兼題:「まだ・もう」川柳

 皆さんに「まだ」と「もう」を使って一句ひねってください、とお願いしましたところ、びっくりするほど多くの作品を寄せて頂きました。こんな難しいお題で申し訳ないかな?と案じていたのですが、逆に皆さんの発想力を刺激したのかもしれません。
 もともとは、この一句から始まりました。
「まだ起きてもう起きている母でした」(よもやま話)
 さて、皆さんから頂いたのは・・・
「年齢(とし)聞かれまだともうとを使い分け」(競馬王)
「まだいける思てるうちにもう終い」(マほうツかイの弟子希望)
 年齢に関する句を多く頂戴しました。
「もう60故郷(くに)に帰ればまだ60」(佐野の興ちゃん)
 勤め先で定年を迎える60歳といっても、故郷に帰れば、若造なんですよね。
「まだ早いお見合い気づきゃもう来ない」(竹田の雲海)
ハイほんと、そうでした。
「まだ買いますもうやめますか養毛剤」(松村和子)
「もう抜けたまだまだ抜ける俺の髪」(風来坊)
 毛髪関係も、来ましたねえ。
 頭は頭でも、頭にきたのは、こちら。
「まだ議論すべき法案もう可決」(味屋パー助)
 このところの国会って、一体どうなっているのでしょう!
「まだかいなもう出来るから妻化粧」(うさこ)
 男と女には「まだ」と「もう」の深い溝があるのですねえ。
「起きる」を「食う」に替えると、こうなりますか。
「まだ食ってもう食っている秋の妻」(和泉雄幸)

発表! 11月のしあわせ賞!

 「11月のしあわせ賞」発表の朝でした。
 11月は、歳月を感じさせる秀句が多かった、と近藤師範。
「日溜りがなんと愛しや病み上がり」(松村和子)
「手をつなぐ男女だいたい夫婦ちゃう」(春の声)
「パッチ履き妻は全てを捨てました」(徳さん大好き)
 どの作品も、時間の経過で人間がどう変化するか、が描かれていますね。
 近藤師範は、もう一つ大切なポイントを教えてくれました。それは、心のレンズが一点にズームインすること。
 たとえば、秋を描くにしても、鰯雲、虫の音、木の実。あるいは冷蔵庫に残ったアイスクリーム、便座のぬくもり。小さな秋を描くことが、秋全体を表現することになる、というわけです。
 そんな視点から「11月のしあわせ賞」は、この作品が選ばれました。
「捨てられぬ背広に亡父(ちち)のネームあり」(背黄青鸚哥)
 いかがですか。確かに、心のレンズが一点に集中しますね。

素晴らしい作品をライブで楽しんで頂く「初春・近藤流健康川柳の集い」の日程が決定しました!
1月20日(日)午後1時から、中之島の大阪市中央公会堂で開催します。参加は無料ですが、事前のお申込みをお願いします、あて先はいつものところですが、「初春係」とお書きください。
一度のご応募で5人まで参加希望を出して頂けます。参加希望者全員のお名前をお書きください。締め切りは1月5日(土)到着分までです。いつもの川柳とは別にお送りください。ご応募多数の場合、抽選になる可能性があります。
できれば、新春に思う健康川柳を一句、お書き添えくださいね。お待ちしています。

兼題にチャレンジしてください!

 今日は、テーマをあらかじめ決めて、それについて一句をひねって頂く提案をしました。こういうのを兼題というそうです。
 今回、兼題のアイデアを頂いたのは、10月のしあわせ賞に輝いた一句です。
「まだ起きてもう起きている母でした」(よもやま話)
 深夜まで起きて働いていたのに、翌朝早い時間にはもう起きて働いている。
そんなお母さんの姿が浮かんできます。「まだ」と「もう」という簡単な言葉を使っているだけなのに、時間の経過がよくわかりますよね。
 さあ、そこで「もうまだ川柳」に挑戦してみてください。「もう」と「まだ」を使って、あなたなりの一句を生み出して頂けませんか。
 再来週の12月8日(土)の「しわわせの五・七・五」でご紹介しようと思いますので、12月6日(木)までに届くようにお送りください。
 私もチャレンジしているところです。
「もう食べたまだ食べられるサーロイン」
 こんなレベルもアリ、ということで、「まだもう川柳」をどうぞよろしく!

