先月に引き続き、福知山市に来ています。 今回お邪魔しているのは、気持ちのいいせせらぎの音がする、 三岳地区という山間部。

山々に囲まれた、本当にのどかな場所です。 三岳地区はもともと、三岳という村があったところ。 福知山市の中心地からは車で30分ほど山奧へ進みます。

鳥の声や風の音。耳を澄ませなくても聞こえてくる自然の音が心地いい、山村です。

公民館で、イラストレーターのイシワタマリさんが、 私たちを迎えてくれました。

イシワタさんは神奈川県横浜市の出身、 ご主人の仕事で福知山暮らしをされていますが、 そのご主人も出身は兵庫県西脇市、 つまり福知山には縁もゆかりもないそうです。

「福知山に来て5年目になります。 大阪で知り合った主人が『消防士になる』といって転職して、 たまたま決まったのが、福知山だったんです。 それで、結婚を機にこちらに来ました」

最初は福知山市内で暮らし始めたイシワタさん。 京都府と言っても、京都も大阪も兵庫からも遠いことに まず驚いたそうです。 さらに人と出会える場所もなく、 誰とどんな話としたらいいのかと、新婚当初は 寂しさを覚えることも多々…。 今までアートや文化、芸術に囲まれてきたイシワタさんにとって、 それらがまるで存在していないような雰囲気、 大いなるショックを感じると共に、 これまでの暮らしとのギャップを感じる日々。

引っ越してきた当時をあっけらかんと話してくれたイシワタさん。その口ぶりからは、当時のつらさなど微塵も感じられませんでした。

「しかし、暮らしはじめてしばらくすると、 20代の頃、スペインのバスク地方という田舎で 芸術活動のために1年ちょっと住んでいたのですが、 その町に福知山は似ていると気付きました。 そのバスク地方に住んだときにも 同じような寂しい気持ちを抱いていたので、 その時に消化できていなかった気持ちを逆手に取って、 今度は楽しんでやろう!と 前向きな気持ちで過ごそうと思ったんです」

バスク地方はスペインの北部、福知山市も京都府の北部。 日本海の側にあり、なんとなく自然の感じとか人などが似ていて、 どこか通ずるものがある、と感じたイシワタさん。 ここから、ご自身の中でさまざまな化学反応が起こり始めます。

「アートの魅力はどんなマイナスの要素さえも 逆手に取れることだと思うんです。 私が最初に感じたショックでさえも逆転の発想で、 町そのままの魅力に変えていけると思うので、 今ではこの町に期待しています」

イシワタさんは、今の気持ちを堂々と話してくれました。その瞳には間違いなく、力が宿っています。

実際にアート活動を始めたイシワタさん。 どのような活動をされているのでしょう?

「絵を描くことを中心にしています。 今日は公民館の中に用意しているので、 ぜひご覧ください♪」


<ミニコラム> 今週の風景


取材中にブロロロロ〜っとやってきて、 おばあちゃんを乗せて次の停留所へと向かっていったコミュニティバス。 ほんの一瞬の出来事でしたが、 取材陣をほっと和ませる、ノスタルジックな風景でした。
来週も引き続き、<福知山>のイシワタマリさんにお話を伺います。
公民館では、どんなアートが待っているのでしょう。お楽しみに!

<イラストレーター> イシワタマリさん

ご主人の仕事がきっかけで福知山市に移住したイシワタマリさん。
当初は右も左もわからない状態でしたが、 かつてアートの勉強でスペインのとある田舎を訪れたことを思い出し、 一念発起して福知山市の深部とも言える三岳に暮らすことに。
公民館を中心に「福知山でしかできないアート」で ワークショップやミニ新聞の発行など、 これからの福知山を考えた街づくりをしている。

https://www.facebook.com/yamayama.art/

■今回の訪問地

福知山市北西部の三岳地区は、 山間部特有の深緑と清らかな水に恵まれた のどかな田舎。地区のシンボル三岳山は 昔から修験道の地としても知られてきました。

地域を巡れば今も、 古き良き風景にたくさん出合えます。