番組内容









※一つ一つ教わりながら、初めての収穫体験。タマネギは葉だけでなく、根も収穫直後に切り落とすのだそうです。

「根がブチブチという音をたてています。立派だな〜、ずっしりしていますね。」
初めて玉葱の収穫を体験した本上。
指先に伝わるタマネギの感触に、想像以上の力強さを覚えました。
「引いたタマネギは、すぐに葉っぱと根を落としていきます。ハサミを動かさないでタマネギの方を動かすと、早くキレイに切れるんですよ」
そして太陽の方を向けて並べる。

畑の畝の上に並ぶ丸っこいタマネギの列は、運動会のスタートを待つ幼児のようで、なんだかかわいい。

※ころころと畑に並ぶ収穫直後の淡路島タマネギ。
 収穫後も太陽の恵みをいっぱいに浴びることで、さらにおいしくなるのでしょうね。

ここで、素朴な疑問。そもそも、新タマネギとはなんなのでしょう?
「これは極早生です。一番早く植えて一番に収穫するもの。生食に向いているんですよ」
つまり、早く収穫するタマネギ、ということでしょうか。
確かに新タマネギは、生で食べることが多い気がしますね。
ちなみに、収穫直後のタマネギはどんな味なのでしょう。
そんな食べ方はしたことがないなぁ、と少し笑いながら話す浅田さん。
「食べられると思いますよ。ちなみに切ってから少し空気に触れさせた方が、水にさらすよりもあじがまろやかになります」

いただいてみました。
最初にフワッと辛みが来ますが、後味はほんのり甘い。
この甘さが、淡路島タマネギの最大の特徴。

「淡路島のタマネギは土の中にいる期間が長い(前年9月〜翌年6月まで)ので、土の中で長い時間育つ、というのがまずポイントです。あと、淡路島は日照時間が長く、太陽をしっかり浴びるので、おいしくなるとも言われているんですよ。風通しがいいのも、栽培に適している理由ですね」と美奈子さん。








※畑を前に、タマネギ談義が始まりました。 会話をしていて感じるのは、浅田さんご夫婦の呼吸がぴったりなこと。そして、タマネギ栽培のことをお二人ともしっかり勉強されていて、かつ、愛があることでした

秋に植えて、翌年の春から初夏に収穫。
つまり半年以上も土の中で育つタマネギは、 土壌の滋養をしっかり蓄えている、ということ。
日照時間や風も、確かに大切ですね。

そんな話をしていると、ご主人が教えてくれました。

「この地域では玉葱収穫が終わったら畑に水を張って米を植えるんです。水を張るので有機物が分解されやすくなって、病原菌が減るというのか、そうやって50年くらい栽培を続けているのが淡路島のタマネギ。真夏の暑い時期に水を張っているので、土がいい状態になるんです。米を植えていない畑でも、土のために畑に水を張っているんですよ」
タマネギの収穫後にそこで稲作!これぞ淡路島の伝統的な栽培法。
この島の気候を知り、適した農業をする。結果的に、作物がおいしく育っているのです。









※浅田さんの農園のそぐそばには、大きなため池がありました。豊かな自然に抱かれている農地、ここはおいしい作物が出来る場所だ、と感じさせてくれます。

畑の水が、近くの山から水を引いた農業用のため池の水を使うそう。
でも、いつ入れてもいいわけではありません。
6月20日は“ひぬき”といって、水を入れていい日。
日程を決めることで、伝統栽培法は守られているのですね。

「でも、それまでにタマネギの収穫を終えないと(笑)。田植えも6月中に終えなければならないので大忙し。そこまでやってようやく、淡路島のタマネギ農家は一段落なんです」 美奈子さんの言葉には、苦労も楽しみに変えている農家の心が見えました。

Director’s voice [農業用ため池] 浅田さんのお話にもあったように、淡路島の農業では、田畑の水を農業用のため池から引いています。淡路島は兵庫県下でも特にため池の数が多く、平成23年の調査では、2万2000以上のため池が島内にありました。兵庫県下で次に多いのは北播磨地方の約7300か所。ちなみに全国では、平成9年の調査結果ではありますが、約21万か所。その1%が淡路島にあるというのは驚きです。

四方を海に囲まれた島だからこそ、限られた資源を有効に活用する、だからこれだけ増えたのでしょうか。しかしため池が多いおかげで、淡路島は農業王国として、全国に知られているのです。
【プロフィール】
浅田佳男さん、美奈子さん
大阪で会社勤めをしながらも、自分の力で何かを生み出すことができる農業に惹かれ、人生の節目に転身。一昨年独立し、夫婦であさだ農園を営む。

あさだ農園:http://awaji-asada.com/