番組内容

「明石というと海のイメージが私は強いのですが、こんなに広々とした畑があるんですね」そんな一同の声から始まった今回のロケ。神出地区を中心に、東播磨地方一帯は昔から農業が盛んな地域として知られ、有機農法や機械の導入による欧米型農業など、様々な先進的農業が実践されています。 キャベツ農家・井上 聡さんの農業法人「かんらん」もそのうちのひとつ。穏やかな気候が野菜づくりに適しているといわれる神出から明石市にかけて、大小合わせて80枚、12ヘクタールの畑を使い、キャベツを栽培しているそうです。

※井上さんの弟も農業法人「かんらん」のスタッフとして、キャベツを収穫。丸々としたキャベツはスーパーなどで見かけるよりも大きいが、井上さん曰く「理想はこの倍の大きさ」だそう。

実は明石市、キャベツの生産地として農業従事者や飲食業界では昔から知られています。
昭和20年代に明石のキャベツ栽培はスタート、以来50年以上、今では10品種以上のキャベツが明石市でつくられ、兵庫県下で第3位の収穫量を誇ります。 キャベツには約30品種があるのですが、井上さんたちはそこから6,7品種を選び、つくっているそうです。

品種を選ぶ基準は大きく育ち、割れにくいもの。
出荷先は、スーパーなどで販売するための市場、加工用として専門業者や大手飲食店という二方向があります。なかでも最近需要が高まっている加工用では、大きいものが好まれます。そのニーズに対応するため、大きくて割れない品種だけをつくるのだそうです。

太陽の恵みをたっぷり含んだ、ふかっとした畑の間を歩いて、井上さんの元へ。畑の奥には、ちょうど収穫作業中の井上さんたちがいらっしゃいました。
今回お邪魔した畑では、年間約8000個のキャベツを収穫します。所有している80枚の畑すべてを合わせると、収穫量は年間約60万個! しかし、ただ大きくなれば収穫すればいい、というわけではありません。

まず、作業全体が天気に左右されます。雨の日は段ボール箱で収穫できないなど、天気が作業内容に突厥してくるので、井上さんは常に天気を“読む”そう。週間天気予報を見て、作業内容を組み立てる。

春先など天気予報を信頼できる時期はそれだけでも大丈夫なのですが、梅雨の前後や急な夕立が頻繁に発生する夏などは、まさに“読み”が勝敗の分かれ目。 まさに職人の勘どころですが、これも、収益性を考えるととても重要なことなのです。 また、季節ごとに作業時間を考えるのも大切だと聞きました。

収穫時期には朝8時ごろから作業しているそうですが、苗を植える夏場は、朝3時過ぎに起きて、出来るだけ早く作業を始めるそうです。暑さが厳しくなる日中に大変な作業を残しておくと、日射と気温が、作業する人たちを危険な状況にしてしまいます。 天気だけでなく季節による作業時間の調整も、安全に、たくさん収穫するためには欠かせない配慮なのです。

Director’s voice [明石の野菜生産] 明石というと海のイメージがありますが、農業がとても盛ん、なかでも野菜は、多種多様なものが栽培されています。秋から初夏に掛けて輪作しながら収穫されるキャベツは明石の野菜の代表格。ほかにも40年近い栽培実績があるイチゴは、知る人ぞ知る逸品の「清水のイチゴ」をはじめ、様々な品種があります。またトマトは、キャベツ同様50年近く栽培され続け、いまでは高品質で知られる明石産夏野菜の主役。ブロッコリーやスイートコーンも、明石の野菜は全国的に高く評価されています。 大手ハンバーガーチェーンとの契約で生産が定着しているレタスも、知られざる明石野菜の逸品です。
【プロフィール】
農業法人「かんらん」
代表 井上 聡さん
100年続く農家の長男として、5年間の会社員経験を経て、家業を継ぐ。平成17年に農業法人を立ち上げ、キャベツに特化して営農。収穫後の畑で地元住民との交流イベントを企画するなど、明石の農業を広く知ってもらうための活動も精力的に行っている。