番組内容

新潟随一の米どころは山あいの棚田?!

上杉謙信が幼少期を過ごしたことでも知られる、新潟県の栃尾地区。
新潟県の中心から車で一時間半ほど南へ向かったところにある、米どころ新潟でも良質なお米が育つ地域です。

到着した一行を、棚田が一面に広がるすばらしい風景が迎えてくれました。
訪れたのは9月の収穫期、目に入る光景がなんとも言えない黄金色をしていて、ホントに気持ちのいい場所です。

※訪れたのは秋が深町始める頃。ススキもふんわりし始めていて、稲穂の黄金色とススキの銀色とのコントラストも見事でした。

棚田に沿って歩いていると、ちょうど作業中の諸橋さんがいらっしゃいました。
まさに稲刈りの最中、目の前に広がる田んぼはどのくらいの広さがあるのでしょう?
「一町一反くらいありますね。精米すると百俵くらいです」
百俵! 頭の中には、高く積み上がった米俵が浮かんできました。

ここまで結構山道を上がってきたのですが、周りはほぼ諸橋さん所有の田んぼ。ここを合わせて5か所を所有しているそうです。
「ここが一番、標高が高いんですよ。ここまで高い場所に田んぼがある場所はほかにはないですね。ここが山の頂上といった感じです」と諸橋さん。
山之上から下まで、ずっと田んぼ。収穫はさぞ大変なのでしょうね。

「収穫は下の平地からやっていくんですよ。田植えも下から。順番に上がっていきます」 しかしここは棚田。平地での作業のようにスムーズには行かないようで、 稲の生育も平地と頂上付近では一週間から10日ほど違うそうです。
どうやって収穫のタイミングを見分けるのでしょうか?

「我々は手に取って見ます。実の入り具合、例えば粒が青い稲穂がありますが、これが稲穂の1、2割くらいなら収穫にはいいんですけど、それ以上では早いんです。実りは先の方から始まり、枝が半分から1/3近くまで枯れてくると、収穫時期です」 生育状況が標高によって異なると言うことは、それぞれの田んぼで毎回稲穂を手にとって見るわけです。ちょっと気が遠くなりそうですね……。

新潟のお米というとやはりコシヒカリ。諸橋さんのところでも、主力はやはりコシヒカリだそうです。しかし、ちょっと違うとか。
「うちの米は、コシヒカリの中でも昔から作っていた従来コシヒカリと呼ばれるものです。新潟県では今、主力がコシヒカリBLという品種改良した米なのですが、うちでは昔からの米を作り続けています」










※諸橋さんの田んぼで育った米。稲穂が粒も重みで頭を垂れ、粒がしっかりしていることを物語っています。

諸橋さんの話によると、コシヒカリBLは冬まではおいしいものの、冬を過ぎると味が落ちていくとか。諸橋さんたちは従来のコシヒカリがおいしいと思っているので、その米を作り続けているそうです。

「コシヒカリBLは他県と差別化するために作られたのですが、従来のコシヒカリの方が作りやすいんです。しかし病気には、コシヒカリBLの方が強い」
コシヒカリと言っても、種類があるんですね。そして育て方、病気への免疫力など一長一短がある。ちなみに諸橋さんが作っているお米は”山の米”と呼ばれているそうです。
ほかにも特徴があるのでしょうか?











※収穫前の稲穂を本上に見せながら、諸橋さんがお米の説明をしてくれました。

「もちろん“うまい”というのもあるんですけど、標高の高いところで栽培している米で、肝心なのは土の質です。あとは、山の枯葉を通って栄養豊富になった水で育っていることですね。これがないとダメ。山があってそこから流れ出る水は栄養価が高いし、ミネラルも豊富になるんですよ」土ってそんなに違うものなのでしょうか? 「例えば、うちで飼っている牛に山の土で育てた飼料を食べさせていたのですけど、他の場所で育った草にしたら食べなくなりました。土が違うだけでそれだけ味わいが違ってくる、ということですね」

Director’s voice [コシヒカリBLとは?] コシヒカリBLとは、平成17年産の米から新潟県が県内に一斉導入した、従来のコシヒカリよりも農薬を減らした栽培ができるお米です。 新潟県を代表するお米・コシヒカリは、「いもち病」に弱いという弱点がありました。また、昭和50年代の不作続きなどもあり、消費者に良質米を安定的に供給するためにどうするか、という課題もあったようです。

そこで、遺伝子組み換えではない品種改良米の育成に着手したのです。 育成には従来からの育種方法が採られ、15年の歳月をかけて改良したそう。 つまり「コシヒカリBL」とは、「いもち病」に強く、育成時の農薬を大幅に減らせるお米。 DNA鑑定でも他県のコシヒカリと区別できるのだそうです。 気になる味ですが、財団法人日本穀物検定協会の食味ランキングで、従来のコシヒカリと同等の食味評価を受けています。




【プロフィール】
諸橋家(マイライフ株式会社)
諸橋誠さん。
新潟県・栃尾地区で210年続く米農家「諸橋家」七代目。栃尾は国内有数の棚田地帯、ミネラル豊富な土壌で作られる諸橋家の米は、地元の農家からも評価が高い。
米(マイ)ライフ http://www.itsmylife.jp/