番組内容

バラの選別にチャレンジ!

今回訪問するのは、三重県の名張市。
田舎暮らしや新しい農業などでも注目されている地域です。
そこの南古山地区が訪問先なのですが、大阪の梅田からは1時間ほど、低めの山に囲まれた場所に棚田があって、辺り一面とってものどか。 蛙の声も聞こえます。

ちょうど田んぼに水が入り始めていて、そろそろ田植えなんですね。












※取材の日はポカポカ陽気。のどかな里山の中にある「アグリー農園」さんへ、なんだか一同、ピクニック気分でやってきました。

その奥のビニールハウス、こちらがアグリー農園さんです。

「すご〜い、ハウスの中に元気そうな葉っぱが並んでいますが、これは小松菜ですか?」
整然として広いビニールハウスに、ちょっと本上、驚いたようです。

どんどん奥の方ヘと歩いていきます。
と、音楽が聞こえて来ました。これはなんなのでしょう?

「小松菜に音楽を聴かせて育てているんですよ。農業が分からない中で始めたので、音楽を聴かせるとよく育つかな〜なんて考えてやっています」
というのは、アグリー農園の農園主・井上早織さん。










※野菜が綺麗に並んで育ち、周りもとても整理が行き届いているハウス内。女性らしい細やかさが感じられますね。

聞いたところによると、井上さんはちょっと変わった経歴をお持ちの農園主。
もともとは大阪の出身で、4年前までは主婦、メディカルアロマセラピストという資格を持ち、なぜか今は農業家…。

「昔から興味があることにあれこれはまってしまう性格で、 もともと食には関心が深かったのですが、いつの間にか農家になっていました(笑)」

いつの間にかって…。
そんな感じで農業を始めた人はあまり聞いたことがありませんね。
名張に何か縁でもあったからできたのでしょうか?

「名張は無縁の地でした(笑)。まったく知り合いもいなくて、本当にたまたま土地を持っていた方がいて、偶然主人が水耕栽培を見付けて、私は赤目自然塾で農業を学んでいて、ちょうど農業に興味を持っていた時で、そんな偶然が重なってここにたどり着いた、という感じです」

すごいですね!
いろいろなタイミングがうまい具合に重なった、ということでしょうか。
ちなみにご主人のご実家は農家。農業がいやで家を飛び出したはずなのに、いまでは農場にはりついているそうです。

さきほど井上さんの言葉に水耕栽培というのがありましたが、
確かにこの農園は水の音がずっとしています。
全部野菜を水で育てているってことでしょうか。

気になって仕方がない本上、野菜を育てているところを見せてもらうことに。

水耕栽培は水の上にプカプカと発泡スチロールのような板が浮いていて、そこに小松菜が植えられています。
発泡スチロールをめくると、根がたくさん伸びていました。

「今はこのくらいですが、収穫前になると、水槽に根が張り巡らされてくるんですよ。
根がしっかりしていると栄養をしっかり吸収できるんです。水槽の中では水が循環しています。野菜が育つためには酸素が必要なので、循環させながら酸素や栄養素をまんべんなく送っているんですよ」

水槽と言っても、貯まっている水では育たないんですね〜。
だからハウス内は、ずっと水の音がしているんですね。
なんだかせせらぎの中にいるようで、とっても癒される空間です。










※初めて見る水耕栽培。井上さんの説明ひとつひとつに、驚嘆してしまう本上なのでした。

アグリー農園さんでは、ほかにもフリルアイスや水菜、水菜の一種の紅法師(ポリフェノールが多い、女性にオススメ)、レッドリーフなどを育てているそうです。

なぜこれらの野菜を選んだのかというと
「主婦目線なので、自分が買いたいもの、食べたいものを作るようにしています」
と井上さん。

とってもストレート!
ちなみに、主婦目線の延長として、親子連れに見学してもらうこともあるそうです。

「子育て中の方に見ていただくと、いろいろ気がついていただけるので、農家としてできることはいろいろあるんだな、と最近は思います。小学校で命の授業もやっているんですよ」

話をしながら、井上さんはどんどん奥へ。
本上も、ワクワクしながらついて行きます。

案内されたのは苗場でした。
真っ暗にした棚の中で苗を育て、芽が出始めると外に出す。
「土栽培だとこういうところは見られないんですけど、水耕栽培は育っていく様子をずっと見ていけるので、それも一つの楽しみですね」










※野菜の苗って、人差し指大の種から芽が出ていて、とってもかわいい! 見ていると自然にニコニコしてきちゃいます。

「実はこの播種、“農福連携”といって、目の不自由な方が播種をしてくれています。 例えば健常者が一つの作業をすると、そこには複雑な作業がいろいろありますよね。 それを、障害を持っている方にやってもらう時には、作業を細かく分けて、作業を合理化していきました。すると、障害のあるなしに関わらず、会社にとてもいい方法ができあがっていました」

Director’s voice [「農福連携」とは?] 井上さんの話にもあった「農福連携」。これは障がいを持つ方の経済的自立と、高齢化・後継者不足という農業の課題を合わせ、どちらもの解決を試みる新しい取り組みです。2014年はまさに「農福連携元年」と言われ、今や全国的な広がりを見せ始めています。 しかし、ただ連携すればいいというものではありません。農家、障がい者施設とのマッチング、地域特性など、クリアしていかなければならない課題もたくさんあります。さらに、この取り組みを広げるためには、活動を支える地域のネットワークも必要になってきます。




【プロフィール】 愛媛県生まれの大阪育ち、前職はアロマセラピストという経歴で、アグリー農園は開園4年目。「食の安全・安心は自分で守らなきゃ」という思いから農園を立ち上げ、水耕栽培で小松菜や水菜などを育てている。
http://agree-nouen.com/