番組内容

「見るからに悪そうな」唐辛子を収穫してみる。

今回は、京都市南区の吉祥院にやってきました。
大阪の梅田から1時間ほど北東へ行ったところなのですが、なんとここ、桂川の河川敷なんです。
目の前には畑が一面に広がっていて、キャベツもネギもあって、 いろいろな野菜が育っていて楽しいですね〜。

遊歩道というか、農道を歩いているのですが、その周りはすべて畑!
桂川も南区の方まで来ると川幅も広くなって、大きく、ゆったりと流れています。
川のすぐ近くまで来たので川の流れの音も聞こえてきましたが、 少し流れをさかのぼる感じで進んでみましょう。
川に鴨がたくさんいて、冬らしい光景ですね〜。

※川沿いにこんなに広大な農園があるなんて! ちょっと驚きつつも、その野菜がどれも元気なので、見ているだけでワクワクして来ちゃいます。

しばらく川沿いに進んで、畑で作業中の石割さんにお会いしました。

石割さんの家は代々この河川敷で農業を営んでいらっしゃるそうで、 たくさんの野菜を育てていらっしゃるそうです。
しかもその野菜は、有名料理人にもファンが多いとのこと。
しかし河川敷で野菜とはねぇ…。
「もともとは堤防がもっと川側にあって、明治の初期に移設されたんです。
そこが畑になって、当時からずっと使われているんですよ」 と石割さん。北川に嵐山が見える眺望も自慢のようです。









※私たちがお邪魔したのは、ちょうど石割さんが農作業をされているところでした。なんの作業をされているのでしょう?

少し息を切らしながら本上の質問に答えてくれる石割さん。
ちょうど、12月に収穫する堀川ごぼうを収穫している最中とのこと。
堀川ごぼうって、実は横向きに植わっているんですよ。


石割さんが指さす地面に目をやると、土の中から堀川ごぼうが見えています!
もちろん、ちょっと触らせてもらいましょうねぇ。
全体的に大きいし、太いっ!

「土の香りがするでしょ」 と石割さん。
目の前にある堀川ごぼうはとにかく大きく、皮にヒビが入るほど、 パンパンに大きくなっています。
「堀川ごぼうの特徴は、ヒビが入っていて、そこが白く見えていることでもあるんです」

確かにその通り。ヒビがたくさん入っていますね。
しかし大きさもそうなのですが、 横になって育っているとは思ってもみませんでした。











※石割さんが作業していた先を覗くと、太くて立派なごぼうが顔を出していました。

石割さんの堀川ごぼうは、前年の10月に種をまいて育てて、 冬の間ずっと、まずは縦に伸ばします。
6月くらいまでそのまま伸ばし、男の手の親指くらいの太さになったら 一度抜いて、一般的には60cmと言われるのですが、石割さんのところでは80cmを目安に、 そこから先をポキッと折り、横へ伸びるように植え直すそうです。
ただ育てればいいんじゃないんですね。

京都の和食では、空洞になっているところをもう少し穴を大きくして、魚のすり身、海老のすり身などをしんじょにして詰めて、薄味で炊いて食べられるそうです。 ん〜、それも気になりますねぇ。

おもしろおかしく、身振り手振りを交えながら 堀川ごぼうのことを教えてくれた石割さんですが、 堀川ごぼうの始まりについても教えてくださいました。
なんでも、戦国時代の豊臣秀吉の頃、聚楽第を作るのに取ってきた土のところに 食べないごぼうを捨てたところ、翌年の春に芽が出て、 そのまま放っていたら太くなっていた、そして食べたらおいしかった、 というのが堀川ごぼうの始まりとのこと。
成り立ちもちょっとほかとは違う、堀川ごぼうなのでした。








※とってもお話しがおもしろい石割さん。堀川ごぼうになる、ごぼうの種というのがあるんですか?もともとはあったみたいですよ。脈々と受け継がれて、いまも続いているようです。

Director’s voice 堀川ごぼう、みなさんは見たことがありますか? 初めての人は、おそらくそのビジュアルに驚かされたと思います。 なんと言っても太い! だからカットして販売されていても、丸太かと思ってしまいます。 大きなものになると、直径が軽く5cmを越えてしまうそうです。 生産者も少なく、出荷まで2年もかかるため、とても貴重な野菜。 そして、太い部分は石割さんのお話しにあったような料理やおでんなど煮物に 使われ、細い部分はきんぴらにするなど、部位によって異なる料理法がある というおもしろさも備わっています。 実は栄養価が高いこともすばらしさの一つではないでしょうか。 ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、特に食物繊維は、 一般のごぼうよりも多いそうです。 スーパーなどではなかなか見かけませんが、 機会があればぜひ、一度味わってみてください。


【プロフィール】
石割 照久さん
江戸時代から続く農家の10代目として、京都の伝統野菜のひとつである「堀川ごぼう」を育てている。ほかにも年間で約70種の野菜を育て、その多くが著名料理人や全国のレストラン・料亭からの求めに応じて作るオーダーメイド野菜。 京野菜マイスター認定委員会によって「京野菜マイスター」の認定も受けている。