生戸さんの船に乗せていただき、出航はしたものの、港から出た途端に強風に見舞われ、10分程度で陸に戻った本上一行。
「今日はやっぱりダメだったなぁ」
と防波堤の脇の車に向かった生戸さん。
続いて本上も車の方へ向かい、なにやら話を始めました。
どうやら道具に興味を持ったようです。
まず目に留まったのは、たくさんのハリ。しかもかなりの大きさです。
「これはサワラを釣るハリです。イワシを付けて、海に流して、20〜30分そのままにして、機械で巻き上げるんです。ハマチやメジロ、ヨコワもかかりますよ」
船で見せていただいたクエ漁のものとは、全然道具が異なるんですね。
「道具だけだと、船には20種類くらい積んでいますよ。サワラは、春になると船に竿を広げて釣るんですよ」
お話を聞きながら、本上は生戸さんの手にも注目しました。
とてもがっちりして、立派な手!
「大阪にいる頃はまだ白かったんですよ(笑)」
ん? 大阪?? もともと漁師ではなかったのですね!?
「こっちへ来てもう47年。20歳で結婚して日高へ来て、漁師になったのが23歳ですから。好きでないと漁師はできないですね」
つまり生戸さん、転職漁師というわけですね。
生戸さんがクエ釣りと出会ったのはいつのことなのでしょう?
「漁師になって2,3年の頃ですかね。その頃に日高で漁師をしている長老さんから“クエ釣りしてみないか?”と言われたんです。それで釣り方を教えてもらって、初めての時にイカが釣れて、これでやってみようか、とやったら偶然にもクエが釣れたんです。それでこんなにも面白いのか!と思ってね、ハマってしまいました」
なんと、ビギナーズラックじゃないですか!
「その時はクエのハリも外せなくてね、陸に上がって人に外してもらいました。でも、それからですね、やみつきになったのは。毎年11月頃になったらじっとしていられないんですよ。クエ釣りたくなって。海に誘われているというか、クエに呼ばれているというか」
初めてクエを釣って、そこで夢中になって。それでも40年以上続けているというのは、本当にスゴイですね。
クエって、そんなに魅力的なんですね〜。
「ちなみに、クエはメスが多いんですよ。15kgくらいになったら性転換するんです」
え? 知らなかった!
防波堤脇でのクエ談義もひと息ついたところで、そろそろお腹が……。
「今日は波の状況が良くなくて漁に出られませんでしたが、クエを食べられるオススメの場所がありませんか?」
「僕がクエを釣ったら持って行くところがあるんですよ。漁師仲間で、クエ専門の民宿もやっているんです。そこだったら紹介できますよ」
もちろん紹介してください! 今すぐ行きましょう!!