近藤師範の「川柳な風景」

 近藤さんの「川柳な風景」をお届けしました。
 大晦日の紅白歌合戦。かつては多くの人が年の最後にしみじみと耳を傾けたい!と思う名曲があったものです。
今はなかなかそんな一曲に出会うことがありません。近藤さんも私も「紅白」をほとんど観なかったのですが、あなたはいかがでした?
 最近の歌番組は「観る」ものとなり、「聴く」ものではなくなった、と近藤さんは嘆きます。
いや、嘆く以上に危うさを感じているといいます。
画面では大人数の女の子たち、あるいは男の子たちが踊っているのが見えますが、表現されている言葉がこちらに届いてこないというのです。
 言葉とは、何か。近藤さんによれば、心の表現です。
だから、言葉がこちらに入ってこないというのは、心が通い合っていない、ということになります。
それが文化の危機につながると感じるのは、近藤さんだけではないでしょう。
 歌番組だけではなく、様々なジャンルが「聴く文化」から「観る文化」に置き換わりつつあるともいえます。
でも「聴く文化」は、人の想像力を掻き立ててくれます。
「観る文化」だけでは、イメージする力の必要性が奪われてしまいます。
 さて、そこで川柳です。川柳をラジオで受け取る人は、まず聴きます。そして自分の脳内で想像をめぐらします。
目の前に映像があるわけではないのに、脳では画像が動き出します。
つまり「聴く文化」を「観る文化」に転化させる文芸なのです。
 脳内スクリーンに鮮やかに映し出される描写。憧れますね。

特番「スペシャル」に向けて、リスナー賞投票開始!

 中之島でご一緒することができない今年、それに代わるものとして特番を放送させて頂くことが決まりました!
2月27日(日)夜8時からです。
 その中で各賞を発表しますが、そのノミネート作品はこちらの12句です。
リスナーの皆さんから頂く一票で決めて頂く「リスナー賞」もあります。
12の作品から一作、あなたならどの句を選びますか?
いつもの宛先で結構ですが、「リスナー賞」と明記してお送りください。2月14日(月)バレンタインデーまでに届くようお願いします。

1月「イエスマン案外出世していない」(那須三千雄)
2月「電話鳴り名前呼び合い声のハグ」(足立生子)
3月「イントロでもうあの頃に戻ってる」(カメ吉)
4月「口下手が十七文字にまとめてる」(箕面のとしジィ)
5月「『自粛やて』どうせ行くことない夫」(ゆめさき川)
6月「あんたには川柳がある元気だし」(ひろりん)
7月「『もう歳や』言うてた頃は若かった」(佐野の興ちゃん)
8月「賞味期限ないから居たと妻が言う」(和泉雄幸)
9月「二人きりにあんなになりたかった頃」(まるりん)
10月「円満の秘訣簡単『そうやねえ』」(文ちゃん)
11月「もう二度と聞くまい妻に『しあわせか?』」(豊中のタカシ)
12月「やめましたでも待ってます年賀状」(シルバーママ)

1月8日 特選

兄弟姉妹がひと塊りで老いている  豊中市 豊中のタカシ
 
宇宙より日帰りバスの旅がいい  堺市 堺の川人さん
 
言う権利孫にしかない「おじいちゃん」  川西市 那須三千雄
 
午後7じ値引シールと待合せ  加古川市 加古川の孝ちゃん
 
もう妻に命預けたようなもの  門真市 和泉雄幸
 
 
【水野のひとりごと】
 お正月恒例の福井さんのおみくじ。
「もう行った?願った?引いた?どうやった?」
 西宮の廣田神社で、かつて三年連続「大凶」を引いた福井さん。
その確率たるや2万7千分の1なのです!その後「半吉」を四年連続引いたという、中途半端も極めた歴史もあります。
 さあ、そして今年はどうだったか!放送を聴き逃した方は、rajikoで一週間以内にお聴きくださいね!
 今年は、福井さんに春が来る???

お年賀状ありがとうございます。

 多くの方々からお年賀の挨拶を頂戴しました。
虎のイラストあり、ご家族の写真あり、一枚ずつ趣向を凝らした年賀状を嬉しく読ませて頂いています。ありがとうございます。
 三宅亜紀さんは「昨年はあまり投句ができなかったので今年は頑張る」、岡田純子さんも「今年は川柳を毎週ひとつは作りたい」とくださいました。
「しあわせの五・七・五」に投句することを、あなたの習慣にしてくださるといいな。
 川柳で新年の気持ちを寄せてくださった方もいらっしゃいます。
「褒められた嬉しくなって褒めてみた」(酒井涼)
 いいですねえ。褒められて嫌な気分になる人はいませんもの。
褒められて笑顔になると、人のことを褒める余裕も生まれてくるというもの。
褒めたり褒められたりの関係を一人でも増やしていけば、楽しい展開になりそうです。
 トラのネコさんはお住いの街から、この二年間一歩も出ていないとおっしゃいます。
またまた感染者急増の報せに鬱々としがちですが、こんな時こそ笑うことが心の健康につながります。
「ことしこそ笑顔あふれるいちねんで」(大岡越前の蟹)
 豆キューピーさんは、今年は近藤師範に笑ってもらえる一句をひねりたいとおっしゃいます。
笑門来福。健康川柳でつながって、今年もまいりましょう。
「新年会みんなで集うボツ酒場」(名探偵粉モン)

発表! 12月のしあわせ賞!

 あけましておめでとうございます!
 元旦から「しあわせの五・七・五」をお送りできるとは、なんと縁起の良いこと!トラ年でもありますし、何かいいことがありそうな予感です。
 今日は早速「12月のしあわせ賞」の発表でした。近藤師範のセレクションに最後まで残ったのは、4作品です。
「『秋だねえ』『そうだね』あとが続かない」(かんなびん)
「『腹立つわ』なんだか生きている感じ」(背黄青鸚哥)
「この夫(ひと)と他人だったて嘘のよう」(松村和子)
「やめましたでも待ってます年賀状」(シルバーママ)
 この四句に共通しているのは、「現在」「過去」「未来」という時制が感じられることだと、近藤師範は言います。
 川柳だけでなく文芸の基本的なスタイルは、まず現在。そして過去、未来とつなげていくことで成立するそうです。
 なんといっても大切なのは現在の状況。そして、その状況に至ったのは、過去にこういうことがあったから。さらに将来どうなっていきそうか。
 この三つを意識することで作品は大きく変わります。
 この観点から四作品をじっくり味わってみてください。どれも現在の心境、過去の関係性、そしてこれからどうなっていくのかが窺えますよね。
 中でも長い年月を感じさせ、これからの平穏まで予想させるという点がポイントとなって「12月のしあわせ賞」は、この一句に決まりました。
「この夫(ひと)と他人だったて嘘のよう」(松村和子)
 あなたも「現在過去未来」の法則、うまく使って、一句にしてくださいね。

しあわせの五・七・五 川柳な人々

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