さぁ、ブラッキーさんに案内されていよいよ建物中へ。

「中はログハウスのような感じでやっていこうと思っています。 入口入ってすぐの広い場所が、みんなで集う場所で、風通しもいいんです。 その横が事務局などが入る場所で、右側がキッチン。 できたら地域のおばちゃんたちに効力してもらって、 おばちゃんカフェやってもらったり、週末とかにね。 あとはスタッフが作業するときに厨房使うとか、 そんな風に利用しようと思っています」

ブラッキーさん、いろいろ考えを巡らせて 施設の機能を考えているんですね。 そりゃ図面が大きくなっていくわけだ(笑)

サイクルステーションとしての機能を一つ一つ教えてくれるブラッキーさん。どの場所にも、思いがしっかり詰まっています。

「あと、僕は自分がサイクリストなので、 使うときに必要なものを考えて、男女別で使えるシャワー室も作ります。 その隣がスクールの場所です。 壁に映像映したり、いろんなレクチャーできたり、 スクールのガイダンスをしたり。 近所の子供が放課後に寄ってくれて、宿題をやったり、 とかできるといいですね」

建設中の壁に、図面が飾られていました。 これもブラッキーさんがご自分で描いたそうです。

「もともと僕は大阪でデザインの仕事をやっていたので、 図面も自分で作りました。 施設の名前は「SYCLE SEEDS」といいます。自転車の種ですね。 自転車をきっかけにいろんな種をまいて、 地域の人も子供達も、みんなで楽しく花が開くように、と思って。 これだけきくと、立派な感じでしょ(笑)」

すごいなぁ、なんでもできちゃうんですね。腰にはもう工具も下がっていますし。

サイクルファッションのブラッキーさんですが、 腰にはしっかり、大工道具。 常に臨戦態勢(?)というわけですね。

ちょっとこちらに出て来てください、とブラッキーさんに促されるまま、 奥へ向かってみました。

「入口を入ってがらがら〜っと戸を開けると、 ど〜んと田舎の景色が広がっているんです」

うわ〜、いい眺めですね〜。ウッドデッキも広くて。

「みんなが自転車置いたりするときに、雨でも濡れないように軒を広く取っていて、 ちょっとここで田んぼを見ながらのんびりしてもらえたらと」

広々としたウッドデッキの目の前は田園風景、 その先には緑深き山々。 デッキに腰掛ければこの風景が見渡せる、まさに絶景! です。

広々としたデッキに見とれる本上。ここは絶対、施設の特等席になりますね。

6年前に美山に移住してきたブラッキーさんご家族。 そのときにある家を見付けました。 もともと築100年以上はあるだろうといわれている古民家、 書類には逐年不詳となっていましたが、すぐに惚れ込んで、購入します。

「茅葺きで、その上にトタンが張ってあって、 その下をちょこちょこ修正しながら今に至ります。 大工さんが一人入ってくれていたんですけど、 そのときの経験が今生きていますね。 隣の土地は、使い道がないからと譲り受けた場所です。 ここには秋に真っ赤になるカエデもあるので、 それが目の前にどーんとある施設を建てようかなと考えています。 隣も一面の黄金になりますし。 周囲の畑も自分のところでやっています」

美山での暮らしが完全に職住一体となっているブラッキーさん。 お米も作っていて、野菜も無農薬で作っているそうです。 もともとの仕事とは全然違うんですね。スゴイ変身ぶりです。


6年前に美山に移住してきたブラッキーさんご家族。 そのときにある家を見付けました。 もともと築100年以上はあるだろうといわれている古民家、 書類には逐年不詳となっていましたが、すぐに惚れ込んで、購入します。

「茅葺きで、その上にトタンが張ってあって、 その下をちょこちょこ修正しながら今に至ります。 大工さんが一人入ってくれていたんですけど、 そのときの経験が今生きていますね。 隣の土地は、使い道がないからと譲り受けた場所です。 ここには秋に真っ赤になるカエデもあるので、 それが目の前にどーんとある施設を建てようかなと考えています。 隣も一面の黄金になりますし。 周囲の畑も自分のところでやっています」

美山での暮らしが完全に職住一体となっているブラッキーさん。 お米も作っていて、野菜も無農薬で作っているそうです。 もともとの仕事とは全然違うんですね。スゴイ変身ぶりです。

ところで、ブラッキーさんが言う 「子供に自転車の楽しみを教える」ってどういうことなんでしょう? 街なかで自転車を教えるとなるとまず安全、 ということになりますね。車との接触など危険がいろいろありますから。 すると、自転車のマナーとかどうやって教えたらいい?となりがちです。 気を付けなさいよ、という方面に大人の気持ちが向いてしまうんですね。 本来であればお散歩したり自然と向き合ったりするにはもってこい、 しかも自分の力で漕いで、と素晴らしい乗り物なのですけど、 子供に対しては、心配がどんどん積み重なっていきます。