近藤さんのラジオエッセイ「しあわせの風景」

 近藤さんのラジオエッセイ「しあわせの風景」をお届けしました。
 今朝のテーマは、面白い川柳と上手な川柳の違いです。
 これまでにも登場した大基本ですが、俳句は自然と人生を描き、川柳は人間と生活を描くもの。その川柳の中にも、大きく分けて二つの描き方があるというのです。
 まず、日々の営みの中で人間をあからさまにズバッと描く、これは面白い川柳になります。一方で、控えめに人間の本質に迫っていく、これは上手な川柳となっていくのです。
 さて具体例を、2019年健康川柳カレンダー掲載句に見ていきましょう。
「かしわ手を打ってしばしは真人間」(1月)
 人間の姿をさらけ出していて、面白い川柳となりました。
「雨音にドレミファつけて踊る妻」(6月) 
 こちらもくっきりと人間の姿を描いて、可笑しみがこみ上げます。
「年賀状年内に書き何目出度い」(11月)
 バッサリ斬ってきましたね。
 このように面白い川柳は、切り口が鮮やかです。
「孫走り好きだった夏思い出し」(7月)
 こちらはニュアンスが違います。面白い、というより上手な川柳です。
「帰省して投句は里のポストから」(8月)
 あからさまな表現はなく、控えめな表現がイメージを広げます。
「ふと電話かけたくなった大晦日」(12月)
 余白を残すことで、上手な川柳となりました。

いかがでしょうか?具体的にそれぞれを比較しながら味わうと、持ち味が良く理解できまね。
新しい年の健康川柳カレンダーは、現在製作中。写真やレイアウトなど、福井さんが頑張っています。12月には、カレンダープレゼントのご応募をお知らせしますね。お楽しみにお待ちください。 
 

健康川柳カレンダー掲載句発表!

 2019年健康川柳カレンダーに掲載させて頂く句が決まりました!
皆さんから寄せられた多くの作品の中から、1月から12月まで、各月一つの作品を近藤さんに選んでもらいました。ご応募くださった皆さん、本当にありがとうございました。
各月の作品はこちらです。

1月 「かしわ手を打ってしばしは真人間」(徳留節)
2月 「確実に一個もらえるチョコレート」(カメ吉)
3月 「春近しぽかーーーんと日ざし浴びてます」(ひらら)
4月 「むずかしい話は要らぬ花の下」(よもやま話)
5月 「鯉のぼり主食の風を腹いっぱい」(津川トシノ)
6月 「雨音にドレミファつけて踊る妻」(あずき5合)
7月 「孫走り好きだった夏思いだし」(林檎丸かじり)
8月 「帰省して投句は里のポストから」(キャッチャーゴロ)
9月 「敬老の中身も変わる高齢化」(てるちゃん)
10月「赤とんぼ肩に停まった立話」(毎土きくお)
11月「年賀状年内に書き何目出度い」(阿修羅)
12月「ふと電話かけたくなった大晦日」(ハイビスカス)

 いかがでしょうか?
 近藤師範の講評を聞くと、川柳の作り方のあれこれに気づかされました。
 1月の初詣の様子は「真人間」という言葉が面白いですね。4月の桜は、誰もが描きたいところですが、あれこれ言うことをあきらめてしまうという方法が斬新。11月の年賀状は、まさに今の気分ですが、心の内のつぶやきがそのまま五七五になりました。
 各月、それぞれ見事な作品に感謝です!
 これから早速、カレンダー製作に励みます。

しあわせの五・七・五 川柳な人々

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