今回訪問した京都は、南丹市美山町。
大阪市の梅田からは1時間半ほど、 京都市内からも1時間ほどで来られる場所ですが、 本当にのどかなところです。
訪れたのは4月の後半、ちょうど八重桜が見ごろを迎えていたり、 田んぼにも水が引き込まれていたり、そして山々の緑が本当にキレイ。
新緑の季節という感じで、 やわらかい緑と杉林の濃いグリーンのコントラストが青空の下、 鮮やかに映えます。

一つの建物の前にやってきたのですけど、どうやらまだ建設中みたい。
建物の前で待っていてくれたのは、ブラッキー中島さんという方でした。

黄色のサイクリングファッションで向かえてくれたブラッキーさん。

「子供自転車教室をやっていて、子供達からもブラッキーさんと呼ばれています。 もともとバンドをやっていて、ちょっとお笑いバンドなんですけど、 そのバンドネームがブラッキーだったんですよ。 もうそのままやっています」 ミュージシャンと自転車ってあまり結びつかないですけど?

「そうですか?見るからに健康そうじゃないですか(笑) もともと息子がすごく自転車が好きで、 そこから僕も自転車に入っていたんですけど、それで今、活動しているんですよ」

子供向けの自転車教室なんですか?

「そうですね、子供達にどうやったら安全に、 そして楽しく自転車に乗れるかということ、 自転車に乗ることで自然を満喫したり冒険したりということを 子供の頃にやってほしくて、活動しています」 そうなるとここは、美山の場所自体をスクールの場所として活動することになるんですね。
ブラッキーさんも、そうなるといいですね、とおっしゃいました。

田園風景の中に建設中の建物。オープンに向けて、急ピッチで作業が続いていました。 お話を聞きながら、聞こえてくるのはトントントンという音。 なかなかの大きさなのですけど、この建物はブラッキーさんの家でしょうか?

「いえ、これはサイクルステーションなんです。 こちらにやってきてからの夢だったんですけど、 都会からやってきた自転車乗りの人達や地域の人達が交流する場として、 自転車を通じて交流する場ができたらいいなと思っていたんです。 それで作ろう!と決めたのですけど、なかなか資金的に難しくて、 クラウドファンディングを利用して、いろんな方から寄付を集めて、 ようやくお金が貯まりました。 しかし潤沢に資金があるわけではないので、 こうなったら自分でやっちゃおう!と決めて、 ほぼ日曜大工の延長でやっています」

自分で作る、というにはなかなか大きな立派な建物なんですけど・・・? なかでやっている人は、大工さんでしょうか?

「いえいえ、これうちのスタッフなんですよ。 近所に住んでいるメンバーなんですけど。 日曜大工を越えてもう、エブリディ大工ですね」 ブラッキーさん、合間に挟んでくる言葉が結構おもしろいんです(笑)

おしゃべりがおもしろいブラッキーさん。 会話がどんどん脱線していきます〜
しかしほんとに大きい建物。これ、どのくらいあるんですか?

「そうですね、建物だけで50坪はあるかな。50坪じゃきかないなぁ。 横にあるのが倉庫と、 それから僕らは子供向けの自転車を70台くらい持っているのですけど、 それを常に置いておく場所で、 どうしても広く場所を取る必要があったので、ついつい図面が大きくなっていって、 自分の首を絞めています(笑)」

自分たちで作るといっても、この規模! 結構長い期間やっているんでしょうね・・・。 ブラッキーさんによると、構造の建前は 大工さん10人くらいに来てもらって1日でやって、 そのあと壁を貼ったり、いろいろやるのに12月から始めて、 ここまできたそうです。

セルフビルドもここまでくると本当にすごいですね。 とてもとても、すばらしい技術じゃないですか!

そんなことを話しているとブラッキーさん、 「ちょっと中へ入ってみますか?」

いいんですか? しかしその前に、ちょっと気になっているものが・・・。 入口の前に釜がたくさんあるんです。

建設中の建物の下に、無造作に置いてある釜! ここで次の活躍を待っているんですね。

「そうそう、これねぇ、昔っておくどさんでご飯炊いていたでしょ。 美山の古い家にはそれが残っていて、 街の人が“子供達がたくさん来るんだったらいるやろ”と持ってきてくれるんです。 すでに一つ二つは普段から使っているやつがあって、 子供達にご飯を炊いてもらってみんなで食べるんです」

古い道具もここでは現役バリバリです♪


<ミニコラム> 今週の風景


ブラッキーさんとその仲間が建設中の建物前にて。 入口となる場所から中を見ると、その先には里山の緑。 ちょっとした風景でも絵になる、それが美山の大きな魅力だと感じました。 完成したら、景色を楽しむためだけでも、訪れる価値がありそうです。

<美山サイクリングの仕掛け人> ブラッキー中島さん

美山町に移住し、「一人でも多くの子供に自転車の楽しみを」とうコンセプトで全国のサイクリスト有志が集まった子供自転車教室のグループ「ウィラースクールジャパン」の代表。 自転車をきっかけに美山の町おこしに繋がるようなさまざまな活動を展開している。
http://cyclingschool.jp/

■今回の訪問地

近年サイクリングスポットとしても人気を集める茅葺き集落のある町・美山町。

里山の原風景が残り、自然豊かなこの街に、サイクリストの起点となる「SYCLE SEEDS」が誕生します。 自転車愛好家だけでなく、美山を訪れる人、そして地元の人の交流の場としても機能する予定だそうです。