番組内容

人の手がないと完成しない麒麟山のお酒をさらに知る。

収穫期を迎えた田村みかんに囲まれ、太田さんとのみかん話は続きます。
ところで、今年の出来はどうなのでしょう? 気になりますね〜。

「今年は8月に1か月曇天と雨があったでしょ。本来はその時期に乾燥することによって糖と酸が上がるんですけど、今年は上がりきっていないから、最初の方のみかんは少し頼りないですね。まぁ、12月に入って気温の差がだいぶ出てきていますから、追いついてきてくると思います」

ここでもやはり、この夏の天候不順の影響が…
でも、寒くなってくると味がよくなる、というのもみかんらしい話です。











※太田さんとの話は、みかんの味から栽培の大変さへ移っていきます

「ところで、ミカンの花がつくのはいつくらいですか?」
本上はみかんがどうやって育っていくのか、気になるようです。

「花は5月に咲いて、それを6月の下旬頃から10月にかけて間引きして、優良な果実を残していきます。その作業が夏場の暑い時期にずっと続くんですよ。単純に大きなみかんを作るだけなら1回で間引きを終えればいいんですけど、いいみかんを作るなら、木に負荷をかけないように何度かに分けて間引きをしなければなりません。大変な仕事だし、いいみかんを作ろうと頑張るのだけど、天候などにも左右されますから、納得のいく田村みかんができるのは10年に一度くらいですね」

初夏から秋の半ばまで大変な作業を続け、ようやく収穫となるのに、それでも10年に一度くらいしか納得のいくものができないとは!
自然を相手にしているから仕方ないのでしょうけど、みかんの栽培はそれだけ過酷なんですね…。










※おいしいみかんの見分け方で大切なことの一つが、ガクの色。写真のように緑の部分が白っぽく色抜けしているものがいそうです。

ところで、私たちがいいみかんを見分けるためには、何を見たらいいのでしょう?
「やっぱり色ですね。黄色っぽいよりも赤に少し近い方がいいですね。それに、皮がぶかぶかのものはおいしくないです」 つまり橙色っぽくて皮にハリがあるもの、ということのようです。

話の途中で田村さんからひと言。
「ちなみに田村では、収穫は片手でやるんですよ。やってみますか?」
もちろんですとも!

太田さんに教わったとおりに、人差し指でみかんの下を支え、親指と中指でハサミを使い、ガクの根本を切ってみます。これ、なかなかに難しいです。
この収穫方法は、和歌山県内でもなぜかこの辺りだけのものだそうです。太田さんにも理由は分からないそうですが、片手で採る方が早いことは確かなのだとか。











※田村みかん独特の収穫方法は片手! うまくできると、ちょっと誇らしいです。

「このミカンは宮川という早生で、丸いのが特徴なんです。中手、おくてになると多少形が変わって扁平になってきます。ちなみにぼこっと筋が入っているのが、水分のストレスがかかった“菊ミカン”というんです。おいしいんですよ。食べてみます?」

待っていました!
……と、食べる前に、太田さんのみかんのむき方に目が留まる本上。
「面白いむき方ですね。お尻の方から4つに割って、そのまま食べる…」

とはいえ、目の前にいい香りのみかんがあるので……いただきます!











※本上、みかんを食べる手が止まりません。それを見て太田さんも次々に本上へみかんを渡します(笑)

「おいしい〜。いや〜、おいしいミカンですね〜」
柑橘大好き本上、感想が止まりません(笑)
菊みかん、甘みとコクがものすごいです!

ちなみに、木の下の方にある小さいミカンはすぐに食べず、袋に入れておいて、1月くらいまでおいておくとまたおいしくなるそうです。
追熟、ということでしょうか。

通称“和歌山むき”と呼ばれるみかんのむき方は、まず皮のまま半分に割り、それをまた半分にし、1/4になったものをそのまま口へ。食べる際に皮から実を剥ぎ取る感じで食べます。

そうそう、みかんってどういう風に選別するのでしょうか? 「大きさは選果機で2L、L。M、S、2Sと分けるんですけど、それを外見の美しさとか家系、色などいろんな要素で秀、優、無地、丸というように4,5段階に分けるんです。この作業は熟練の人だけしか出来なくて、とても難しいんです」 ここでもやはり職人技が登場ですね。分けられたみかんは、大きいものと小さいもの、どちらがおいしいのでしょう?
「自分で食べるならMとかSくらいがいいです。小さめのみかんの方が、味は濃いですね。大きくなると味が薄くなるんです。ただし、大きなみかんの近くに2Sくらいのみかんを数個実らせておくと、大きなみかんもぐっとおいしくなります。無駄なことをしておくことで木にもみかんにもストレスがかかり、味がよくなるんですよ」

みかんには生育過程でやっぱりミラクルがある! そんな感じがしませんか?



Director’s voice [みかんにまつわる、データあれこれ] 冬になるとみんなが食べるみかん。日本国内でのみかんの現状を知るために、ちょっとデータを集めてみました。

まず都道府県別収穫量ランキングですが、平成25年度の収穫量で見ると、 1位が和歌山県で約16万8900トン、2位が愛媛県の約13万7800トン、3位は静岡県で約12万1800トンでした。この3県で全体の半分近くの収穫量を占めています。
つぎに品種別の収穫量をみてみましょう。現在流通しているみかんのほとんどは温州みかんで、極早生、ハウスを含む早生温州、普通温州があります。早生温州全体で見ると、収穫量1位、2位は全体収穫量ランキングと変わりませんが、3位は熊本県。そのうち極早生は1位が熊本県、2位が愛媛県、3位が和歌山県となっていました。 ハウスみかんの場合は、1位佐賀県、2位愛知県、3位大分県と、2位以下が大きく入れ替わっています。
この結果を見ていると、露地ものなら和歌山、ハウスなら佐賀県、ということが考えられますね。みなさんは、どの地域のみかんがお好みですか?





【プロフィール】
太田直廣(なおひろ)さん
七代120年近くにわたって、最高級ブランドみかんで知られる「田村みかん」を作る、小南農園の太田直廣(なおひろ)さん。 代々継承されてきたみかんづくりの技を今も守り、東京のフルーツ専門店とも40年近く取引が続いている。
http://www.aridamikan.com/