番組内容









※たくさんのタマネギに囲まれながら、お二人がいかに淡路島生活を気に入っているか、話していただきました。

浅田さんご夫婦は、どちらも淡路島に縁もゆかりもありません。それがなぜ、淡路島に移住し、そして農業を始められたのでしょう?
大阪出身のご主人によると 「人生の節目といいますか、別のことをやってみたくて、気付いたらタマネギ農家になっていました」
だそう。気が付けば…とは!
ご主人は大阪で24年間、サラリーマン生活。一方の美奈子さんは東京のご出身で、 「私はだんだん土に触れる生活がしたくなっていて、淡路島へは何度か来たことがあったんですけど、島時間というか、すごくのんびりしていて、こんなところで暮らせたらいいな、と」 漠然と島暮らしを想い描いていたようです。
ご夫婦が共に、想い描いていた生活を淡路島で始めた。それがタマネギ農家としての暮らしだった、ということなのですが、そんなに簡単に移住、そして就農ができるものなのでしょうか?

「移住をする=農業をすると決めていて、最初の二年間は近所の農家で修業して、一昨年ここの農地を借りて、農業を始めたんです。それまで妻は大阪で暮らしていました」
最初はご主人だけの単身赴任。生活のメドが付いたところで、奥さん合流。
農業がしたい、と言ったご主人に対し、美奈子さんは「淡路島ならいいよ」と答えたそう。
「私は淡路島に引っ越したかったんです」
見事な呼吸感というか、無理なくお互いの理想を実現できた、ということのようです。










※二人が寄り添いながらタマネギを育てている。そんな印象の浅田さんご夫婦。後ろ姿もなんだか和みます。

とは言うものの、仕事だけでなく住環境もこれまでとはまるで違う淡路島生活。
そこへの戸惑いもあったと思います。

ご主人が一番大変だと感じたこと、それは“仕事と生活の区別”でした。 「営農したら、家の近くが畑なので、通勤時間とかありません。玄関出たら職場ですから、サラリーマン時代のようにはっきりした時間がなく、仕事も生活も一緒。タマネギが家族のようなものだし。雨が降ったら休み、それに戸惑いましたね〜」 職場への通勤時間というのは、ある意味“気持ちの切り替え”ができるいい時間。タマネギ農家になってからは、それがない。そして、天気に左右される。時間への考え方をがらりと変えなければないこと、それが最も大変だったそう。

大変と言えば、就農してからこれまでも、当然ながら慣れない農業への苦労もあったはず。 そう問いかけてみると、意外な答えが返ってきました。 「普通は農地を借りるのも大変で、就農してからも手探りで、というものです。たしかに私たちも土地を借りるまでの準備ではいろいろありました。しかし偶然にも農地を貸してくれる人が出てきて、就農してからも、私たち風の畑にご近所の方がしょっちゅう顔を出してくれて、いろいろ教えてくれたんですよ」 ご近所に恵まれた、ということでしょうか。 先生が近くにたくさんいるというのは、就農する人にとって何より心強いことですね。










※タマネギ農家に必要な道具も、ご近所の農家の方が譲ってくれたとか。これは収穫したタマネギを運ぶ道具。

それにね、と美奈子さん。 「近所の農家さんを見ていると、ご夫婦で息を合わせて作業されているんですよ。だったら私たちも夫婦で仲良くして、支え合っていかないと、と」 夫婦仲良く暮らしていく秘訣まで、ご近所の先輩農家に教わる!? なんだかステキな空気が、淡路島にはあるんですね〜。 「そう、自然が息抜きですよ」 と、美奈子さんが笑っておっしゃいました。








※タマネギ畑に張りめぐらされたネット、実は鹿除けでした。鹿はタマネギを食べることはないものの、畑に入り、イタズラして帰るのだとか。この日も畑に、鹿の大きな足跡がありました。
Director’s voice [獣害が、大問題] 農業を取り巻く状況で、近年最も深刻なのが、鳥獣による被害です。これは平野部ではなく、中山間地域を中心にした問題ではありますが、農作物への被害はおよそ200億円にもおよびます。畑を荒らす鳥獣は、イノシシ、シカ、サルが全体の半数を占めます。 原因は、山にエサが少なくなったから、だけではありません。 集落の過疎化・高齢化による営農活動の減少、それに伴って耕作放棄地が増えると、そこが鳥獣のかっこうの隠れ場所になっていきます。また、狩猟者の高齢化および減少も、被害拡大の一因と言われています。 最近では作物被害だけでなく、人間の扈従地にも進入、荒らしていく事例も増えているようで、全国の自治体では、様々な対策が講じられています。 農業や狩猟といった、自然に近い就労環境から人が少なくなっていくことで、人と野生動物とのバランスが崩れ始めているのではないでしょうか。
【プロフィール】
浅田佳男さん、美奈子さん
大阪で会社勤めをしながらも、自分の力で何かを生み出すことができる農業に惹かれ、人生の節目に転身。一昨年独立し、夫婦であさだ農園を営む。

あさだ農園:http://awaji-asada.com/