番組内容

バラの収穫はなかなか難しい…

さて、たくさんのバラに囲まれるビニールハウスを出て、別の建物にやってきました。
目の前には大きなタンク。こちらは何をするところでしょうか?

「これはバラを育てるための栄養を作り出すタンクです。ここで水と肥料を配合して、ハウスの中に送り出しています。肥料のバランスを調整することによって、花の発色やツヤ、太さに変化を持たせていくんですよ」

つまり、杉本バラ園で栽培しているバラの、命の源ですね。
どんなバラ農家さんでも、このようなことをやられているのでしょうかに?

「農家によって、もちろん配合などのやり方は違いますね。企業秘密になる部分なのですが、当園の場合は地下130メートルから地下水を吸い上げています。あと、タンクがいくつかありますが、それぞれ発色や幹の太さなど、役割が違うんですよ」

栄養を作り出すと聞いたので、水になにかを加えているだけだと思っていたのですが、 目的によってひとつひとつ変えているんですね。
大きなタンクの横からは、管が出ていてピチピチという音がしています。
この音が、水と栄養を調合しながら肥料を作り出している音なのだそうです。

「季節に応じて配合を調整するのはもちろんですが、従業員が花の様子を観察して、ちょっとおかしいな、と思ったときにも調整します」
細かな調整が、美しいバラを作り出す秘訣、というわけですね!











※選花場では、従業員の方が収穫したバラを規格に合わせてそろえていました。

続いて、切り花がたくさん並んでいる選花場に案内していただきました。
「ここは選花場ですね。ここで長さや花のツヤ、花に傷が付いていないかなどすべてチェックして、それから束ねていきます」

花の選別、見ている感じではそれほど難しくないのかな、と思ったのですが、実はこの選別に職人技が求められるということです。つまり、選花場を担当している女性たちは、バラ選別のプロというわけ。
そして本上、選花場の片隅にパソコンを発見!

「このパソコンで、ハウスの中の環境を測定しているんです。バラの栽培環境は、人の目だけでは分からないこともあります。季節による違いもあります。人間の体感にも個人差があるのと同じですね。それを数値化して、より植物が育ちやすい環境を作っているんです。毎年のデータを蓄積して、天候を比べたりもしているんですよ」









※パソコンの画面には、たくさんの数字が表示されています。一つ一つに意味があり、こうして測定し、コントロールすることも、高品質のバラづくりには欠かせないそうです。

データ分析というハイテクな話をしながら、なぜか足元にたくさんの猫が! 「実は全国の生産現場で、猫はよく飼われているんです」 と杉本さん。










※データ分析というハイテクな話をしながら、なぜか足元にたくさんの猫が!「実は全国の生産現場で、猫はよく飼われているんです」と杉本さん。

猫ブームですか?

「いやいや、お仕事をしてもらうんですよ(笑)。ハウスの中の環境ってネズミが好きな環境でして、バラの苗を食べたり、部品をかじったりしてしまうので、それを防ぐために猫さんに頑張ってもらうんです。・・・しかし、最近寒いからか、ストーブの前から動かないですねぇ。猫がハウスの中で鳴くだけでも、ネズミは逃げていきますから、時には強制的にハウスの中へいってもらいます。うちにはほかに、ヒツジもいますよ」










※杉本バラ園を訪問したのは2月の半ば。外が寒いので、猫のみなさんはストーブや温風ヒーターの前から、動こうともしませんね(笑)

ヒツジ! ヒツジは何をするんですか?

「羊は雑草を食べてもらっています。ハウスの周りの環境も大切にしていきたいので、羊に雑草を食べてもらうことでエコな環境を保っているんですよ。結構前から働いてもらっていて、今6頭います。それから、犬は番犬です。…のはずなんですけど、優しすぎますね(笑)」










※杉本バラ園の番犬のはず?のくーちゃん。とても人なつっこくて、本上が近寄るととてもうれしそうにしてくれました。
Director’s voice [動物は、いろんなところで大活躍!] 杉本バラ園では、ハウス内のネズミ退治のために猫、周辺環境の保全のためにヒツジ、そして番犬と、いろいろな動物が美しいバラづくりを影で支えてくれています。 日本ではほかにも、雑草を食べるためにヤギを飼っているところもあります。 人間が猫を飼うようになったのは、そもそもネズミ駆除が目的だった、なんて説がありますから、人間と動物は、互いに支え合ってきたんですね。 ちなみに最近はウイスキーがブームですが、ウイスキーの本場・スコットランドでは、倉庫や蒸留所のネズミを駆除するために猫を飼い、「ウイスキーキャット」という名称まで与えているところが多くあります。中には家と食事付きでれっきとした従業員として扱われている猫もいて、ウイスキー職人たちからとても大切にされているそうです。




【プロフィール】
杉本正樹さん
1700坪の敷地でバラを栽培している「杉本バラ園」の二代目。父親の代からバラ栽培をはじめ、これまでに「日本バラ切花品評会」に何度も入賞しているほか、内閣総理大臣賞も受賞するなど、品質の高さ、栽培へのこだわりで知られている。