番組内容

好き出ないとできない。そんな漁師像を聞く。

さて一行は、生戸さんにご紹介いただいた「民宿はまゆう」さんにやってきました。
「ここはね、もう常連で、いつも魚釣ったらここへ下ろさせてもらっているんですよ」と生戸さん。
「今日はクエ釣りに行ったけど時化で無理だった。でもいい味食べたいと言うことで連れてきたんですよ」
そんなことを生戸さんが宿の方に伝え、一堂で客間へ。

部屋に入るとすでに、目の前には立派なクエ料理!
これ、全部クエ料理なんですか?

※初めて食べるクエ、しかも天然! いろんな料理があるんですね〜。刺身は醤油ではなくポン酢でいただきます。スダチを絞ってもおいしいそうです。期待に胸が高鳴ります♪

「今日はフルコースで、お鍋にするクエの身、クエの胃袋のバター炒め、クエの肝、クエの薄造りにクエのにぎり寿司に唐揚げに、ヒレ酒を用意しております」
はまゆうさんの若女将が内容を紹介してくれました。
胃袋? 肝? ヒレ酒?
クエってそんなところまで食べられるんですね。
ちなみにクエは、10月の連休を過ぎたあたりから日高町では食べられるそうです。
終了時期は、はまゆうさんの場合は2月。3月いっぱいまで提供しているところもあるとか。

では、日高町の冬の海からの恵み、存分にいただきます!












※食べ始めたら、もう無言(笑)。テーブルの上で、箸が泳いでいました。

ぜいたくなクエ料理を前に、生戸さんとの話は続きます。

そもそも、なぜ日高町に移り住み、漁師をするようになったのでしょう?
「20歳で奥さんと知りあって、その時“家の裏から魚釣りができるよ”と言われたんです。それで日高に来てみて、これはいいところだ、と感じてね。実家は大阪で呉服屋をやっていましたが、親族に話をして、移住を決意しました」
最初は知り合いも少ないし、しばらくは寂しかったという生戸さん。
それでも漁をしているうちに友だちもでき、海にも慣れてきて、 ここが一番いい、と思えるようになったそうです。











※日高町に入ってすぐのところで、巨大なクエのオブジェを発見! これを見て一堂、とてもワクワクしながら取材へ向かいました。

しかし、好きだけで続けられる仕事ではないと思うんです、漁師は。
「釣りを趣味にしている人は多いと思うけど、僕の場合はそれで終わらなかったんですよ。それで漁師になることを決意したんですけど、一から覚えなきゃいけない。だから長老さんに何でも聞いて、教えてもらったんです」










※クエの話、日高の海の話。生戸さんの話は釣りへの愛に溢れ、日高町への敬意も感じられました。それだけ移り住んだこの町が好きになったんですね。

それから40年超。今度は自分が若い人に教えていかなきゃ、と生戸さんは言います。
ほかの地域からこの街に来た人はたくさんいらっしゃるそうですが、さすがに漁師になったのは生戸さんだけだそうです。
これまでの漁師生活の中で、辞めたいと思ったことはないそう。しかし……
「2月頃は辛いときもあるなぁ。寒いを通り越して痛いでしょ。それで布団に潜ったり(笑)。誰にも怒られないし。ま、その代わり漁に出るときは一晩でも二晩でもやりますよ。それだけ魅力があるんですわ。根っから釣りが好きですから」

好きから始まって、人に教わりながら漁師道を一直線に進んできた生戸さん。
ちなみに現在は「はまゆう」の息子さんに、クエ漁を教えているそうです。
技術の継承が続いていくんですね。

話の終わりに合わせるかのように、クエ鍋がグツグツしてきました。
このあと、じっくり、ゆっくりいただきたいと思います!

おいしいクエ料理をたっぷりといただき、最後はいつもの記念撮影! Director’s voice [民宿 はまゆう] 海岸線からほど近いところにある「民宿 はまゆう」さん。宿の歴史は40年ほどで、初代のおばあちゃんのころは、おばあちゃんがクエをさばき、お客さんが来られる頃には着物に着替えて、迎えていたそう。
クエ鍋用のポン酢は、そんなおばあちゃん秘伝のレシピ。
毎年クエのシーズンになると、多くの常連さん、評判を聞いてやってきた初めてのお客さんで民宿は大賑わい。時にはクエの確保にバタバタすることも。
ちなみに、宿の人がオススメするクエ料理は「唐揚げ」。脂の旨みと身の歯ごたえを堪能できるから、だそうです。もちろんクエ鍋も、身は柔らかくてあっさりしているけど、ゼラチン質のおいしさも感じられるとか。

【民宿 はまゆう】
住所:和歌山県日高郡日高町阿尾623
電話:0738−64−2131





【プロフィール】
生戸 学(うと まなぶ)さん
クエの一本釣り漁師、生戸 学(うと まなぶ)さん。大阪で生まれ育ち、趣味の釣りが講じて日高町で漁師になることを決意。その後クエ釣りに出会い、一瞬で虜になる。