しかしスクールのように、 親じゃない第三者が楽しみを教えてくれるというのは、 とても興味があります。

「僕たちのスクールはもともとベルギーの教科書をベースにやっています。 これは競技者の底辺拡大のためのものなのですが、 まず自転車を楽しもう、というところから始まっているんです。 それを日本に持ち帰ったとき、 日本の現状と合わせて考えると、 都会で子供達が遊ぶ状況ってあまりよくないですよね。 でも、だからといって危ないから乗せないとなると、 乗せないから何も分からないまま大人になってしまう。 そうするとそういう人達が子供の前で無茶したり、 信号無視をするなど、マナーの悪い状態になってしまう。 結局、知らないことや経験しないことが悪いと思うので、 子供のうちから自転車というツールを使い、 交通という社会に出てもらうきっかけを持ってもらおうとやっています。 ただ、何も分からずに出てしまうと危ないし、 いざというときに子供らを守るのは マナーやルールではなくて技術なんです。 判断とか技術力とか、想像力とか。 これをやったら危ない、こうしたらこけてしまうとか。 自分の能力をちゃんと分かった上で、 安全を確認しながら乗ってもらえたら、と。 そういう経験をスクールでしてもらいたいですね。 なかなか都会では難しいから、田舎に来てもらって、 交通量の少ないときに思う存分走って、 ちょっとひやひやしたりはらはらしながら、 社会の中で経験してもらう。 自転車に乗ることは楽しい、 楽しいから自分は何をしなければならないのか、 これを子供達自身で考えてほしい。 これが僕らのスクールで目指しているところですね」

スクールへの思い、子供達への願いを熱く話すブラッキーさん。本上も親として、真剣に聞き入ります。

大人ももちろんそうですけど、 確かに楽しい、好きだというところが出発点にならないと 技術も上達しませんし、関心も寄せられませんね。

「好きこそ物の上手なれ、です。 僕らのスクールは日本で一番楽しい自転車教室と銘打っているんですよ。 だから参加した子供達が 必ず楽しいといってもらえるように考えています。 その子供達が楽しさを持続させていくために、 受け皿になってくださる地域を作っていきたいとも考えています。 やはり地域が子供を育てるので」

そう語るブラッキーさん。 また、美山はサイクリストが多い町だともおっしゃいました。 だからブラッキーさん、美山に惹かれたのでしょうか。

「元々美山は、京都国体の時にロードレースのコースとして 名乗りを上げた町なんですよ。 そのときに町が一体となって受け入れた経緯があるんです。 それ以降、毎年春にロードレース大会を受け入れています。 かたや僕は子供と一緒に自転車にはまって、 レースに何回か出たこともあるんですけど、 ロードレースに初めて出たのがここだったんです。 そのときに実際にレースに出てみて、 それがきっかけで美山に移住することになるんですけど、 移住してみて思ったことが、町が自転車の人達でなんらか潤っているのか? いろんな意味で町が自転車の人達と交流できているのかというと疑問で、 年に一回ロードレース大会のために場所貸しをしているだけではないか、と」

そうではなく、自転車が町に恩返しをする形を作りたい、 とブラッキーさんは言います。 いろんな活動を進めていくうち、 最近はサイクリストも増えてきた美山町。 だからこそ、の思いです。

そもそも京都国体で名乗りをあげたということからも分かるように、 美山は自転車が乗りやすい地域。 だからサイクリストが集まってくるともブラッキーさんは言います。

「美山は山の中なんですけど大きい川が2本あって、 高低差があまりない場所が多いんですよ。 西の端にある大野ダムからゆらり街道を通って 芦生の原生林方面へ向かう道があるんですけど、 そこまであまり高低差がありません。 だから本当に初心者でも十分楽しめるし、 子供達でも十分距離が乗れる。 僕も田舎にはよく行きますけど、 田舎って上りか下りしかないところが多いんですよね。 その点、美山は女性でも乗りやすいし、交通量も少ない。 しかも、道がキレイなんです。 近隣の人たちが道路周辺をキレイにしていて、人も温かいし、 これはもしかしたら聖地みたいなものじゃないかと考えて、 個人的に自転車の聖地プロジェクトを立ち上げました。 一時期は町とも連携して大きな取組をやったこともあります」

自転車で美山を盛り上げたい! ブラッキーさんの熱い思いは止まりません。

やっぱり、ある程度距離を乗れるって、 自転車を楽しむためには大切なことですよね?

「そうですね。自転車は思っているより距離を乗れるので、 短い距離を乗るよりがっつり走った方が達成感もありますし、 車よりも遅い速度で、かつ歩くよりも速いスピードで景色が変わっていく というのがほどよく飽きないですし、魅力でもあります」

ブラッキーさんの思いを聞きながら こうしてデッキに立って前の景色を眺めているだけで、 あっというまに時間が過ぎていきます。 自転車の速度でこの景色を体験できるっていいですね〜。 乗ってみたいなぁ。

「あ、乗ってみます? ちょうど先日友人に貸していた大人の自転車がここにありますので、 サイズ合わせをしましょうか」
ぜひ!

サイクルステーションでブラッキーさんが始めようとしていること。それを聞いているうちに、本上もどんどん楽しくなっていきました。これからその美山をちょっとサイクリング。ワクワクします♪

<ミニコラム> 今週の風景


ブラッキー家の愛犬・モンちゃん。 ブラッキーさんが美山へ移住し、畑にしようとしていた場所を、 我が物顔で遊び場にしているモンちゃん。 「おかげで畑では何も作れなくなっちゃいましたけど(笑)」 とブラッキーさん。 “美山で一番ぜいたくな犬”とも言われているそうです。 モンちゃんも、美山を満喫している一人(一匹)ですね。

<美山サイクリングの仕掛け人> ブラッキー中島さん

美山町に移住し、「一人でも多くの子供に自転車の楽しみを」とうコンセプトで全国のサイクリスト有志が集まった子供自転車教室のグループ「ウィラースクールジャパン」の代表。 自転車をきっかけに美山の町おこしに繋がるようなさまざまな活動を展開している。
http://cyclingschool.jp/

■今回の訪問地

近年サイクリングスポットとしても人気を集める茅葺き集落のある町・美山町。

里山の原風景が残り、自然豊かなこの街に、サイクリストの起点となる「SYCLE SEEDS」が誕生します。 自転車愛好家だけでなく、美山を訪れる人、そして地元の人の交流の場としても機能する予定だそうです。