番組内容

採って、洗って、測って。卵って出荷するまで結構大変

さて、1階の鶏舎を見せていただいたあと、外階段で2階に上がってきました。
ここにはヒナが800羽いるそうなので、入ってみましょう。
…とビックリ! てっきりヒヨコがピヨピヨ鳴いているのかと思いきや、ヒナといってもかなり大きいんです。

「あと2、3週間もすると卵を産み始めます。卵を産むまでは、ヒナと呼ぶんですよ」 と森田先生。
そうだったんだ〜。










※ヒナたちが暮らしている2階は、ちょっと明るめ。顔つきが少し“おぼこい”ヒナがたくさんいました。

ちなみにこちらは外光が入っています。
q 日光を加減するのは産卵のためだから、まだ光を調整する必要ないということですね。
大きいな、と思ったヒナたちですが、よく見るとまだ顔が少し幼いんです。
なかなかかわいいですね〜。

ケージにヒナが何羽も入っているのですが、 森田先生によると、小さいときはケージに何羽も入れ、育ってくるごとに減らすそう。
1つのケージに何羽か入れておくことで、エサを食べ競って育つそうです。









※熊本農業高校では、孵化してすぐのヒナを毎年購入して、ヒナから卵になるまでを授業の中で経験しているそうです。命の授業ですね。

熊本農業高校畜産科目で養鶏を学んでいる生徒たちは、 管理をしていく課程でワクチンを接種したりほかのニワトリを攻撃しないようにくちばしを切ったり、ニワトリのお世話全般を学んでいきます。

ここで学んだ生徒たちは、 ニワトリそのもののプロフェッショナルになっていくんでしょうね。

鶏舎を出て、向かいにある別の部屋に来ました。
ここは自動鶏卵洗浄選別機という機械がある部屋です。
つまり卵を洗って、選別する場所ですね。

部屋の中央に、初めて見る機会があります。
実際に動かしてもらうと、いきなり巨大なブラシが回り始めました。
卵を入れるとお湯が流れてブラシが回り、卵を洗って、洗い終わった卵は分かれていく。
そんな流れで卵が選別されていきます。
卵の外側は汚れていることがあるので、洗わなければ出荷できない、と森田先生。









※卵って出荷前に洗うんですね。選別はSから3Lまでありますが、あまり大きすぎるとパックの中には入らないので、M,Lがパックに詰めるにはちょうどいいそうです。

持ち螺旋性と話をしていると、ちょうど生徒たちが入ってきました。
畜産家3年生の渡辺さん、宮口さん、木下さん、武田さん。
卵の実験を森田先生と一緒にやってきた4人だそうで、このあと話を聞いてみたいですね。

と、その前に、エサに混ぜる海苔を見せてもらうことにしましょう。
海苔はだいたい1羽あたり1枚くらい食べる量をあげているそうですが、 海苔は束で届くので、それをエサに混ぜるためには、 シュレッダーで細かくしていかなければなりません。
シュレッダー??








※シュレッダーはもともと海苔用ではありません(当たり前ですが)。だから少しずつしか裁断できず、ちょっと時間がかかります。ちなみにシュレッダーの採用は先生のアイデアだそう。

選別の話を伺ったところで、森田先生が卵の品質検査についても教えてくれました。
卵の品質は色、重さ、殻の強度、殻の厚みなど、さまざまな測定を経て決まります。
なかでも卵の品質は、鮮度指標ともいう、内部品質の指標が重要とのこと。
だから卵の重さ、卵白の厚みを測ります。
卵白の厚みは、黄身にもっとも近い白身の部分の高さを測るそうです。
なんだか科学の授業みたいですね。
でも、新鮮でおいし卵を私たちが口にするまでにこれだけの細かい作業かあるのだと、 初めて知りました。








卵質検査台のガラス台の上で卵を割り、卵の品質をチェックします。裏側も見て異物が入っていないか確認し、カラー板で色を見て、卵黄の質も見ます。

今回測定した卵は、HUと呼ばれる指標数値が100近くありました。国際基準では72以上が最もいいとされているので、やはりとってもおいしい、ということなんですね。
ちなみに森田先生によると、おいしい卵は卵白が濃厚で盛り上がっているそうですよ。
「濃厚卵白の中に抗菌作用のある成分もあるので、新しい卵は細菌にも強いんです」

Director’s voice [養鶏とアニマルウェルフェア] 突然ですが、アニマルウェルフェアおいう言葉をご存じですか? もともと西洋で生まれた概念ですが、「快適性に配慮した家畜の飼育管理」のことです。 日本の畜産業でも、このアニマルウェルフェアに配慮した飼育への取り組みが進められています。 具体的には安全かつ健康に育つための環境、栄養の確保、清潔な畜舎を保つ、ということなのですが、さまざまな知見をもとに飼育管理指針が策定され、畜産家の皆さんは、その指標に基づいた飼育をされています。 食の安全が特に叫ばれるようになってきている現代、 私たちが命をいただく動物の飼育環境に配慮していくことが大切だということ。 そのためには私たち消費者も、 食の安全をしっかり考え、学ぶ姿勢を持たなければならない気がします。



【プロフィール】 熊本県立熊本農業高校畜産科のみなさん。

養鶏を指導している森田教諭と女生徒4名で、2年前からおいしい卵作りに取り組む。昨年から販売を始めた熊本特産の有明海苔をエサに配合した卵「海苔ノリ卵♡黄身に夢中♡」が県内でも評判に。最近では近隣の方だけでなく、遠くから車で卵を買いに来る人もいるそう。