番組内容

青春もモモに捧げて60年独自の工夫で道を極める

そういえば、宇田さんは16歳からモモづくりひと筋。
その間に、やっぱり紆余曲折があって今があるのでしょうか?

「16歳からモモばかり作ってきましたけど、30年ほど前に、ある本で土作りのことを知りました。それまではただ作るだけだったんですけど、味がのらないなぁ、と感じていたので、堆肥を自分で作ってみることにしました」と宇田さん。










※農園の片隅に、小さくてかわいいモモの苗木がありました。広い農園は宇田さんが丹精込めて整備しているだけあって、とてもきれいです。

牛糞をもらい、そこに竹のチップと米ぬかを入れ、さらに竹炭を焼いて入れて、もみがらも焼いて入れる。それらをかき混ぜながら発酵させ、1年半から2年寝かせる、というのが宇田さんの堆肥だそうです。

堆肥に着目したのは、毎年堆肥を買うよりも安いのかなぁ、という思いつきから、というのがおもしろいですね。 ちょっと興味もあったから、と宇田さんは笑って言いました。











※宇田さんの農園でつくられるモモは、どれもぷっくりとキレイな丸。

果肉と果汁がいっぱいなんだろうな〜と、創造が膨らみます。

配合も独自に決めながらつくる堆肥。
桃山町のモモ農家の中でも、ここまでやっている人はほぼいません。

堆肥づくりの話から、モモ農家の1日に話はおよびました。

宇田さんの一日は、朝5時から7時までモモの収穫。
それを自宅で選果して、第1弾終了。
箱詰めなどは奥さんたちが手がけるそうです。

そこから少し身体を休めて、今度は草刈りや水やり。
農園が広いので、毎日1日4000〜5000歩は歩くとか。

草刈りと言われて宇田さんの農園も見回してみると、確かに木の根元がキレイに刈られています。草がないのではなく、生えているのに整えられている、といった感じでしょうか。

「薬を使うと糖度が落ちると言われていますし、お客さんに安全なモモを食べてほしいので、もう何十年も農薬は使っていません」だそうです。それを常にご自分で管理されているということに、頭が下がりますね。










※宇田さんの農園はNPO法人和歌山有機認証協会からも認定された農園。どの木もとても元気です。

ちなみに収穫が終わってからも、収穫させてくれたお礼に肥料をあげ、 それからはいらない枝を切ったりと、次の年へ向けた準備。
とにかくいろいろ仕事はあるようです。

9、10月、1月から2月の半ば近くまでがちょっとゆっくりできる時間。
しかし休むのではなく、その間に堆肥を作ったり、竹炭を作ったりしています。
そういえば、和歌山は備長炭が有名ですね。でも、なぜ竹なのでしょう?

「パンダです」

え? パンダ?

パンダは3年も経てば300kgほどに育ちますよね、竹を食べて。と宇田さん。

どうやら、パンダが竹を食べて大きく育つことに気が付いたことで、 竹にはそんなに栄養があるのかなぁ、と思って始められたようです。










※モモが実り始め、日ごとに重くなっている枝を支えるための棒を設置していくため、農園には長い竹をたくさん積んだ作業車がありました。この竹も竹炭になったりするのでしょうね。

「それに普通の木は一度切ると何年も育ちませんが、竹は切っても来年また生えてくるので、材料に困りません」

なるほど、原材料の供給もバッチリ、というわけですね。
実は宇田さん、発想力の人かもしれません。


Director’s voice [「あら川の桃」はいつ食べられる?] モモは初夏の代表的な味。全国にいろんな品種がありますが、では、「あら川の桃」はどの時期に食べられるのでしょうか。 ひと言で「あら川の桃」と言っても、早生から晩生まで、いくつかの品種があります。 出荷時期を見てみると、まず早生の「日川白鳳」「八幡白鳳」は、6月下旬から7月初旬、次に「白鳳」が7月上旬から下旬、そして7月下旬から8月上旬にかけて「清水白桃」が登場し、最後に「川中島白桃」が8月初旬から中旬にかけて出荷され、「あら川の桃」はシーズンを終えます。 つまり7月からお盆くらいまで食べられるということです。 ちなみに「あら川の桃」は、街なかではなかなか出会えません。 そんなときはぜひ桃山町へ! 町内各所に直売所があるので、お得なモモに出会えるかもしれません。見て回るだけでも楽しいですよ。




【プロフィール】 16歳からモモづくりを始め、以来60年モモひと筋の宇田光行さん。堆肥もすべて自分で作り、収穫も自分の眼で見て、いい状態のものだけを朝一番に収穫するというこだわりを持つ。