発表! 11月のしあわせ賞!

 今日は「11月のしあわせ賞」を発表させて頂きました。
 11月に頂いた中で特徴的だったのは、自分自身を素材にして面白くまとめた作品が多かったことです。
自分の弱さや欠点など、マイナス部分を第三者の目で見て、笑い飛ばす。すると、そこに他の人の共感が生まれるのだと、近藤師範。
 今回、近藤さんが最後まで迷った、いくつかの川柳をご紹介しましょう。
「口角を上げると私まだいける」(シルバーママ)
 私も鏡に向かって、自分に言い聞かせます。さあ、口角を上げていこう!
「ピンクレディー曲がかかると踊れちゃう」(キャッチャーゴロ)
 ペッパー警部やUFOの曲が聞こえてきそう。
「川柳があるから私大丈夫」(りんご姫)
弱気になった時は、この言葉で安心しましょ。
さて、「11月のしあわせ賞」に輝いたのは、こちら。
「出来たけどひと晩寝かそ句とアタシ」(大森美加子)
 川柳をひと晩寝かせて推敲するというだけでなく、「アタシ」と並べたところがニクイですね。
どの作品も、自分の現在の姿を笑って描いていますよね。
ただ、これが自慢になったり、悟ったように語ったりすると、川柳ではなく俳句になってしまいがち。
自分自身をどんな視点で見るか。ここに、川柳のいのちがあるようです。


【番組より】
さて、2023年も残すところあとひと月になりました。
って言ってたら、あっという間にお正月なんでしょうね。
しか~し、その前にクリスマスが・・・。
「今年もラブ川柳来るかな?」なんて、話してまして、
水野アナも、スタッフも密かに楽しみにしています。
是非!

2024年健康川柳カレンダー完成間近!

 来年の健康川柳カレンダーを、福井さんが只今鋭意制作中!
 1月から12月まで、各月を彩って頂く皆さんの採用句。先週は1月と2月の作品をご紹介しました。
今朝は3月から6月までの川柳を発表させて頂きました。
 
 3月は、卒業の季節。
「人生に卒業は無く今日も生き」(俄か雨)
 俄か雨さんは福島から投稿してくださっています。
3・11からの暮らしの中で紡いでこられた言葉の重みを感じさせる一句に、3月のページを飾って頂くことになりました。
 4月は、花。
「平和だなあ桜咲いたと騒ぐ国」(一本杉)
 来年の桜の季節に、私たちは「世界は平和になった」と思えるのでしょうか。そうだといいな。
近藤さんは、今や地域的な危機ではなく、人類の、地球の危機だと言います。「平和」の意味が年々重く感じられるようになったのは、私だけでしょうか。
 5月、やっぱりアレ。
「もう見えた今年もアレか早いなあ」(ザ祭り)
プロ野球開幕!きっと、大阪ではこんな会話が飛び交っていることと思います。近藤さんは、来年もアレはアリ、と笑っています。
 そして、6月は雨。
「立ち話雨が止んでも雨宿り」(御伽噺)
 生活の中の一コマですね。
でも、このところはスマホのお天気アプリで「何分後に雨が降り出します」とか、
「何分後に雨が上がります」とか、細かな情報が入ってきます。
突然の雨だからこそ成立する雨宿りのドラマ。スマホはストーリーを消してしまう、と近藤さん。

 物語は、川柳で生み出しましょうね。12月9日(土)の番組で、健康川柳カレンダーのプレゼントのお知らせを差し上げます。
メモのご用意をなさってお聴きくださいね!

