番組内容

住宅街の中にぽっかりと京の伝統野菜が育つ畑

さて、いきなり始まった賀茂なす談義。
本上が次に気になったのは、このハウス内で何個収穫できるのか、でした。

「このビニールハウスにはだいたい400本くらいの苗があります。実ができるのは、1本の枝で10個くらい。1苗で3本の枝があるので、1苗で30個くらいできます。しかしすべて出荷できるわけではなく、なかには規格外とか、悪いものもできるので、それらはだめですね」

単純計算で1200個の賀茂なす! 最盛期の収穫前は、さぞや圧巻なのでしょうね〜。

森田さんによると、いい賀茂なすは少し光沢があってずっしりと重いものだそう。しかしそれが最初から分かっているわけではないところが、賀茂なすの難しいところでもあるようです。
「できがいいかどうかは、花が咲いて実が大きくなる段階でわかるわけではなく、収穫するタイミングでないとわからないんですよ。2割くらいは悪いものが出ちゃうかな〜」

森田さんの現在の悩みは、この2割くらいのもの、つまり出荷できない賀茂なすをどうしたらいいか、ということだとか。確かに、廃棄はもったいないですね。

※森田さんが、おもむろに目の前の賀茂なすを収穫しました。ソフトボール大の賀茂なすを持たせていただきながら、話は続きます。本来はもう少し大きめを収穫したいそうですが、このごろは小さめの方が需要があるそうです。

収穫できるときには生で食べられるものもある、という森田さんの言葉に誘われ、一ついただいてみることにしました こんな経験はなかなかないのですが、早速一つ収穫し、いただきます。










※収穫したての、パンパンに張った賀茂なすをその場でいただきます。まず香りに、驚きました!

噛むと口いっぱいに広がる、青リンゴのような清々しい香り。
「お漬け物の茄子とかは食べたことがあるんですけど、生は初めてです。結構瑞々しいんですね。火を通さないと固いんじゃないかというイメージがあったのですが、果肉もギュッと詰まっていておいしいですね〜」

いただいたあとは、やはりいつもの質問を。
「ところで私たち消費者がお店で賀茂なすを選ぶとき、どこで選べばいいんでしょうか」

森田さんによると、
1.上から見たらがくが三角形
2.花すぼみ(お尻の部分)が大きくベターっと広がっている
3.店頭で持ったときにずしっとしている
の3点がいい賀茂なす選びのポイントだそう。これはぜひ参考にしてくださいね。











※花は薄紫で、少し大きめ。五角形でキレイな色も特徴です。









※賀茂なすの系統は、大芹茄子という泉州水茄子などと同じ。つまり普通の茄子とはまた違う系統だそうです。

ちなみに、賀茂なすの食べ方と言えば田楽が知られています。他は天ぷらなどでしょうか。しかし森田さん、
「それ以外の食べ方を勉強して、と消費者には言っています(笑)」
いろんな食べ方が生まれることで、先の話に出た出荷できない2割を商品化することができるし、若い人にも賀茂なすのよさを伝えていける、そんな思いから、実はいろんな食べ方も研究しているそう。お好み焼きにしておだしで食べるという食べ方もおすすめだと、教えていただきました。
次の世代に伝えていくため、それが今の森田さんの原動力かもしれません。



Director’s voice [いろいろあります!賀茂なす料理] 森田さんの話にあった賀茂なすのお好み焼きは、厚めに輪切りにして中身をくりぬき、実を刻んでおこのみやきの生地に混ぜてくりぬいた皮に詰めます。それを焼く、というもの。 ほかにも、料理レシピサイトなどではさまざまな料理法が紹介されています。

手軽さとおいしさで人気なのは、賀茂なすのグラタン。これは皮を器にするものと、皮毎刻んでグラタンソースと共に耐熱容器で仕上げるものの2通りがあるようですね。 あとは油との相性がいいので、揚げ出しや焼きなす、おもしろいものでは賀茂なすを厚切りにしてステーキに、という料理も紹介されています。 もちろん、パスタの具としてもいいですね。

和洋中、実はさまざまな料理に変化させることができる賀茂なす。皆さんもぜひ、ご家庭でアイデア料理を考案してみてください。




【プロフィール】
森田良彦さん
京都・上賀茂で100年続く農家の三代目。四代目の息子さんと共に、賀茂なすをはじめ様々な野菜を育てている。
http://www15.plala.or.jp/puremorita/