番組内容

彼岸花が咲いたら里山も稲刈り

さて、稲刈り直前の田を見せていただきました。
周りにはほかにも収穫前の田があり、 どれも同じようにみえるのですが、実は収穫時とまだのものがあるのでしょうね。

収穫時のお米はどういう風に見分けているのでしょう?
小牧さんに尋ねてみると、畦ぎわに彼岸花が咲き始めたら収穫時、 なんて答えが。なんだかその風景が想像できる答えですね〜。
「花が咲いているのを見付けると、そろそろだな〜なんて毎年思っています」

稲は穂先から実っていくそうですが、 穂の85%から90%が熟れると狩りどきだと小牧さん。
「そこから10日ほどで狩りどきは終わってしまうので、 天気と相談しながら、乾燥機のキャパも考えて収穫していきます」

田んぼは一つではありませんから、当然一日で収穫は終わりません。
天気と相談って、やはり自然が相手の仕事なんですね〜。

「お米は、刈ってすぐ乾燥させなければいけないんです。
うちは35度前後という低温で乾燥させていて、普通の農家さんの倍くらいの時間をかけているんです。
せっかく刈っても乾燥で失敗してしまうと台なしなので、ここにとてもこだわっています」と小牧さん。
昔は天日干しで時間をかけて感想させていたそうで、できるだけその状況に近い乾燥を心がけているとか。










※稲穂を見せていただきました。ツヤツヤ、丸々として、かわいいなぁと思えます。

そうそう、本上が気になっていたことが一つ。
お米は収穫した時点で、おいしいお米になっているな、 と分かるものなのえしょうか?

「この時点では、穂がそろっていて長いものはいいお米になる、 とは感じますが、やはり乾燥次第ですね」


収穫の時というのはどんな1日なのでしょう。
やはり早朝からバタバタしているんでしょうね…。

「朝早くから稲刈り作業をするイメージがあると思いますが、以外とスタートは遅いんです。
太陽が昇って小一時間経ってから、稲に付いている朝露が乾くと、刈り取りスタートです。
この辺は山があるので、日光が当たり始めるまでが遅いんです。
だから早くて10時くらいから刈り取りですね。そのまま夕方までやっています」

いきなり想像がひっくり返ってしまいました(笑)
谷間の集落は、日光次第なんですね、それで「天気と相談」なのか!











※小牧さんは、下芥田の里での米づくりがどれほど天気に左右されるか、切々と語ってくれました。

先ほど朝露の話が出ましたが、 稲に朝露が付いたまま収穫するのはよくないということ?
「濡れていると水分量が高くなるので、 乾燥する行程で、水分が1%でも高いと時間がかかります。 時間が余計にかかった分だけ次の田んぼの刈り取りが遅くなるのですが、 田んぼの実りは待ってくれません」

稲刈りは始まってから7日間くらいで一気にやってしまわなければ ならないそうで、だから天気や自然と相談しながら、なのでした。 自然が相手だと難しいんですね〜。

ちなみに稲刈りが終わると、 すぐに藁をトラクターで田んぼの土に混ぜるそうです。
これは次の田植えをするときに土の栄養になってもらうため。
藁を土に混ぜ込む際は、空気が土にちゃんと入るようにすることが 重要だとも教えていただきました。

「僕は深さ10センチ程度でやっていますが、 この深さは農家さんによって違ってくると思います。
それぞれの家がすごいこだわりを持っているので」

藁を混ぜるだけでもこだわりが必要だなんて、知りませんでした…。
それだけ愛情が必要なんですね。

収穫後の田ではさらに、次の田植えのための準備が続きます。
雑草が多かった田は、耕したあと、冬の寒い時期に土を寒気にさらして、 雑草の球根などを死滅させる必要があるそう。
4回ほどやって、きっちり死滅させるそうです。
「時にはその雑草も土に混ぜます。 これが酵素となり好気性細菌のエサにと なって、元気な田んぼになります」

米づくりの一年は、それからもいろいろ。

春になれば田植え、田植えが終わったら水の管理。
「植えている稲が暑くないか、寒くないか。 稲が暑いといえば川から水を入れ、 稲が寒いといえば昼間に温かい水を入れてあげます。 稲の株の数も、水を入れることで調整するんですよ」

いろいろな行程を経て、目の前に見えている実りになるわけなんですね。









※お米づくりのことになると、話がとまりません。それだけ深い愛情が小牧さんの田には注がれているということでしょう。

そうそう、小牧さんがつくる 「清流キヌヒカリ芥川」のこだわりってなんでしょう?

「情熱と想像力が僕のこだわりです。
稲作に従事していない人が見ると、土から上しか気が行かないものです。
確かにいろんなドラマを経て実るわけですが、 それと同じくらい、土の中でもいろいろなことが起こっているんです。

里山の環境があるからこそできる土であって、 この里の自然が支えてくれているおかげで おいしい米が出来るんだ、と思っています」









※稲をしっかりと支えている土。そこにも愛情と情熱を注ぐことで、里山のおいしいお米ができあがっていくのだと感じました。

Director’s voice [日本の食糧自給率について] お米を含む日本の農作物は現在、 どのくらいが国産として消費者のもとで消費されているのでしょう。 農林水産省が平成27年5月に発表した 「平成26年度職業・農業・農村白書」によると、 2013年時点での数字は、お米が96%、野菜は79%、魚介類は55%、 肉や大豆は10%もありませんでした。 お米が96%あるからといって、それでいいとは言えないようです。 なぜなら、そもそも国内でのお米の消費量が下がっています。 小牧さんの話を聞いていると、農家が愛情と情熱をたっぷり注いでいる お米が食べたくなってくるのですが、 私たち日本人は、お米をもっと見直さなければ、と感じています。 平成26年度の国民1人当たりのお米の消費量は約55kg。昨年よりも3kg減り、 最も多かった昭和37年の約118kgからは半減しています。 これでは…、と思ってしまいますね。 ちょっと海外に目を向けてみましょう。 イタリアで毎年春〜秋に開催される国際見本市の「ミラノサローネ」が 今年も開催されています。 その中で、開幕直後からかなりの注目を集めていたのがなんと 「日本館」だったそうです。 世界が注目する和食、お米や日本酒も、外国の人には大変好評だったとか。 外国の方は、お米の素晴らしさに気付き始めている、そんな気もします。 しかし、日本の魅力を一番知っているのは、私たち日本人でありたいものです。



【プロフィール】 下芥田のお米を完全予約制で販売するウェブサイト「里山農家のおいしいお米」を運営している米農家小牧延隆さん。昔から地元で農家が自分たちの食べる分だけ生産してきたお米を兼業農家として生産している。

【里山農家のおいしいお米】 http://www.rice-jp.com/