番組内容

初めての収穫を終えたところで、
「今の時期のキャベツは、そのままでおいしいんですよ」という井上さんの言葉に誘われ、
早速井上さんと一緒に試食です。










※収穫したばかりのキャベツを畑でいただく、贅沢な瞬間!カットしたキャベツは、瑞々しい輝きに包まれています。

バリッ、ムシャムシャ…甘いっ!
収穫した手のキャベツは香りが青リンゴのようで、噛むと甘さが口いっぱいに広がります。
この時期のキャベツは、1、2月の寒さの中でキャベツが凍らないようにしようと自分で糖度を増し、甘くなる。だからなにもつけなくてもおいしいのだそう。
収穫したばかりのキャベツをいただきながら、話は農作業のこだわりへ―

井上さんの畑では機械も導入していますが、だからといって、人間の目や手が不要になることはありません。キャベツを切る、詰めるは今も人の手で行っているのですが、その理由は「収穫する玉の大きさを職人が見て選ぶため、大きさが均一にできる」ため。
市場向け、加工業者向けなど、収穫は日によって内容が異なります。だからこそ、大きさ、収穫できる状態かどうかを見極める目が必要なのです。 機械の導入によって、確かに作業効率は上がりました。しかし品質は、昔も今もキャベツを長年見続けている職人頼みなのですね。 そう思ってキャベツをいただくと、なんだかより美味しく感じてしまいました。










※井上さんがキャベツの断面を見せながら、選ぶ際のポイントを教えてくれました。ただ重いものを選べばいいだけじゃないんですね。

食べ終えたところで、話は主婦的な話題になってきました。 「私たちがスーパーでキャベツを選ぶときのポイントってあるんですか?」 井上さんが教えてくれたキャベツ選びのポイントは、 基本的には見た目よりも持って重いもの、そして、触ったときにパンッと張りがあるもの。 触ったときにぶかぶかしているものは千切りするとごわごわし、重たいものは、千切りするとふわっとするそうです。
ぜひ、スーパーでキャベツを選ぶ際に試してみてください。

畑での話の最後に、種まきから収穫までの流れも教えていただきました。 種まきは7月25日くらいから10日〜2週かかけてまきます。これは11月〜4月くらいに収穫するものすべてだそう。 種はいきなり畑にまくのではなく、最初は種をトレーで30〜40日育てて、そのあと、畑に約30センチ間隔で植える。これを定植作業と言います。 ただし、定植作業はスピードが命。

8月20日〜1か月くらいの間に半年間分の苗を植えてしまわないと、苗は育たなくなってしまうのだそうです。 しかしこの時期は、夏のもっとも暑い時期。日中にずっと作業していると危険なので、できるだけ朝早くから始め、昼前には終えるようにするのだとか。暑さを避けるためとはいえ、前回の話にもあったように朝3時過ぎに起きるのは、それだけでもかなりの苦労ですね…。

ちなみにキャベツは、一度根が土に張ると、あとはほぼ水をあげなくてもいいそうです。地面にある自然の水分だけで育ちます。それはキャベツが、湿気に弱く干ばつに強い作物だから。なので、雨が多い年はどうしても生育が悪くなってしまうのが、やはり悩みだとおっしゃっていました。
収穫したばかりのキャベツは、直径20センチはあるなかなかの大きさ。 しかし井上さんは、まだまだ大きく、もっともっと上質に、を目指しているそう。 戦いは、これからも続いていきます。










※プリッとしたキャベツは本当においしそう! 段ボールに入っているものは市場などへ、業務用は鉄のコンテナで出荷されます。
Director’s voice [キャベツ農家の今後に向けて] キャベツは輪作や転作作物として重要な作物であると農林水産省では位置づけられているのですが、重さのある作物であるがゆえ、生産農家の高齢化や後継者不足が続く近年では、作付面積、収穫量共に全国的な減少傾向にあります。その現状を打破するために様々な研究開発が行われているのですが、なかでも最近では、収穫・出荷作業のことを考えた機械化技術の開発が進められています。並行して、低コスト・省力化の研究も進められているそうです。栽培から出荷までの全作業時間の中で、キャベツは特に収穫・出荷作業が大きな割合を占めているので、この部分の改善は、収益性の向上を考える上で、大きな懸案事項でもあるようです。

これから先、キャベツ農家のための機械が出てくることでしょう。キャベツ農業は、まだまだ未来へ向かっていくのです。
【プロフィール】
農業法人「かんらん」
代表 井上 聡さん
100年続く農家の長男として、5年間の会社員経験を経て、家業を継ぐ。平成17年に農業法人を立ち上げ、キャベツに特化して営農。収穫後の畑で地元住民との交流イベントを企画するなど、明石の農業を広く知ってもらうための活動も精力的に行っている。