「近藤師範の『川柳な風景』」

健康川柳カレンダー2024に掲載させて頂く川柳作品が決定しました!
今回も、リスナーの皆さんから、数多くの健康川柳を頂戴しまして、本当にありがとうございました。
それらすべての中から、近藤師範に1月から12月まで各月一句ずつ、掲載作品を選んでもらいました。
今日は、まず二句だけ発表させて頂きました。
新年の最初のページを飾ることになった一月の句は、こちらです。
「みな揃いせーの!日めくり一枚目」(津川トシノ)
新しい日めくりを部屋の壁に掲げ、その前に家族全員集合。
そして元旦に「せーの!」と声をかけて、どなたかが代表して最初の一枚をめくる瞬間。
新年への期待と、家族みんなが揃えるしあわせに笑顔がほとばしる様子が、目に浮かんできますよね。
続く二月には、この一句が選ばれました。
「通い来る梅とメジロの内緒事」(毎土きくお)
 カレンダー川柳には季節感が必要ですから、ややもすると川柳ではなく、俳句になってしまいがちです。
ここで思い出して頂きたいのは、俳句は「自然と人生」を詠み、川柳は「人と生活」を詠む、という近藤さんの教えです。
 たとえば「通い来る梅とメジロの昼下がり」と下五を変えてみたらいかがでしょうか。
俳句になってしまいます。
そこに「内緒事」という言葉を与えた途端に、メジロと梅が、人間の仲間のように睦みあう姿が見えてきます。
この「内緒事」が利いて、見事に川柳となっています。
 
 3月以降の掲載句は、またの機会にご紹介しますね。
 また、12月9日(土)の番組で、健康川柳カレンダー2024のプレゼントご応募について詳しくお知らせしますので、どうぞお愉しみに!

いろんな仲直り川柳!

「平和です老いては妻に従えで」(たっくる)
夫婦関係が平和なのは何よりですね。小さな世界の平和、大きな世界の平和。
このところ平和な世界はどうしたら実現するのだろう、と思い惑う出来事が続いています。
先日ふっと私が口にした「仲直り川柳」も頂戴しました。
「仲直り夫婦やったら犬に聞け」(毎土きくお)
 近藤さんは、犬は絶えず人間をよーく観て、
気配を理解して「そろそろ、このへんにしときなはれ」と足を寄せてきて合図してくれると言います。
そんな静かな仲介者になりたいものですね。
「花占い好きで終わって仲直り」(山下悟)
 好き・きらい・好き...。少女時代、やりましたよ~。
相手を好きだと思えば、相手からも好かれる。
相手を嫌えば、相手からも嫌われる。これは近藤さんの持論です。
「仲直りする気のようだ猪口二つ」(那須三千雄)
 ちょうどいい頃合いで、猪口が二つ並べられたときの安堵感。
夫婦お二人どちらも役者やな~!
 仲直りという言葉を使わないでひねってくださった一句。
「ゴメンねと先に言えたらいい世だね」(やぶちゃん)
 自分の非を認める、謝る。ああ、なんて難しいのでしょうか。
国際的な関係となると、なおさらです。
 「欠けたとてまあるく戻る月が好き」(松村和子)

発表! 10月のしあわせ賞!!

「10月のしあわせ賞」の発表の朝でした。
 今回、近藤師範は三つの作品で迷いに迷ったのだそうです。
 まずは、最終段階まで残った二句をご紹介しましょう。
「何やろなぁ達成感は575」(ラジオ部屋の怪人)
 うれしい一句です。わずかな文字数ですが、十七音の選び取っていく喜び、そして苦しみ。
生まれ落ちた作品は、作者の分身です。その達成感を味わえるからこそ、みなさんが次々に川柳をひねってくださるのでしょう。
「長生きの秘訣句心恋心」(コスモス)
 作句を楽しむ時間は、日常をよく見つめ、人との関りを慈しむ日々だからこそ生まれてくるのだろうと思います。
それを「句心」と表現してくださいました。そして、もう一つ大切なのは「恋心」。
ひとに恋するだけでなく、ひとや場所、お店、音楽、読書などなど好きなものを大切にする気持ちは、いくつになっても忘れませんよ~。
 そして近藤師範が、「10月のしあわせ賞」に選んだのは、こちら。
「今年また『ここにいるよ』と金木犀」(黄色いくつ)
 この句は、ややもすると俳句になってしまいそうなところを、うまく川柳の世界で成立させました。
効いているのは「ここにいるよ」です。香りがするから、作者はあたりを見回したのでしょう、そして金木犀に気づいた。
そんなことは全く記さないで「ここにいるよ」というだけ。まるで久しぶりに出会った人の声が聞こえたようです。
「今年また」も、作者の日常の生活感が感じられる一言だと、近藤師範。
 川柳は日常の生活をを通して、人を描くもの。これを覚えておきたいものです。

しあわせの五・七・五 川柳な人々

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