「5月のしあわせ賞」発表の朝でした。
今回の選考に残った作品に多かった特徴は「てらいのなさ」でした。
辞書で調べてみると、「自らの才能などをひけらかさない、素直な」という意味のようです。
近藤師範が挙げた作品を、その視点で味わってみましょう。
「NOブラの解放感やNOマスク」(コスモス)
女性ならわかりますよねえ。ああ、すっとした!
「口癖は『10歳若けりゃ俺かてな』」(シルバーママ)
この台詞もよく耳にしますねえ。夫婦川柳とも言えそうです。
そして、最後まで選考ラインに残ったのは、こちらです。
「夫の事友に愚痴ると「のろけ」やと」(風鈴草)
いかがですか?確かに、どの川柳も素直です。
そして「5月のしあわせ賞」に輝いたのは、この作品。
「まだあった夫のステテコ履いてみた」(河内の篤姫)
なんとまあ、まっすぐな表現。でも、私はあれこれ想像しました。
先に逝った夫の遺品整理の最中に出てきたステテコを手にした途端、
元気にステテコ一丁で部屋をうろうろしていた夫の姿が浮かんだのかもしれません。
素直、なのに深い。てらいなく、自分の気持ちを五七五に託してみましょうよ。