番組内容

主役級の春菊を求めて湖東の田園地帯へ

春菊農家として日々奮闘されている吉川さん。ご実家が代々種を取って春菊を作っているとうかがいましたが、ご自身が農業をはじめられたのは、なにか理由があるのでしょうか?

「僕は就農して12年目ですが、物心ついた頃から家が農業やっていたので、ちょこちょこ手伝っていましたね。この仕事を選んだのは、せっかく家に仕事もあることだし、頑張って苦労しているのも見てきたし、助ける意味もあって、就農させてもらいました」とのこと。
最近は若い人も減ってきたし、やりたくてもできない職業でもあるので、せっかく家にあるのなら頑張ろう、やろうと決めたそうです。

※20歳の時に就農して12年。すでに若手と言うよりも、中堅どころといったキャリアの吉川さん。

そんな吉川さんですが、現在の春菊栽培についてはどのような想いがあるのか聞いてみました。

「まぁ、大変ですね、農業は何をしても大変なのでしょうけど(笑)。ただ、毎日家族でしゃべりながらやっているので、時には動いて、そんなのもいいですね」なんだかほのぼのとする答えに驚きました。
農業は色々な仕事の中でもハードな部類に入る職業だと思います。
それを、大変だと言うことを前提としながらも、家族でやっていることによさを見いだされているようで、聞いているこちらもうれしくなりました。

春菊栽培で一番大変だと思うのは片付けと植える作業だそう。
「植えたあと、すぐに暗くしてあげるんです。その状態で水を上げて根を張らせるんですけど、そこが大変ですね。台風が来る時期に植えるので、台風の影響などもあります」

そしておもしろいところは、春菊の生命力だと吉川さん。
「ちょっといい加減に植えても大きくなるので、すごいな、と思います」
毎日生育を見守っていると、生命の強さを実感されるのでしょうね。

春菊は葉物野菜ですし、虫などがつくこともあり大変だと思いますが、管理の面でもやはり苦労はあるのでしょうか?

「春菊を早く育てようとハウスを閉めきりにすると、どうしても温度が上がって蒸れてしまい、菌が出てきたりするんですね。だから大事にするだけではなくて開け閉めして空気を入れながら育てます。これが大変ですね。ただし、最初に手間をかけた分、収穫が近くなる頃にはそんなに手間がかからないんですよ」










農業、そして春菊栽培に真摯な姿勢で取り組む吉川さんの話に、本上は聞き入ってしまっています。

「本当にしゃがんでばかりの作業ですが、まぁ、こればっかりは我慢です」
そう言って、吉川さんは笑いました。

父母、祖母と4人で春菊栽培をやっている吉川さん。小野一日は、朝早くから働き、昼過ぎから誰か先に上がって、15時くらいにとなりのハウスを閉めて帰り、収穫したものを18時までに持って行く、という流れ。
家族が一つでいる大切さは、吉川さんが一番分かっていらっしゃる気がしました。











※取材の間も、吉川さんのおばあさんが黙々と収穫されていました。田園風景の中のビニールハウスには、家族の温かさも詰まっています。
Director’s voice [春菊を食べるのは東アジアだけ?] 今でこそ日本でも一般的な野菜になっている春菊ですが、日本に入ってきたのは室町時代の頃と言われています。
原産地はトルコなどの地中海沿岸地域で、独特の香味や風味をもつ冬野代表野菜ですが、実は地中海沿岸地域では、春菊を食べません。
春菊には小さな黄色い花が咲くのですが、原産地ではその花を観賞するための植物として取り入れられています。
食用としているのは中国やインド、日本など東アジア地域だけだそうです。
しかし春菊は、カロテンの含有量はほうれん草に匹敵し、そのほかビタミンCにカルシウム、鉄分なども毛布に含まれる健康野菜。
これを食べない手は、ありませんよね。





【プロフィール】
吉川 則生さん
滋賀県野洲市で代々春菊農家を営む吉川則生(のりお)さん。 吉川さんの農園の春菊は、外から買ってきた種で育てるのではなく、代々受け継がれてきた種を使い続けている