番組内容

自然の恵み豊かな熊本で、話題の農業高校へ

今回お伺いしたのは熊本県熊本市。中心街からは30分ほど南に行ったところにある熊本県立熊本農業高校畜産科にやってきました。
近くに大きなバイパスも走っているのですが、高校周辺はとても伸びやかな地域。
校内も広い敷地のようで、畜産だけでなく園芸だとか、農業全般いろいろな科があるようですね。田んぼの横を歩きながら、農業土木科などと書かれた看板が見えます。

牛の絵が描かれた看板の先には、牛舎でしょうか? 農業高校はやはり一般の高校とは違った雰囲気です。畑も広がっていて、ここが高校の敷地内だとはあまり思えませんね〜。
それほどたくさんの農業施設があります。









※さすが農業高校! 校舎の佇まいにもなんだかゆとりを感じます。ステキな環境です。地域の方に開放している農園もあり、生徒が利用者の手助けをするそうです

畜産科と書かれた看板野崎には牛舎があり、周りではいろいろな生き物の声。
鶏が鳴いている声も聞こえています。
動物の姿に微笑みながら歩くこと数分、ようやく養鶏場の入口にたどり着きました。
靴の底を消毒液に浸して場内へ向かってみましょう。

養鶏を指導されている森田先生が、入口で私たちを迎えてくれました。
森田先生はこちらの学校に来られて12年目。当初から鶏の担当だそうです。
もともとは福岡の出身で、大学で熊本に来て、そのまま熊本県の教員になられたとか。











※畜産科の森田先生。雨の中私たちを迎えてくださいました。

先生によると、畜産科には1〜3年まで126名の生徒が在籍していて、3年は専攻で牛と豚と鶏に分かれるのですが、そのうち12名が養鶏を専攻しているそう。
そのうちの女生徒4名が、どうやらこんかいの卵に深く関わっているようです。

ところでこの卵、生まれたきっかけもネーミングも、ユニークだとか。
もともと畜産科では、鶏のエサを安くするために、捨てられるような作物をエサに利用できないかといろいろ調べていたそう。
そこに一昨年、赤潮の影響で有明海苔を大量に廃棄しなければならなくなったと聞いて、それをエサに出来ないかと実験してみたのが始まりでした。
熊本と言えば、有明海で作られている海苔が有名ですもんね〜。

海苔をエサに育った鶏の卵、普通の卵とはどう違うのでしょうか?
「実験してみて分かったのは、普通の卵に含まれていないβカロチンやEPA(エイコサペンタエン酸)が含まれるようになった、ということですね。ビタミンAの含有量も普通の卵の1.5倍という、とてもいい卵が出来ました」と森田先生。
地元に根ざした卵が出来たってことですね〜。

ちなみに卵の名前は、「海苔ノリ卵♡黄身に夢中♡」。
同校には農業経済科というのがあるのですが、そことのコラボで考えた名前で、今商標登録申請中だそうです。
ネーミングがうまいな、なんてちょっと感心しまちゃいます(笑)。










※「海苔ノリ卵♡黄身に夢中♡」は、養鶏場横で販売されています。販売員は教員のみなさん。

そうそう、収穫した卵はどこで買えるのでしょう?
「学校の鶏舎の入口で、毎週火曜から金曜までの朝9時から販売しています。1パック10個入りキロ単位での販売もしています」 購入してくれる人の感想には「もうほかの卵が食べられない」とか、うれしい声ばかり。
売りきれる日も結構あるそうですよ。

あ、肝心なことを忘れていました。養鶏の取材をしなきゃ。
でも、鶏の声がしているのですが、どこに養鶏場が?
「ちょっと窓がないのでわかりにくいのですが、目の前の建物です」
え、これが? なんだか想像と違います。









※教えられるまでまったく気付きませんでしたが、実はこれが鶏舎。ね、なんだかイメージが違うと思いません?

Director’s voice [熊本は農業系高校が元気!] 今回取材でお邪魔した熊本県立熊本農業高校をはじめ、熊本県では近年、農業系学科を有する高校の活躍が目立っています。数年前には阿蘇高校の農業食品科で真っ白なイチゴ「あその小雪」が誕生、脚光を浴びました。また、農業系高校と企業や町が一緒になり、特産品開発なども積極的に行っています。また熊本農業高校ではほかにも、校内で生産した農産物を使って、地元の大学の学食メニューが誕生したりもしています。

熊本県は海あり、山あり、平野ありで、東西南北それぞれに特産品がいろいろある、食が豊かなところ。だからこそ、農業高校も元気なのでしょうか。
農業に関わる若い力が元気な町は、なんだかおいしいものが多い、そんな気がしませんか?





【プロフィール】 熊本県立熊本農業高校畜産科のみなさん。

養鶏を指導している森田教諭と女生徒4名で、2年前からおいしい卵作りに取り組む。昨年から販売を始めた熊本特産の有明海苔をエサに配合した卵「海苔ノリ卵♡黄身に夢中♡」が県内でも評判に。最近では近隣の方だけでなく、遠くから車で卵を買いに来る人もいるそう。