの共感を呼ぶ秀句が生まれます。
 川柳で心を作る。これで、秋冬を乗り切っていきましょう。

2022年健康川柳カレンダープロジェクト始動!

 この数年、カレンダーをもらう機会がぐんと減ったと思いませんか?
 どこもかしこも予算削減。顧客へのサービスとして作っていたカレンダーを削減するところが多いですねえ。
 そんな中、「しあわせの五・七・五」はやりますよ!来年の健康川柳カレンダー製作を、今日からスタートさせることにしました。
 リスナーのみなさんと近藤師範、そして番組のコラボで生み出す健康川柳カレンダーです。
 1月から12月まで各月一句を掲載。応募頂く作品の中から近藤師範が掲載句を選ばせて頂きます。
 どうぞ、あなたの川柳をお寄せください。
 宛先はいつものところで結構ですが、「カレンダー係」と書き添えて、いつもの健康川柳とは別にお寄せください。
また「何月の句」なのかを明記してください。
 どの月のものからお送りくださっても結構です。
たとえば「4月の句を思いついた」とか「8月の句が浮かんだ」とか、とにかく生まれた作品をどんどん投稿してくださるとうれしいです。
勿論、12ヵ月それぞれすべて書いてくださってもありがたいです。できない月は抜かしておいてもらって結構ですよ。
 締め切りは10月末日到着分です。
 来年の健康川柳カレンダーを想像しながら、良い年が迎えられるように祈りたいですね。あなたのカレンダー川柳をお待ちしています!

 

近藤師範の「川柳な風景」

 近藤師範の「川柳な風景」
 「まだまだ健康川柳」(幻冬舎)には、リスナーの皆さんの川柳が多く掲載されていますが、それだけではありません。近藤師範の「作句の心得」があちこちにちりばめられています。ポイントを突いた教えが記されているので、読み進めると川柳の腕がポンと上がるはず!是非おすすめです。
 ポイントのひとつに「通俗を大切に」があります。
黒澤明監督は、こう語っていたそうです。
通俗的な人間の面白さを真実に描けば描くほど、通俗的でなくなる。
私たちは「通俗的」という言葉をゲスっぽいという意味で悪いことととらえがちです。でも通俗的なところにこそ、人間の面白さが潜んでいるというのです。そして、そこをしっかりと見据えて描いていくことで、人間の本来の姿が見えてくると、黒沢監督は考えていたのですね。
私たち人間の日常は虚飾に満ちています。そこが通俗なのですよね。でも、その虚飾を剥がしていくとき、つまり通俗の奥にこそ人間の真実がある。だからこそ「通俗。大いに結構!」と近藤師範は唱えます。通俗の向こう側を探っていくことこそ文芸の道なのですね。
「まだまだ健康川柳」の本に収められている中から二句、紹介されました。
「鍛えねばトイレまでもつ筋力を」(喃亭八太)
「ブラをしてたるんだ気持ち持ち上げる」(玉山智子)
 いかがですか?通俗で何が悪い!この気概でまいりましょう。

しあわせの五・七・五 川柳な人々

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