番組内容

好きが高じて一念発起。いまや国内のトップランナーに

さて、唐辛子の収穫からちょっとした珍事をへて、 ちょっとマジメなお話を。

先ほどから本当にたくさんの唐辛子を見せていただきました。
これだけ一堂に会しているのを初めて見たんですけれど、 そもそも芥川さんは、どのようにして唐辛子と出合ったのでしょうか。

もともと桜井市特産の三輪そうめんをつくる会社で 働いていたという芥川さん。
「その頃から趣味でトマト15品種と唐辛子15品種を育てていたんです。
それで唐辛子の魅力にとりつかれて、SNSなどで発信していたんです。
すると結構“ほしい”という人がいて、 だったら唐辛子だけでやってみるか、と思い立ったんです」

趣味が高じて、ってやつですね。
すごい勇気!

一念発起して起業し、現在6年目。
超激辛品種を一番得意にしているそうです。
「これを召し上がった人の反応を見るのが非常に楽しくて、ですねぇ…(笑)」

しかし、日本には唐辛子の種類がそんなありませんよね?
出回っていないものが多いのですが、どうやって種を入手しているんでしょう?

「基本的に販売のものはアメリカの人に一括して送ってもらうんですけど、それ以外の趣味のものは、アメリカのニューメキシコ州立大学に唐辛子の権威の先生がいて、その人から送ってもらったり、世界中にあるマニアの人達とネットワークで繋がっているので、ある日突然種が送られてきたり」









※芥川さんの唐辛子への熱意を伺います。聞けば聞くほど、熱意というより愛ですね〜。

ある日突然種がって…(笑)
ちなみに唐辛子は非常に交雑しやすいそうです。 「今年はこんな形で実っているからと言って、 その種を来年植えると、全く違う品種ができることがあるんですよ。 それがおもしろくて、唐辛子の魅力にはまりまくっていますね」

しかし、ここまで趣味が高じて、仕事も変わって、となると、 ご家族の反応も気になるところですが、 食べていけないのでは? とは思われたものの、 お客さんの反応を直接聞きながら楽しんでやっている芥川さんのこと、 ちゃんと理解してもらえているようです。

しかも芥川さんの農園は、激辛唐辛子の分野では 国内でもトップランナー的存在。
唐辛子を探している料理人から問い合わせがあったり、 要望を聞いて新たな唐辛子を日本に紹介したりと、 なかなかに忙しいようですよ。





※露地栽培の唐辛子はとってもキレイ。隅々まで世話の行き届いた農園は、 芥川さんがこまめに世話をしているからです。ちなみに唐辛子は辛いので、 露地で栽培していても虫が付かないそう。アブラムシでさえ 雨で流れる程度しか付かないといいます。だから完全無農薬でできるんだとか。


好きこそものの〜を地でいく芥川さん。
唐辛子づくりのこだわりも尋ねてみました。

「唐辛子が持つ美しさをいかに引き出してあげるか、ですね。
激辛唐辛子に関しては、露地もハウスも有機にこだわって、 本来の味を出してあげるようにしています」

それができているってことは、桜井は唐辛子づくりには適している?

「私はそう思っています。奈良県桜井市は 東の吉野から非常に綺麗な空気が流れてくるのですが、 その空気はマイナスイオンを多く含んでいると言われているんです。 また、三輪そうめんの里は一日の寒暖差がないといけないのですが、 唐辛子にも同じような環境で、例えば夜の施設内は1度2度、 日中は30度くらいに上げてあげられるので、 栽培には適していると思います」

そうですか〜、まさかこんな穏やかな環境で、 しかも住宅街の中で激辛唐辛子が育っているなんて、 びっくりしますね。ご近所の方はご存知なんでしょうか?

「いや〜、まだそこまでは有名ではないですからね」

桜井市はなかなか特産品がない地域だそうで、 芥川さんの唐辛子を ゆくゆくは桜井市の特産品として扱っていけたら、 なんて話も出ているそうです。
もしかすると桜井市が日本の唐辛子の聖地になる、 なんて日が来るかもしれませんね〜。

そういえば趣味が高じて唐辛子農家になった芥川さん。
農業も始めての経験とのことですが、 初めてのことに飛び込んでいくって、大変ではなかったのでしょうか?

「まず土地の確保が大変。そして、食べていけるのかどうか、もありますからね。 しかし国内に唐辛子の専門農家がなかったというのが幸いして、こうして続けられています」

始めてみて気付いた、国内の需要。
そうして気付けば、今やトップランナーになっている芥川さん。

しかし、辛いものが苦手でも やっていけるものなのでしょうか?

「それはもう、日々、大変な目に遭っております。 乾燥させるときには粉も舞うので、 それが服の隙間から入ってくるんですよ。 服にも付きますから、服を脱ぐときにも舞うんです。 そんなときには身体がずっとピリピリしていますし、 帰宅してお風呂に入ると、 100度のお湯に浸かっているかのよう(笑) 目に入ってしまうこともあって、 20分くらい目を開けてられなくなりますね」

ん〜、聞いているだけでなんだか罰ゲームのような気も…
しかし芥川さん、唐辛子のために、と奮闘しているのだとか。

先ほど粉にするとおっしゃっていましたが、 やはり細かくした方が喜ばれるのでしょうね。

「実は一般的な一味唐辛子は粗いんです。 私のところはそれの10分の1くらいの細かさにしています。 なぜかというと、粗い唐辛子を料理に入れると、 辛みが出てくるまで時間がかかるんです。 私の激辛唐辛子がもし粗かったら、 料理に入れても最初は辛くないのですが、 数分後にはかなり辛くなりすぎて、 大変なことになります。 だからすぐに辛みを感じられるように、 細かくしているんです」

大惨事にならないようにというか、 使う人のことを考えて、 独自の工夫がなされているんですね〜。






※露地栽培の唐辛子はとってもキレイ。隅々まで世話の行き届いた農園は、 芥川さんがこまめに世話をしているからです。ちなみに唐辛子は辛いので、 露地で栽培していても虫が付かないそう。アブラムシでさえ 雨で流れる程度しか付かないといいます。だから完全無農薬でできるんだとか。

Director’s voice 芥川さんは趣味が高じて唐辛子農家になったそうですが、 実は唐辛子を趣味で栽培している人は意外と多いようです。 最近ではホームセンターなどでも栽培用の唐辛子が いろいろ販売されていて、ホットスカイ、日光トウガラシ、 五色トウガラシなどが有名です。 ベランダのプランターでも育てやすい、 色がキレイなどの理由があるようです。 ハバネロを育てて料理に使っている人もいるとか。 通販サイトでちょっと調べただけでもかなりの種類が あるので、次の春から、挑戦してみてはいかがですか?


【プロフィール】 国内では数軒しかない唐辛子専門農家の芥川雅之さん。 「芥川農園」を奈良県桜井市で経営し、400種類ほどの唐辛子を栽培している。 独自の乾燥方法で仕上げた唐辛子パウダーにはリピーターも多い。 ウェブサイト「とんがらし芥川」で購入可能。 http://www.chilli.jp/