番組内容

今でこそ淡路島の農家として頑張れている小林さん。
元々農家の出身でもない小林さんが、 ここまで農業に熱くなれるのは、なぜでしょう?











※ビニールハウス横にある納屋の縁側で、自身の思いを語る小林さん。

神戸生まれ神戸育ち、農業とは無縁の小林さんですが、 大学は農学部出身、「いつかは農業に関わりたい」と考えていて、 偶然にも、奥さんのご実家は淡路島でした。
これらがつながり、小林さんの心を農業へ向かわせたもの、 それは現在ビニールハウスがある場所を、見たことがきっかけでした。

もともとここは、奥さんのおばあさんがイチゴを作っていたハウス。
「おばあさんが亡くなって、あるときハウスを見たら、 イチゴがたくさん実っていた。その光景を“おもしろい”と感じて、 よし、イチゴをやろう、と決めたんですよ」 と小林さん。

阪神・淡路大震災を期に淡路島へ移住し、さっそく取りかかりました。
研修を経て、本格的に農業を始めて17年。
「あまりよくわからない状態で出会ってしまって、 おもしろそうだとやり始めたのがやみつきになっちゃいましたね〜」 イチゴ栽培にはうまい、へたがあり、おいしい、おいしくない、もある。
それがおもしろいし、やるからには、 上手に育てておいしいものを作りたい。
これが、小林さんのイチゴにかける思いでした。









※小林さんが今年から導入した乳酸菌をベースにした薬。このおかげで今年はイチゴの質も量もかなりよかったのだそう。

「イチゴは冬に出荷しなければならないし、一年中作業が発生するし、 苗によって育て方も違うから、 農作物の中でもかなり難しい方ではないでしょうか」 と言う小林さん。
それがおもしろいと感じてしまったから、今がある。











※「淡路SANベリー」として出荷される小林農園のイチゴ。ぷっくら、艶やかなおいしそうなイチゴです!

しかし、そんな小林さんとは正反対に、朝が早い、とにかく忙しい、育てるのが大変、という毎日のため、イチゴ栽培をやめていく農家の方もいるそうです。 また、農業従事者に高齢者が増えているため、淡路島全体で、休耕地の増加、後継者の減少も問題になってきています。

「就農し、先輩農家に助けてもらいながら、なんとかなるさ、とここまで来ました。これからは、私が淡路島の農業のよさを広めていかないと」

イチゴ農家の姿を知ってもらうため、イチゴ狩りのお客さんを受け入れる。一般の人が農業にふれあう機会として、田植えや稲刈り、芋掘りなどの農業体験を企画する。楽しい体験として淡路島の農業を広めたい、小林さんは今、このような活動にも積極的に関わっています。

「淡路島は時間の流れがゆっくりしているんです。朝早くから働く人も多いのだけれど、なぜかゆったりしている。 穏やかな環境、おだやかな人。 私自身、そのすばらしさを体験してきました」農業体験を通して、自身が感じたことを伝える。

これがきっかけで淡路島に来てくれる人が増え、淡路島の農業が元気になることを、小林さんは願ってやみません。











※小林農園のビニールハウスは、小林さんだけでなく、もともとここでイチゴを作っていた奥さんのおばあさんの思いも詰まっているんですね。


Director’s voice [新たな就農者育成に向けて] 農林水産省が公表している農業就業人口のデータによると、平成25年度の全国の農業就業人口は約239万人。そのうち65歳以上は147万人以上います。新規就農者数では、平成25年度は5万6500人、そのうち39歳以下は1万5000人。数字を見る限り、農業の従事者の若年齢化は、まだまだ遠い道のりのようです。この数年、全国的にみても農業への興味は高まっており、新規就農希望者も少しずつ増えているようですが、その内訳を見ると、定年退職後の第二の人生として営農を選択してきた人が、まだ多いようです。 農業をはじめとする第一次産業が盛り上がるためには、若手を育成していなかければなりません。そのために、全国の多くの自治体には、農業改良普及センターという機関が設置されているのをご存じでしょうか?

ここでは普及指導員が農業経営の指導をしているだけでなく、地域の農業を支える新たな担い手の育成、支援事業なども行っています。各地域ではほかにも様々な取り組みが行われているので、新たに就農を考える際には、まずこれらから情報を収集し、相談してみてはいかがでしょう。
【プロフィール】
小林農園
代表 小林 剛彦さん
神戸でのサラリーマン生活を経て、17年前に淡路島へ移住。2000年より本格的に農業を開始し、イチゴ、レタス、タマネギなどを栽培している。営農の傍ら、たくさんの人に農と関わってほしいという思いから、収穫イベントなども実施。