番組内容

さっそく大和野菜の収穫。どれもこれも、楽しすぎる!

三浦さんから大和野菜の説明をある程度聞いたところで、 そわそわしている本上を察したのか、 「じゃあ、そのまま収穫に参りましょうか」 と三浦さん。

二人して野菜の見た目をチェックしながら、収穫する野菜を探し始めました。 それにしても、どの野菜もきれいですね〜。

まず収穫するのは「大和まな」です。
三浦さんによると、「大和まな」は葉の切れ込みの深さなど少しずつ質感が違い、 この切れ込みのあるのが特徴だそう。
「小松菜の奈良版のようなものなので、 おひたしにしたりお漬け物や炒め物、和え物にすることもできます」 料理の食材としては万能だと三浦さん。









※茎と根元の中間くらいのところをすっと切り、外側の黄変している葉っぱを取って収穫です。

「大和まな」、ひと株が本当に大きいんですよ。 形は大根の葉っぱみたいですけど、柔らかそうな色と手触りです。 「この風味が独特で、一度食べるとやみつきになられる方も多いんですよ」

さぁ、次は隣の野川まな。

「これを僕は食べるようになって、白菜を作らなくなったんですよ。 それくらいおいしいんです」
と三浦さん。白菜を使う料理すべてに応用できる野菜だということです。 収穫方法は、「大和まな」と同じ。









※いかにも元気そうな大きなものを収穫する本上。収穫の仕方がうまいと三浦さんにほめられました。

「うわ〜、きれ〜い!」 思わずそう口にしてしまうほど、 白菜の葉に似ているけど、内側まで日が当たったからか、 キレイな緑色をしている「野川まな」。 外側が少し赤くなっているのは、寒さを一身に受けたから。


続いて、畝をいくつもまたぎ、かぶの収穫へ。
「片平あかねです。細くて長いので、大根を収穫するように真っ直ぐ引いてください」 と三浦さん。大きさは長さ40cmくらいのものが多いそうですが、 ものによっては短いものもあるので、引いてみないと分からないのだそう。

「いいものが収穫できるまで引いてみてください」

そう言われると、とことんやってしまいますね〜。

太さもいろいろありますが、この時期はまだ柔らかいので、 味は変わらないと三浦さんは言います。

「確率的には、キレイな40cmくらいのものが収穫できるのは半分くらいですね。 途中で曲がっていたりとかもあるので」

よく見ていくと、同じかぶでも赤みが違ったりしています。

「色が赤くて、あかねという名前の通りしっかり色が付いているもの、 あとは形がいいもの、そういう美しいものを5本。
それから、少し荒々しいもの、 種を取るときに美しいものばかりだと種を取れる量が少なくなっていくので、 雑種共生といってちょっと荒々しいやつを1本。計6本で種を取ります」

そうか、食べるための収穫だけでなく、次への種も確保しなきゃ、ですよね。
ちなみに種を取るときは、一度抜いて、また戻すそう。
本当に“これはいいやつか”どうか、全身を見て決めていると三浦さんは言います。









※本上、目星を付けて収穫しますが…、「うわ〜っ、すっごいきれいだ!!」と、自ら収穫した「片平あかね」を自画自賛(笑)

収穫はまだまだやっていたのですが、いよいよ最後の「今市かぶ」です。
他の野菜とは違い、すごく近くにギュウギュウ詰めに植えてあります。

「これは僕たちのオリジナルの作り方なんですけど、 同じ場所に3つから4つ種をまいて、一つの穴で2本育てるんです。 そして先に大きくなった一つを収穫すると、 そのあとでもう一つが大きくなるので、一つの場所で倍収穫できるんです。 みんなこれやればいいのに、と思うんですけど(笑)」

この収穫方法のおかげで、今年はお店で使いきれないくらい 「今市かぶ」ができてしまったそうです。
「スタッフでも食べようと言っているんですけど、 まったく追いついていないですね」 と三浦さん苦笑い。
収穫は簡単で、すっと引っこ抜ける「今市かぶ」。











※「今市かぶ」を引き抜いてみてビックリ、「お餅みたい!」と思わず叫んでしまいました。

実はいま、大きなかぶを作る農家はあるものの、 「今市かぶ」は小株でもなく大株でもなく、中くらいのため、 収穫に手間がかかることもあってどんどん収穫量が減ってきている 品種だと三浦さん。 「でもおいしんですよ。しかも葉っぱもおいしいんです」

大和野菜の収穫作業、まるで宝探しをしているようです。
収穫した「今市かぶ」には花がつき始めていて、 いよいよ春が、って感じがしました。



Director’s voice 三浦さんの言葉にもありましたが、収穫量が減ってきている理由の一つに、 生産性を追ったことで収穫量の少ないものは作られなくなってきている、 ということがあります。 農家の皆さんの生活もありますので、収穫量の多い野菜を作ることは 当然のことなのですが、そのために今、 絶滅が危ぶまれている野菜も多くなってきています。 それを防ぐために、どうすればいいのでしょう? 例えば京都では、市街地の宅地化や大量生産・消費が求められた時代背景などが影響、 また特定の地域や集落だけで栽培が続けられてきた野菜が多かったため、 70年代に京野菜が絶滅の危機に瀕しました。 そこで起死回生策として打ち出されたのが、「京野菜のブランド化」です。 一定の基準をクリアしたものだけど京のブランド野菜=京野菜と認定することで 野菜に付加価値を付けていったのです。 その結果は周知の通り。今や京野菜は、日本を代表するブランド野菜に 成長しています。そうなると市場で求められる声も高まり、 生産量も生産者も増加、伝統野菜の維持もできるようになったそうです。


【プロフィール】
三浦雅之さん
奈良市の山手で大和野菜の調査研究と栽培保存活動を行う三浦雅之さん。 奈良県各地を回っては希少になってしまった大和野菜の種をもらいうけ、 年間で約100種類の大和野菜を育てている。 量産できない、生産性が低いなどの理由で家族向けに作られてきた野菜を 「家族野菜」と称して広める一環で、農家レストラン「清澄の里 粟」も営む。 同レストランは2012年にミシュランガイドで星も獲得している。