番組内容

お箸で割れる柔らかさ!京都が育てた堀川ごぼう

さて、ビニールハウスから場所を変えて お話の続きをうかがうことにしました。
作業場兼倉庫にお邪魔しています。

村田さんの家は代々農家、村田さんで5代目になるそうです。
「物心ついた頃から畑にネギがありました。
代々農家だから、 小さい頃から農業を継がなければならないものだと思っていました」 ネギ農家になったのは必然だと、村田さんはおっしゃいます。

違う職業に興味とかはなかったのでしょうか?

「ちょっとはあったんですけど、自然な流れで継ぎました。
親の仕事を見ていて大変そうなイメージはあったんですけどね」 と村田さん。

農業に携わるようになった村田さん、 「やっぱりいいものができた時はうれしいし、 自分のやりたいようにできるのが楽しいし、 おもしろいですよ」









※就農した頃のことを思い出しながら話していただいた村田さん。その頃の思いを話す真っ直ぐな瞳が印象的でした

ちなみに今回お邪魔したのは冬の初めですが、 この時期に収穫するものは、春にはもう種まきが終わっています。
寒い時期や暑い時期には植えないんだそうです。
「いつでも苗を持っていて、 頃合いを見ていつでも植えられるようにしているんですよ。
そうしないと年間通じてできないですからね」

種をまいて育ってきたら畑に植える。
ネギはそうやって育てていると思っていたのですが、 実は伸びてきたらカットして、2回くらいカットしたら
しっかりした苗になってくるから、その時になってようやく定植するそう。
「10cmくらいの大きさですが、3回でも4回でも、 カットを続けていたら一年くらい根はもつんですよ。
そうしながらいつでもパッと植えられるようにしているんです」









※畑でも収穫した九条ネギを見ながら、成長の話、九条ネギは緑色の部分が多いなど、いろいろ教わります。

カットが1回ではなく2回というのは、 それだけ苗がしっかりしてくるからだそう。

「植えてから収穫までは、時期によってまるで違います。
例えば秋に定植したものだと、 9月のはじめくらいに植えれば2か月くらいで収穫できますが、 11月くらいに植えると、寒くなるので5か月くらいかかります。 12月だと収穫は4月の終わりになりますね」

収穫時期がこれだけ違うってことは、 時期によって味も変わってくるのでしょうか?

「やっぱり冬の寒い時期に収穫するものが甘みがあっておいしいですね」


ところで村田さんの畑があるこの地域は、 本当にネギの畑が多いところ。やはり栽培に適した土地だからでしょうか?

村田さんによると、この辺りの土地は砂地。
水はけがいいので、ネギの栽培に適しているようです。
でもここって九条ではないですよね? でもネギ栽培に適している?

「九条ネギはその名の通り、本当は京都の九条あたりで生まれました。
しかしだんだん南に栽培地機が下がってきて、この辺りでも盛んなのです」







※畑と田んぼでの九条ネギ栽培の違いを、あれこれと教えてくれました。ハウスと路地、畑と田んぼ。同じ土地でも環境が違えば育て方も、苦労も違ってきます。

九条ネギを作っている農家の方が増えているということで、 施設も新しく誕生したそうです。

「農協の大きな施設が15年の春から稼働しています。
ここには私たちはネギを持ち込むだけ。
持ち込んだらそこで掃除して洗って、袋詰め、出荷までしてくれます。 それができるまでは、個人がすべてやっていたんですよ」
もちろん直接卸す九条ネギは村田さんのところですべて作業するそうですが、 そうでないものは、この施設ができたことで本当に便利になったとか。
大きな施設ができると、出荷スピードも速くなってくるそうですが、 そこで悩みが…。

出荷スピードを早くできるようになるから、もっと栽培面積が必要なんです。 だから、昔は田んぼではほとんど九条ネギなんてなかったんですけど、 この数年で増えてきましたね。それだけ需要があるということです」
施設はできた、あとは九条ネギを作るだけ。
しかしそこが、大変なところ。 栽培面積を必要とするのは、ネギの連作障害を防ぐためでもあるのです。

「畑の場合は堆肥を入れたりしながら連作障害を回避していますが、 田んぼで九条ネギを育てる場合は、合間にお米を作ったりすると、毎年できるんですよ。
だからこの辺りでは稲刈りが終わったらネギを植えるところもあります」

田んぼでネギをつくるのと畑でネギをつくるのは、作り方が違う?
「作り方は同じですが、田んぼは雨が降ると水がたまってしまうので、 ちゃんと植えられる地面にならないんです。
天候に左右されるので、 雨が多い時期などは植えたくても植えられない状況が続きますね」

畑の場合は整地して植えられるけれど、田んぼはそれなりに苦労がある、 ということのようです。しかし耕作面積が必要…。
なかなか、難しいですね〜。



Director’s voice <家庭で九条ネギを育てる> 村田さんの話にもありましたが、 九条ネギは定植する時期を待つために、 伸びてきたら何度もカットしています。 ネギのこの作業、どこかで見たことありませんか?
そう、家庭でネギを育てるときに見るシーンですね。
スーパーなどで買ってきたネギを使うと、根本の白い部分が少し残ります。
これを植えてネギを育て、という経験は多くの人があるのではないでしょうか?

関東はネギの白い部分を食べる文化、関西は緑色の部分を食べる文化。
だからこそ、根本を残して育て、 葉の部分が伸びたらカットして使い、を繰り返すことが 広く行われているのかも知れませんよ。
もちろん種や苗を買ってプランターで育てることもできますし、 このように手軽に家庭で楽しめるのも、ネギの魅力です。
関西の料理には欠かせない薬味ですからね、ネギは。



【プロフィール】
村田和弘さん
山末農園の5代目で、ネギづくり名人と言われる村田和弘さん。 13年にJA京都やましろ久御山支店に誕生した「ネギ部会」では、 部会長も務めている。