近藤師範の川柳な風景 「人生を語るうえで川柳は重要」

 近藤さんの「川柳な風景」。
近藤さんが新著「老いの抜け道」に収めた川柳を紹介してくれました。
「おどろきの声が先出る同窓会」(パンちゃん)
老いることは、変化する、ということでもあります。外見の変化は止められませんが、内面では変わらないものもあるはずです。同窓会で、最初は外見にとらわれていますが、おしゃべりしているうちに、ずっと変わっていなかった核のようなところにたどり着いたときは、しみじみうれしくなりますね。
「若作りしているうちはまだ若い」(安田玲子)
人に迷惑をかけるわけでなし。若作りしちゃいましょうよ。これも健康に暮らすための、ひとつの方法です。
布団に入ってからあれこれ考えるのはやめておいたほうがいい、というのも健康睡眠のための知恵です。
「今日は寝てあしたに別の目で見よう」(忠公)
夜中にくよくよ悩んでも、前向きな道が見いだせないものです。絶体絶命という気分になってきます。
でも、まずは寝る。すると翌朝、なぜか悩みが小さなものに見えるときがありますね。違う視点から見ることで、新たな道が生まれてくる経験を、私も何度も感じています。
「家出たが行く当てなくて草むしり」(和泉雄幸)
草むしりって、心の大掃除をしてくれますね。不要なものが排出されていくような気がします。
近藤さんによれば「論より川柳」。
多くの言葉を用いて論じるよりも、川柳がすこやかな生き方を示唆してくれます。老いの抜け道は五七五にあり、です。


バレンタイン川柳がたくさん届きました!

今週はバレンタインデーにちなんだ一句を多く頂戴しました。
「本当のバレンタインはあの一度」(豆キューピー)
でも今年は、残念ながらこんな気分の方もいらっしゃるでしょう。
「チョコよりも今年はマスクよろこばれ」(ももいろリボン)
 近藤師範は、加齢にチョコの数は反比例する、とぼやいていましたが、社会の雰囲気自体も随分変わってきましたね。
「世の中の義理が廃ればチョコはゼロ」(老―manおじん)
女性心理が大きく変化しているようで、
「夫のよりわくわくするな自分チョコ」(ピンクなアン)
 さて、あなたのバレンタインはいかがでしたか?近藤さんの場合は、こちらです。
「義理チョコは断るつもりが貰えずに」(くずれ荘管理人)
 野村克也さんを悼む作品も頂きました。
「野村さんなくなり昭和遠くなり」(46年前からのトラファン)
 野村イズムともよばれる考え方は、決して大スターや天才ではない人間が、どんな努力をして勝者となるか、という道を示すところが魅力なのでしょうね。
「ノムさんは咲いて咲かせた月見草」(田原勝弘)

近藤さん最新刊「老いの抜け道」ご紹介

 近藤さんの新しいご本「老いの抜け道」(幻冬舎)が本屋さんに並びました。
 「抜け道」という言葉には、近藤さんの思いが詰まっています。
誰しも年をとっていきますし、病気や悩みが増えていきます。道に迷ったときに、どうやって自分らしい道を見つけていくのか。歩き進めるための杖のような存在が、川柳だと近藤さんは考えています。
だから、この「老いの抜け道」には多くの川柳が含まれています。どうにもならないときには笑い飛ばそう、という近藤さんの言葉の裏には、川柳によって得られる生命力が存在しています。
また、50代でがんを患った近藤さんは、その当時のことも本の中で詳しく記しています。当時「サンデー毎日」の編集長だった近藤さんは、このまま仕事に復帰できなかったらどうしよう、とも考えたそうです。そんなときに近藤さんを支えてくれた言葉。生き方を変えることになった経緯。
それは読む方々の心のおくすりにもなるのではないでしょうか。
私たちは、世間が決める社会的年齢に縛られがちです。私自身も「もういい年なんだから、こんなことをしたら恥ずかしい」とか「この歳で新しい挑戦を始めるのは無謀だ」とか、いろんな声が心の内で渦巻きます。でも、近藤さんは世間が決めつける年齢なんて、関係ない。加齢の仕方は個人個人違うものなのだから、年齢不相応な生き方をしていいんだ、というのです。
自分の生き方は、世間が決めるのではない、私自身が決めればいいんだ。
そんな思いがふつふつとわいてくる一冊です。

2月29日(土)の中之島では、年齢不相応な生き方の近藤師範と水野晶子にお会いくださいね~!

発表! 1月のしあわせ賞!

 今日は「1月のしあわせ賞」を発表させて頂きました。
 今回、近藤師範は迷いに迷ったそうです。三つのジャンルから、ぞれぞれ二つずつの作品が優れていたと言います。
 一つは「お金」。
「金額に左右されまい神ならば」(カメラおじさん)
1月4日にお届けした一句です。初詣のお賽銭をいくらにするのか、迷うところですよねえ。そこをうまく突いています。
「医者に行き老化言われて金払う」(ゆめさき川)
 どこが悪いのか、どんな病名がつけられるか、ドキドキしながら病院に行ったのに返ってくる言葉は「老化です」とは。
 二つ目のジャンルは「母」。
「なくなってからも育ててくれる母」(いつまでも町民)
 お母さんが言っていた言葉の意味がずっとあとになってわかるものなんですねえ。
「母見舞いちゃんとたべてるかと聞かれ」(松村和子)
 見舞っているはずが、見舞われてしまいます。
 そして、三つ目のジャンルが「クラス会」。
「ババアから君呼び哀れクラス会」(播州赤穂老人)
 そうして、最後まで迷った結果、「1月のしあわせ賞」に輝いたのは、このジャンルの一句でした。
「まだ燃える火種に気づくクラス会」(こだわりトマト)
 近藤師範は、「まだ燃える」と始めたところが勝因だと言います。「まだ燃える」と聞いたら、何が燃えるのかな?と心がざわつきますよね。こんなふうにイメージを広げていくところが、川柳の妙味です。
 それにしても、今朝の話を聞いていると、近藤師範も最近のクラス会でなんだかハプニングがあったような...?気になるなあ。

川柳道場拡大版!

「集団の下校に愛あるクラクション」(ポコちゃん)
 クラクションって、感情を表しますよねえ。私もベストのタイミングで、注意を喚起するベストな音を出せるドライバーになりたいなあ、と思っていますが、なかなか難しいものです。愛があるか、愛がないか。クラクションには大切です。
 愛と恋とはまた違うものなのでしょうが、今朝は恋心の話で近藤師範と盛り上ってしまいました。

「クラス会やっぱりあがる君の前」(てるちゃん)
 男性が女性のクラスメートの前であがる、と読む近藤さん。女性はそんな事態ではあがらない、と主張する私。あなたはどっちの派ですか?

「燃えた恋余熱まだある50年」(多川義一)
 これって、あり?なし?近藤師範は、あり、だそうです!
 いやあ、まいったなあ。そうなんだあ、あるんだあ。
 「余熱」という言葉の含みはなかなかいいものですね。近藤さんも一度、恋愛小説を書いてみようかな、タイトルは「余熱」だな、な~んて。

「おしゃれして恋人未満老人会」(りんごあめ)
 恋心はいくつになっても消えないもの。そして健康のためにもよきもの。とりわけ「恋人未満」がちょうどいいかもしれません。「恋人」までいってしまうと、血圧があがりそうですねえ。
 私は「おしゃれして恋人未満中之島」をオススメします。2月29日(土)に中之島にいらっしゃるとき、どなたかを誘ってみるのも楽しいですよね。参加ご応募お待ちしています。

しあわせの五・七・五 川柳な人々

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